自分に不甲斐なさを

感じるときは、



わたしは

自分の靴の裏を

眺めます。



すり減っているそれを見つめて、

よく一緒に

歩いてくれたねと

話しかけます。



布の内側が

すり減っているところにも、

ありがとうねと。



もう少し

そばにいてね。



私を助けてねと

話しかけます。



自分を装ってくれている

服にも、



雨風から守ってくれている

家にも、



そして

自分を生かしてくれている

体にも

話しかけます。



つまんないこと

考えてばかりで

ごめんね。



どうか助けてね。



力を貸して。



もしかしたら

神様に祈るよりも、



それは強烈な

想いかもしれません。



私のもとに

来てくれたものたちに

せめてもの感謝を。








かなえ