2022年の3月半ば頃から、私は派遣でコロナ関連の職場に行くことになったのです。

しかし、ゴールデンウイークに入る直前に胸痛を伴う肺炎になり、9日間入院してしまいました。

退院する時に請求書を見て驚きました!!

限度額適用認定証を見せても、入院費が4月分と5月分がかかり、なんと12万!!という高額な請求書を渡されたのでした。

そのために、正社員でないので来月のお給料も減り、かなり経済的に大変になってしまったのでした...。

ゴールデンウイーク明けに元気になり職場に復帰しましたが、コロナ患者が増えて、職場の仕事も大変になっていました。

この職場では、パソコン入力と、コロナ感染者に架電をして、症状を詳しく聞いてその方のカルテのような書類を作り、療養期間や濃厚接触者の待機期間を説明して伝える仕事でした。

夏にかけて、感染者数もかなり多くなっていったのです。

感染者の方々に電話すると、軽い人から重い人まで様々でしたが、情報を聞いたり伝えることが沢山ありすぎるので、熱が高い人や、咳込んで声が枯れてしまっている人には、なるべく早く伝えなければと思いながら電話をしていました。

難しいのが、濃厚接触者かどうかの見分け方と待機期間の日数でした。

小さなお子さんや、介護や看護を必要とする人がコロナ感染者になった場合は、隔離して一人にすることはできないので、感染者との接触を続けるしかない方は、感染者の療養期間が終わった後から待機期間が始まるという説明をすると、

「えっ、そんなに長いの?」と言われてしまいました。(確かに長い!!)

その頃の感染者は10日間の療養期間で、感染者から離れることが出来ない人はその家族の療養期間が終わってから7日間の待機期間となり、17日間も外出を控えないといけないということになり、働いている人は中々仕事に行けなくなってしまうのです...。

感染者は10日間経つと元の生活に戻れるけれど、濃厚接触者は次々に家族が感染者になると、待機期間が延びていって、いつまでたっても仕事に行けなくなるという事態になっている人もいて、本当に大変そうでした。

その感染者の中には、私の様に仕事を休むと生活が苦しくなるという人も多くいらっしゃいました。

電話で話していると、「こんなに仕事を休むと生活が大変だ!!」と切実に話す方もいて、食事支援を希望する人も多かったのですが、この私たちの暮らす○○市では食事支援を受けるには条件があったのです。

それは、『単身者である』か『家族全員感染者』であることだったのです!!

ということを、条件に当てはまらない感染者に伝えると「そうなんですか...。」とがっかりした声で返事が返ってきました。

私は食事支援ができないことをただ伝えるだけで、(誰かに、助けてもらえないだろうか...)と、心の中で心配することしかできなかったのです。

ある日、架電をしていると、単身者の感染者の方ばかりの時があり、次々に食事支援希望と書類に書き込んでいったのですが、その書類を職員さんが最後に目を通していき、聞き漏れがないか、正確に伝えているかなどを調べた後に、私は職員さんに呼ばれて、

「こんなに多くの食事支援希望の人を作らないようにしてください!!

予算が少ないから、単身者でも、誰かに頼める人いないか、ネットスーパーを使えないか、まず聞いてくださいね。」

と言われて、私も(え~~そんな...それぐらいしてあげてもいいんじゃない?)と思ってしまいました...。

職員さんが悪い訳でもないのです。職員さんも上から言われているのでしょう...。

職員さんのその言葉を聞いた後から、仕方なく単身者の方にも、

「誰か頼る人いませんか?ネットで買うことはできませんか?」と、聞くことになってしまいました。

そして、感染者の中で、療養期間中に全く連絡が取れなくなった方がいたらしく、職員さんが、私に、

「電話して体調を聞いてほしい...」と頼んできたのです。

そして架けてみると電話が繋がって、私が名乗ると、その方はいきなり怒った口調になり、

「食事支援をしてくれなかったせいで、ひどい目に合った!!」としばらくの間、今までの辛さ悔しさを吐き出すかのように、私に不満をぶつけてきたのです!!

私はその方に何度も謝りながら、「それで体調の方はいかがでしょうか?」と聞いても、相手は怒ったままで、

「もう電話してくるな!!」と言って、ガチャンと切れてしまいました...。

(よっぽど辛かったんだろうな...なんかかわいそう...)と、私も一人暮らしで苦労が絶えないので、痛いほど分かったのです。

(給付金も1回だけだし、食事支援ぐらい全員にできないんだろうか?)

私は毎日疑問に思いながら、架電の仕事をしたのでした...。