Kanadeがおすすめしたいアーティストさんをご紹介するコーナー!



毎月1ヶ月以内に1回更新中!!




さて、今回ご紹介するのは





B'z






について語らせてもらいます!


その中でも、今回は、1994年にリリースした7枚目のアルバム『The 7th Blues』についてお話しします!



B'zはボーカル、稲葉浩志、ギター、松本孝弘によるロックユニット。


1988年にシングル『だからその手を離して』アルバム『B'z』を同時リリースでデビュー。その後、現在に至るまで数々のシングル・アルバム等をリリースし、ミリオンヒットを達成し、日本に限らず世界に知れ渡るほどのモンスターバンドと言われている。


本日、紹介する『The 7th Blues』というアルバムは1994年3月2日にリリースされた7枚目のオリジナルアルバム。


タイトルは、7枚目のアルバムとブルースでよく使うセブンスコードをもじったとのこと。松本さんが酔った時の思いつきということ。


ただ、アルバム曲自体は、ブルースだけではなく、ジャズやポップな楽曲もある。


本人達も認めるほど暗黒時代なんて言われていましたが、


自分はもちろん、このアルバムをきっかけに洋楽を聞き始めた人も多いはず。


生意気ながら色々と語らせてもらいますと、


まず稲葉さんの書く詩がどれも良く心に響く歌詞。どれも稲葉さんにしか表現出来ない素晴らしい歌詞ばかりです。メロディーばかりに目がいくのではなく、ちゃんと歌詞を知りたくなるような見たくなるような歌詞ですよね。


松本さんが奏でるメロディーは、綺麗でおしゃれなカッコイイメロディーばかりで、一度聞くと頭に残ってまた聴きたくなるようなメロディーばかりです。


1小節の中でも細かいところまでこだわっているのがよくわかるし、オマージュとして有名な洋楽アーティストさんのリフを入れた曲やストリングスの長いイントロの曲、、昔の曲をアレンジして収録していたりと、あまり今じゃやらないようなことをやっていますね。ちかみに、このアルバムにはインストゥルメンタル曲なんかもあったりします。


そして、稲葉さんのシャウトも凄いカッコイイです。それこそ1994年にしかないシャウトをやられていたと思うんです。それは当時のメロディーラインだったり、雰囲気や歌詞などに合わせているとああうか、レコーディングしている中で自然とやられているのだと思うんです。


さらに、このアルバムでは、ゲスト参加アーティストが凄いんですよね。



コーラスにTWINZERの生沢祐一さん、DREAMS COME TRUEでコーラスをされている高嶋りん(現:浦嶋りんこ)さん、ホーンセクションには東京スカパラダイスオーケストラ(アルバム表記は、SKA-PARA HORNS)、さらに、ミキシングエンジニアには、のちに、グリーン・デイなどを手掛けるクリス・ロード・エルジ氏が参加。今、見ても凄いです。



では、ここから、楽曲解説をしたいと思います。



Disc1


1.LOVE IS DEAD


ライブでは今や定番曲。イントロダクションとして外国人の電話での会話からスタートする。まさにこれぞブルースロック。ライブでももちろんのこと、原曲を聴いていても盛り上がるし、テンション上がります。途中のギターソロとそこから大サビに向けてが超カッコイイ。そして、最後のシャウトが超カッコイイ。間違いない。


2.おでかけしましょ


こちらもテンション上がる曲。94年当時のミュージックステーションで『Don't Leave Me』と一緒に歌われていました。自分が思うに、89年リリースのアルバム『OFF THE LOCK』の2曲目に収録されている『HURRY UP』みたいな立ち位置なのかなと。


3.未成年


大人の世界に入れてもらえない未成年を歌っている。


ギターソロ以降の間奏は、生ドラムの代わりにサンプリング・ループが使われていたり、エンディングでは、ピアノかソロをとりジャズ的アプローチになっている。


アウトロ直前には、90年リリースのアルバム『RISKY』に収録されている『GIMME YOUR LOVE〜不屈のLOVE DRIVER -』の間奏の一部と同じギターフレーズが使われている。


自分がオシャレな楽曲として挙げているひとつ。メロディーライン、ギターリフ、ギターソロとも流れるようにキレイで耳に残りやすい楽曲だと思う。


4.闇の雨


元々、シングル『Don't Leave Me』のカップリング曲『Mannequin Village』のバックトラックにこの曲のボーカルラインがそのまま乗ったデモ音源が制作されていたが、全く別の曲に差し替えられた。


