前日、あきらくんや2.5次元において活躍されているみなさまからいろいろなお話を聞けて、反芻してホクホクしながらむかえた翌日。

今日はついに、楽しみにしていた朗読劇です!
今日は整理券の場所をあらかじめ言われていたし、でも開館直前くらいに行ったのですでに人が…
だけどなんだかんだ前から5列目くらい?をとることができました。
座った場所がたまたまあきらくんの立ち位置の場所だったので、立っているときはめちゃくちゃ真ん前にいて、その代わり座ると人の頭ですっぽり隠れてしまいました…笑 顔が小さい……

朗読劇の時間までは別府で温泉は行ったり名物の団子汁食べたりしていたのですが、まさかの雪でびっくりしました!露天風呂に入れたらよかったな…笑
あ、余談ですが前日夜に入った大分駅ビルにあるJR九州がやっているここはめちゃくちゃ夜景がきれいにみえる露天があって最高でした!
CITY SPA てんくう  http://www.cityspatenku.jp/

さて、本題に戻ります。
今回参加する朗読劇「痕跡(あとあと)」は、鶴屋南北戯曲賞という賞を受賞している、作品自体もとても深みのある上質(という表現がふさわしいのかわかりませんが)なものでした。
そして、ほかのキャストの方々が錚々たる面々で…ラサール石井さん、田中真弓さん、青木さやかさん、などなど…おそらく他の方々も私が存じ上げていないだけですごくお芝居界では有名な方々なのではないかと思います…そこに抜擢していただいただけでもうなんかめっちゃ嬉しかったですね…。
観劇後、この役にキャスティングされたの、わかる気がする…となりました。
そして、お芝居のキャリアにおいてとてもとても大切な一日になったのではないかな、と思いました。

まずあらすじを説明しますね。
いやこれあらすじを説明するのがめちゃくちゃ難しいんですよ…笑(言い訳)
口頭で説明しようとしてぐちゃぐちゃになってました…orz


始まり始まり~。
(めちゃくちゃ長いので感想から読まれる方は***以降からどうぞ)
大雨の夜、住宅地。増水している川にかかった橋のあたりで、自殺しようとする男(ひきとめられる)がひとり。男が去ったあと、幼い男の子が車にはねられ、川に流されてしまう。

十数年後。
余命残り少ない女性が、行方不明になった息子(名:折出ゆうきくん)を探し続けており、妹(田中真弓さん)と、それをドキュメンタリーとして追っているカメラマンとともに探している。
(朗読劇内ではたびたび、各登場人物がこのカメラマンに向けて独白するようなシーンがある。)

女性は残り短い命で、死ぬまでになんとか息子に一目会いたいと思い、つらい体で懸命に探している。

また別の時系列。クリーニング屋を営む男性(ラサール石井さん)。その隣に妻と思われる女性、息子と思われる男性、瞬(洸くん)。従業員の男。
クリーニング屋の社長と息子が従業員の男に誘われて、韓国焼肉屋(のふりをしたおっパブ笑)に食事に行く。
そこには店長らしき青年と、韓国人らしき女性がふたり(ひとりが青木さやかさん)。
瞬はその女性(別の方)のうちの一人と親しい仲になっていく。

余命少ない女性は、折出ゆうきという名の男が働ているという情報をつきとめ、焼き肉屋にたどりつく。しかし青年は人違いだと、先ほどまでの愛想のよい対応から一変し、追い払う。以前の名前を捨てて、別の人間として新たな人生を生きている人間なんて山ほどいるとカメラに向かって語る。
また、従業員の韓国人女性は日本人中年男性と結婚できることを喜んでいた。(いわゆる日本国籍を取得するために偽装結婚。)
しかし、店に来た結婚予定の相手から笑顔が気に食わないといわれ乱暴をされ、婚約破棄された。泣きじゃくる女性と慰める店長の青年。
戸籍を持たない者にとってこの社会はあまりにも生きづらいと嘆く青年。


