1月25日木曜日 曇り時々雪。


西武百貨店から「原田泰治作品展示会」の案内の葉書が届きました。





オイラの婆さんが病院併設の老健施設にお世話になっていたのは今から25年ほど前の事です。

1998年に80歳で往生しました。


我が家に嫁に来て、苦労だけしかなかった婆さんでしたが、とても優しい婆さんでした。

病院に孫を見せに行くと凄く嬉しい顔をして喜んでくれたのです。


頑張り屋さんの婆さんは、施設内ではタオルや洗濯物を畳んだりして、看護師さん達からの信頼も厚くしっかり者のお婆さんでした。


そんな婆さんがお世話になっていた病院の廊下には、日本の原風景を描いた絵画(版画)が飾られていました。

それが、原田泰治さんの版画でした。

廊下に6.7点の作品が飾られて有りました。


結婚もして子供も出来たのに、未だいい加減な30歳くらいのオイラでしたが、その絵はオイラのハートにドスンと響いたのです。

その時のオイラには、そんな作品を買える余裕もありませんでしたので、作品集の本を買いその写真を切り抜いて額に入れて鑑賞していたのです。




今から7.8年前に西武百貨店の展示会場に行った折、

「原田泰治さんの展示会があったら是非御連絡下さい」

とお願いしてあったのですが、本当に西武百貨店から招待状が届いたのです、びっくりしたなぁ。








嫁と休みが合った本日、夫婦でコソコソと西武百貨店5階展示場に出向いてしまいました。




版画と言えども、真物はいいですねえ〜。




原田泰治画伯は2022年にお亡くなりになっていますが、ご本人のサインが入った作品も有ったりするから、俄然購買意欲が掻き立てられます。


号数に対比して、数万円から十数万円までの作品が有るのですが、当地を模写した作品も2点展示されていました。

届いた案内の葉書にも当地を題材にしたその作品が紹介されていました。


日本百名山荒島岳を望む阪谷地区で、早春に田芋を植付けする図柄でした。

残雪が残る荒島岳の山麓には菜花が咲き、その田んぼで4人の婆さんが田芋の種芋を植え付けています、1998年の作品だそうです。



担当者とお話しをしていたら、お越しになった地元のお客様から、

「ここに描かれた山は白山ですね」

と教えられたそうです。


なにぃ〜〜〜!!

「それは違います。大野市から白山の頂きは見えません」


「これは阪谷地区辺りから、残雪の荒島岳を描いた構図です。」



「手前の稜線は桃の木峠から寺月峠辺りの山の稜線です」


と、担当者に自慢げにレクチャーしちゃいました。いつもの、でしゃばり癖が出ちゃいました。

でも担当者はメモを取っておられて、とても重要で大事な説明だったようで、とても信憑性があると御礼のお言葉まで頂きました。



嫁は、今回の展示会でオイラが作品を購入すると思っていたそうで、十数万円の出費に腹を括っていたそうです。


良い作品はたくさん有りました・・・

でも30歳代だった多感なあの頃のオイラと、60歳前になった鈍感なオイラの物欲には、だいぶん温度差が出来てしまったようでした。


1時間ばかし作品を鑑賞し終えたら、担当に御礼を申し上げて5階の会場を後にしました。


エレベーターでデパ地下の食品売場に降りましたら、320円のフランスパンを2つ買って帰路につきました。(爆)