途中のギターソロのフレーズが凄く好きなんです。自分的には泣きのギターだと思っています。最後のアウトロ後のアルペジオとの歌唱部分も好きですね。最後、あんな切なく終わる曲って後にも先にもあるのかなと思います。稲葉さんの『待ってるはず 闇の向こうに あなたはいるはず』って詩が堪らなく切ない。


5.MY SAD LOVE


前曲とは打って変わって、アップテンポナンバー。昔の恋を煩い悩んでいる女性と付き合っている男性の感情がテーマ。


なんか稲葉さん、この楽曲は特にいつもより少しだけ表現を変えてるような気がする。この楽曲だけ、俺って一人称使ってみたり。それがまた新鮮でいいですよね。


最後のアウトロ直前で盛り上がるところなんか凄く好きですね。


あと、スカパラ大活躍の楽曲です。


6.Queen Of Madrid


歌詞はマドリードについて女性目線で歌っている。癒し系の楽曲ですね。のちに、2000年にリリースのシングル『juice』のカップリング曲『UBU』や2002年にリリースされるアルバム『GREEN』に収録されている『Blue Sunshine』に受け継がれてるのかなと個人的には思っています。


7.ヒミツなふたり


歌詞では倦怠感に差しかかりつつあるカップルの男性側の心情が描かれている。


とにかく稲葉さんが楽しそうに歌っているように見える。


サビ冒頭の『やんなっちゃうよ〜』がなんか稲葉さんらしい歌詞だなって。


8.Strings of My Soul


松本さんのギターソロ、インストゥルメンタル曲。元々は93年のライブで披露されていた。


自分が松本さんのソロ楽曲の中でダントツで一番好きな楽曲。


ほんとおすすめしたいし、ぜひ聴いて欲しい。


これを聴けば、B'zというロックユニットの存在の意味や方向性が見えてくると思うんです。そして、聴き入れつしまう。何度も聴いてしまう。その度にB'zの音楽に出逢えて良かったと思える。自分はそんな楽曲だと思います。