余命残り少ない女性は、体調をくずしかかりつけの病院にいく。そこの看護師さんがとてもよくしてくれる。その看護師さんは、身ごもっておりもうすぐ出産とのことだった。

一方、瞬は仲良くなった山田花子と名乗る韓国人店員を、「なせだがわからないけど、ここに来るとほっとするんだ」という川のちかくへ連れていく。ちゃんとした恋心をはじめて抱いたのか、その場所に他人を連れていくのは初めてだった。

場面が変わり、クリーニング屋の社長と女性。夫婦のようだったが、事実婚である。
女性が、瞬の誕生日にあることを計画していると告げる。瞬を自分たちの戸籍に入れようというのだ。
瞬は男性の連れ子だった。女性は、男性にはなにか訳ありのようだと察していたがあえて何も聞かずに長年ともに生活していた。
しかし、男性はその提案に猛反対。それならばと、息子と縁を切ろうとする。


息子を探している女性を見聞きしているうちに、看護師の女性の夫は、自分が十数年前にはねて死なせた男の子だ、と気づく。

それ看護師の女性に打ち明けるが、なぜ今うちあけたのか、ずっと黙っててくれなかったのかと、責められる。

一度、息子を探している女性に打ち明けようと会いにいったが、やはり打ち明けるべきでないとおもった女性が遮った。

その後、看護師の女性は生まれた子供を夫に抱かせる。「抱いてあげて」と赤ん坊抱かせて「忘れよう、事件のこと。私も忘れる。でももう二度とこの子は抱かせない」と告げた。


クリーニング店には、余命わずかの女性が訪ねてくる。ビラをもって、ここに息子はいないでしょうかと尋ねてくる。
いないと答えるが、そのとき瞬がたまたまとおりすがった。
我を忘れて、私の子です!!!と言い張る女性。
そこに現れる母親。「この子は私がおなかを痛めて産んだ子です」と旦那のためにうそをつく。
そこで、他人の子さえも自分の子だと言い張ってしまった自分に気が付き、失意の中帰宅する女性。

男性はカメラに向かって話す。
大雨の夜、経営していた会社が傾き、やけになっていた。そのまま川に飛び込もうとしたが、バーの店主に引き留められた。
その後、しばらくして車が何かをはね、鈍い音がした。黒い塊が川へ飛んで行った。子供だ。川へ飛び込み、必死に追いかけた。その後、親子の振りをしてともに入院し、そのまま退院した。魔がさしたのか、その子をそのまま連れて歩いた。
やっぱりこのままではいけないと思い、ある日、男の子を警察署の前に置き去りにしようとした。「お前は俺の子じゃない。」と言って。
しかし、悪いことをして叱られたと思っているのか男の子はわんわんと泣き続け、握った手を放さなかった。ついに耐えられなくなり、また手を引いて歩きだしてしまったのだった。

瞬は、誕生日プレゼントに父からもらったお金を手に、花子とデートに行く。
デートと言っても、以前散歩をした川がある住宅地のあたりをピクニックしている。そのあと、流れで花子の家にいくことに。
花子の家で「泊まってけば…?」「そうする」と流れで花子の家に泊まることに。家族の話などをしながら覆いかぶさる瞬。その後あおむけになる。

帰宅すると立腹の父。「金ならくれてやるから、でていけ!お前は本当の息子じゃない、お前の本当の名は折出ゆうきだ」と怒鳴る。
瞬はわけもわからず「なんだよそれ、いきなり。こんな金ででていけってなんなんだよ!」と反論するが、折れてその場を去る。


瞬を出て行かせたあと、妻の反対を押し切り、父も警察へ自首しにいく。

クリーニング屋での一件から、自分はもう自分の子の顔もわからないんだと失望する女性。それをきっかけに、もう、息子探しは最後にするといって、あの橋のあたりへ向かう。

先ほどのやりとりを花子に話しながらいつもの橋のある川沿いを歩くゆうきと花子。
そこへ、余命の短い残り少ない女性が現れる。
息子でしか知りえない場所にいる瞬。
はた、と目があう二人。

