細い鎖につながれた、一頭の象がいた
鎖は本当に細かった
体の大きな象になら簡単にちぎることができるくらい

でも象は それをちぎろうとはしなかった
なぜか?





象は小さい頃からずっとその鎖に繋がれて生きてきた
はじめは何度も逃げようとした
でも小さな象にとってその鎖は頑丈すぎた

しばらくして象は
自分はこの鎖から逃れることはできないのだと悟った
それから後、鎖から逃れようとはしなくなった






象はすっかり大きくなった
もう鎖は、ちぎろうと思えば今すぐちぎれる


でも象は小さい頃の
何度もその鎖から逃れようとした過去を 覚えていた

縛る鎖は 絶対で、
自分はずっと繋がれているんだと思い込んでいた



きっと
象はそのまま死んだ