9.赤い河


約1分40秒にも及ぶストリングスのイントロから始まる。


タイトルは、グランド・キャニオンのコロラド川に由来する。


タイトル通りの世界観が凄いですよね。行ったことなくても想像出来るという。


1994年当時のサポートメンバー含めた制作側の一体感が伝わる楽曲だと思います。


10.WILD ROAD


バンド構成・編曲自体は簡潔だが、ハルモンドオルガンとディストーションギターが主体として、ボーカル、コーラスで厚みを出している。


途中、ギターソロ後のサビパートで稲葉さんではなく、高嶋りん(現:浦嶋りんこ)さんが歌唱している箇所がある。


B'zの楽曲で稲葉さん以外が歌っている楽曲はこの楽曲しかないぐらいかなりレア。


松本さんのワイルドでカッコイイメロディーと稲葉さんのストレートでイカしたカッコイイ歌詞が最高ですよね。



Disc2


1.Don't Leave Me


14thシングル曲。本作の先行シングル。稲葉さんの切ない男心を描いた歌詞と松本さんのブルージーで落ち着いたバラード。


ジャケット写真は、ロサンゼルスから車で1時間ほど走らせた場所にあるドライレイクで撮影。MVは、ロサンゼルスの郊外にある荒野やハイウェイで撮影された。


前作『裸足の女神』とは打って変わってブルース色を全面に出した曲。


松本さんは、今までのようなポップな曲も候補にはあったけど、そろそろ目先を変えたものが必要だと思うし、自分達がいいと思った曲を敢えてシングルにした。


歌詞は過去を振り返る孤独な男を表現している。


余談だが、この楽曲もスカパラが大活躍。


2.Sweet Lil' Devil


ギターリフやバンドのユニゾンが多く、ボーカルを含め各パートの即興要素も多い。


ギターソロ後の擬似ライブのようなパートはレッド・シェッペリンの『HeartBreaker』の間奏を演奏している。


Aメロではキーがかなり低く、Bメロ、サビでいきなりキーが高くなります。


楽曲としては、アルバムの中で洋楽っぽい楽曲のひとつ。94年のライブでは1曲目に歌唱している。盛り上がるロックなナンバー。


3.THE BORDER


ストリングスのアレンジが全面に出た楽曲。女性コーラス群や、ワウエフェクトのかかったギターなど、ファンクやソウル・R&Bのようなアレンジがされている。


ライブでは今だに未演奏。


こちらもオシャレな楽曲と思う楽曲のひとつ。


歌っていて気分が気持ち良くなるスッキリする曲です。


あまり知られていない隠れた名曲のひとつ。


4.JAP THE RIPPER


タイトルは『切り裂きジャック(JACK THE RIPPER) 』に由来する。


こちらもアルバムの中で洋楽っぽい楽曲のひとつ。


そもそも、93年のライブツアーで未発表曲として1曲目に歌われていた。


ライブでファンと一体感になれるロックなナンバーだ。


5.SLAVE THE.NIGHT


88年リリースのアルバム『B'z』に収録されている『ハートも濡れるナンバー〜stay tonight〜』のリメイクバージョン。


歌詞は全英歌詞でタイトルごと作り直されており、曲構成も変更されている。サウンドデザインもブラスセクションだけではなく、女性コーラス群がフィーチャーされている。


1分ほどのソロギター・イントロの中盤では、ジミ・ヘンドリックスの『Little Wing』のイントロを引用している。


この曲も自分が思うオシャレな楽曲だと思う楽曲のひとつ。


昔の楽曲をこんなにキレイなメロディーラインにアレンジしてしまう松本さんはさすがです。これそアレンジセンスが光っていると思います。


6.春


泣きのギターがイントロの全編短調のバラード。


曲後半ではティンパニーが使用されている。


ライブでは定番になりつつある曲ですが、やはり、94年当時にしか出せない稲葉さんが書いたストレートな歌詞と松本さんの切ないバラードナンバーが良いですよね。


途中のギターソロは泣けます。


7.破れぬ夢を引きずって


シンセチックな音色にギターが絡まってくるイントロからはじまり、ストリングスによるスローテンポのアウトロで終わる。この曲も洋楽に近いですよね。そして、カッコイイ。自分がめちゃくちゃ好きな曲であり、まさに、洋楽を聴くきっかけになった曲なんです。


歌詞は苦悩しながらも前向きな歌詞が稲葉さんらしくて好きです。


8.LADY NAVIGATION


シングル曲の全英歌詞リメイクバージョン。元々93年のライブで披露されていたものを元に曲構成をアレンジしている。


ブルース色の強いサウンドにスローテンポという落ち着いたナンバー。これぞブルース。


コーラスで参加されている生沢祐一さんの声もカッコよく、いかされてます。


9.もうかりまっか


イントロからおもちゃの音から始まる。そして、この曲に関しては一発録り。歌詞は関西弁で当時のサポートメンバー(特にベースの明石昌夫さん)の発案したものが多く取り込まれている。


また、歌詞にメンバーの名前が登場するとは知らなかったらしく、演奏中にいきなり名前が出てきて大笑いしながらのレコーディングだった。


ちなみに、ライブでは、スローテンポで歌っている。曲の途中で稲葉さんのぼやきコーナーなんかもあった。


10.farewell song


ブラスセクションのイントロから始まる楽曲で、全体的にコーラスやホーン、ストリングスが大々的に取り入れられている。


エンディングは、ビートルズの『ヘイ・ジュード』を意識されたもの。


曲終了直前の歓声の中によく聞くと『こひしかるべき〜』と『LADY-GO-ROUND』の一節が聞こえるが、これもビートルズのオマージュ。


アルバムの終わりに相応しい曲ですよね。自分もカラオケの締めにたまにこれで締める時があります。






さて、終わりに、


この時代は、洋楽のオマージュを曲に取り入れたり、ライブでも取り入れたり、当時、あまり日本のミュージシャンがやらないことをB'zのおふたりが率先して日本の音楽業界に新しい風穴を開けたと思うんです。


当時、(今もかもしれませんが)ブルースとかが日本ではあまり聞かれていない時代に、シングルとして『Don't Leave Me』『MOTEL』、そしてブルース色の強いこのアルバムをリリースしたりと、凄いことをしてるんだなと思います。


だから、94年のシングル、アルバムを聴いて洋楽を聴く人が増えたきっかけになったんだと思うんです。


松本さんはこの『The 7th Blues』ていうアルバムはターニングポイントになったとおっしゃっていました。


まだ聞いたことない方は、ぜひ一度聴いてみて欲しいアルバムです。




では、最後に 



B'zの1994年のおすすめ楽曲をBEST3でご紹介!