タクシーで歌舞伎町に着いたのは3時半頃だった。
まず先にホテルの男に会いに行く事にした。
待ち合わせをして、4時頃に居酒屋に入った。
たぶん5時半頃には終わるだろうと思い
翼には、6時頃には店に行けると思うと伝えた。
ホテルの彼はカズヤという名前だった。
ホストを始めたのは最近で、とにかく全然売れてないらしい。
彼はみくちゃんとも仲良くなり、以外にも会話ははずんだ。
ふと時計をみると、もう5時半になっていた。
けれど帰る雰囲気じゃなかったので、そのまま飲み続けた。
その店は電波がなく、翼に連絡する事も出来なかった。
結局6時半頃まで店にいた。
カズヤとまた会う約束をして、別れた。
すぐに翼に連絡すると
『やっと電話来た!もぉ~ずっと待ってたんだよ!?』
『ごめんごめん、なかなか用事が終わらなくて…。今どこ?』
『コマ劇の前だよ!でも今から店行っても、1時間位しかいれないよ?』
『わかった、とりあえず行くよ!』
そう言って、みくちゃんと急いで向かった。
あとで彼に聞いて知った事だが、この時相当怒っていたらしい^^;
コマ劇前に着くと、一人の男の子が近付いてきた。
身長は170ちょっとくらいで、パっと見は学生に見える感じだった。
顔は、松本潤っていうより
松本潤とNEWSの手越君を足して2で割った様な感じだった。
わたしのイメージとはだいぶ違ったが、たしかにジャニーズ系だった。
『はじめまして、翼です!』
『はじめまして、ななです!そしてこっちがみくちゃんです♪
遅れてごめんね~』
『いいよ♪とりあえず店向かって平気??』
『いいよー!』
店はコマ劇から歩いて5分程の所にあった。
時間が時間だったので、店の中は2テーブルしかお客さんがいなかった。
『とりあえず、本当は初回2千円なんだけど、時間がちょっとしかないから
今回は千円でいいよ!』
『ありがとう^^じゃあお礼に指名するよ♪』
『え?いいの?まだ他のホスト全然見てないけど…』
『いいよいいよ^^』
『ありがとう!!じつは俺、ホスト初めてまだ4日目なんだ!
だから初指名だよ!めっちゃうれしい!!』
彼は満面の笑みでそう言った。
しばらく飲んでると電話が鳴った。
ハルトだ。
とりあえず店にいる間は出られない。出たらかけよう。
そう思い、無視した。
すると、
『出なくて大丈夫??』
と、翼が聞いてきた。
『うん、いいのいいの。』
『もしかしてハルト君~??』
と、みくちゃんがニヤニヤしながら聞いてきた。
『ハルトって??』
翼がわたしに向かって聞いてきた。
『彼氏。』
『え?彼氏いるの?ってか大丈夫なの!?』
『バレたら怒られる。』
『えーーーー!』
『でもたぶんバレないから大丈夫。』
『そっか…、なんかあったらちゃんと言ってね?』
『うん、わかった。ありがとう。』
8時過ぎになり、店を出た。
この日、みくちゃんは結局だれも指名せず、
送り指名は代表だった。
ちなみに送り指名というのは、店の外まで送ってもらうホストを指名する事だ。
最初にこれを聞いたとき、なんの意味があるんだろうと思ったけど、
この送り指名の時に、店では話せない事を話したり、
色恋をかけようとするホストは、手をつないできたり…。
まぁとにかく、送り指名にも意味があるらしい。
この日はそのままみくちゃんと店に帰った。
帰る途中に翼からメールがきた。
『今日は来てくれてありがとう!指名までしてもらっちゃって…。
またあえるの楽しみにしてるよ♪』
たぶんそんなには行かないだろうな…。
この時はそう思っていた。
そして店に着いてからハルトに電話した。
『もしもし、ごめんね。仕事終わって疲れて寝てた。』
『そっか!起こしちゃってごめんね!また夜電話して♪』
『わかった。おやすみ』
だんだん嘘をつくのも慣れてきてしまっていた。
わたしなんで付き合ってるんだろう…。
