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日本伝統文化と美しい季節を愉しみ
静謐に暮らしております

茶道・作法家・室礼師の尾崎 宗圭です





なぜ月には、兎がいるのでしょうか⁉️
ご存知ですか?

月の中の黒い影を見て、月にウサギがいるとした伝承は、仏教説話インドのジャータカに始まり、お話しは日本の「今昔物語集」を通し広く知られるようになりました。

それは「月ウサギの伝説」です。
昔ウサギ・キツネ・サルと三匹が仲良く暮らしていました。
実は三匹は前世での行いが悪く、動物の姿にされていましたが、いつも「何か世の中や、人の役立つ事をしたい」と、話していました。
そんなある日のこと、お腹を空かせた老人が現れました。
それぞれが老人の役に立とうと、食べ物を集めます。
サルは木に登り、木の実を集め、キッネは川に魚を捕まえてきましたが、特技のないウサギは何も持ってこられません。
ウサギは何かできないかと一生懸命に考えました。
そして、老人の前で火を焚き、「私は何も持って来ることができないので、私の肉を召し上がって下さい」と、火の中に飛び込み自分の身を捧げたのです。

実はこの老人は帝釈天で、三匹の行いを試そうとしたのでした。
帝釈天は「お前達の優しい気持ちはよくわかった、この次は人間として生まれ変われるようにしてあげよう」とおっしゃいました。
そうして、身を捧げたウサギを哀れみ、月の中に蘇らせて、皆の手本にしたのです。



このお話の続きは、ウサギの焼けた皮を剥いで月に移し、皮が剥がれた兎が生き返るという説もあり、月の黒い部分がウサギと言われています。


なぜ⁉️ウサギが月でお餅をついているのでしょうか

それは、ウサギが老人のためにお餅をついている‼️
とか、ウサギが食べる物に困らないようにという説。

又この神話の登場人物は、天体を示しています。
月はサル・星シリウスはキツネ・金星はウサギ・太陽は老人帝釈天。
老人は光が弱々しくなった冬至前の太陽、帝釈天は光を取り戻した(若返った)冬冬至の太陽であるという解釈もなされています。


今年は秋の美しい十五夜を眺めながら
優しい兎さんのことを思い出してくださいね。