―終―

***********
ここで終わるのやばくないですか………

めちゃくちゃ要約すると、戸籍がないことで生まれるちょっとした・そして大きな苦労を抱えた人たち、ちょっとした魔が差したことで人生が一変してしまう、そんななさそうでありそうな、ちょっとしたひずみを描いたストーリーでした。
最後、遭遇するところで終わるのが衝撃的過ぎて。
このあと、息子だってかけよっていったとき、ゆうきくんは思い出すのか、思い出さずどちらさまですか?ときくのか、説明を受けた後受け入れるのか受け入れないのか、すべて聞き手の解釈次第なんですよ。
母と幸せに暮らしましたとさ、でも、めでたしめでたしじゃないんですよね。
育てのお母さんはどうなるの?
花子さんもゆうきくんも、お互い戸籍がない状態で、なんとなく恋仲になって、なんとなく家族になるかもしれない。だけどその間に子供が生まれたら?また同じ苦労としてしまう。そういうこと考えてるのかな? とか
ひとりが起こした行動が歯車のパーツになっていて、それがきっかけですべてが歪んでいくっていうことは、スケールの大きさは違えど日常でもあることだと思います。こういうことってずるずるそうなっていくので案外どうすることもできないまま気が付いたら事態が重くなっていた、みたいなことって多いんじゃないかなと思います。
非常に考えさせれる作品でした。


朗読劇って舞台装置や衣装、身振りなんかもほとんどない状況で、ト書きがすごく細かく書かれていてひとりひとりが頭の中で浮かべた情景を舞台に乗せながら、時々使われる照明と融合させて、声の演技に聞き入るという、私にとっては新感覚の劇の形態でした。


ここからは、洸君の演技に対しての感想を中心に書きますね。
洸くん、ずっとすごくピンと背筋を張っていました。座るときも。
座っているときも台本をじっと見ていて、私の角度からは見えなかったのですが、場面転換が何度もあるので、舞台全体と負いつつページを前にめくって、自分が次どういう心境でのセリフなのか、確認しているようにも見えたと聞きました。

最初クリーニング屋さんの場面ででてきたとき、ぶっちゃけ、「あれ?なんかわりと棒読み…?」と思ってしまったんですよね。
でも、徐々に声に色がついていった。
私の書いたつたないあらすじで伝わっているかはわかりませんが、瞬くんはすごく、よく言えばピュアなんですよね。悪く言えば何も考えてないんです。
その「何も考えてなさ」を冒頭の演技の棒読み感で表現していたのか!とあとあと気づかされて、言葉を失ってしまいました…。すごい…


戸籍もないので実は学校にも行っていないにもかかわらず、育ての父母の努力によって、何不自由なく自分を不幸とも思う機会もなく育ってきた瞬。
徐々に外の人とつながりを持つようになり、恋という新しい感情にきっとわくわくしていたのだろうなと思いました。


デートに散歩に行くところではあらすじには入れられなかったですが、警察署の場所も、よくわからないけどすごく印象に残ってると話します。
個人的にいろんな意味で印象に残ったのは、花子の家に流れで泊まっちゃうところです。何かを見せつけられたそんな気分が勝手にしてしまいました(笑)
なんかここよくわかっておらず申し訳ないのですが、会話しながら花子に覆いかぶさるってト書きがあったと思うんですけど、そのあと仰向けになってて、どっちが覆いかぶさったのかよくわからないんですよね…(笑) 動揺しすぎて頭に入らなった…笑   個人的には気になる…。


話の内容としてもすごく印象に残っている場面で、私には、今まで、育ての父母のおかげで、何不自由なく生活してた瞬が、戸籍がないことの影響をまだ知らなくて、でもこうやってなんとなく恋仲になってなんとなく結婚するかも、こどもができるかもしれない、そういうときに、自分の出自が、子供に悪く働くっていことを実感する時が来てしまうかもしれない、だけど今はそういうことを何も考えてない、空っぽの瞬君なんだって、感じました。そして、家族のことを話すとき、何も考えていないようにも、そして、だけど特に父親のことを大切に思っているようなあたたかい声色にも聞こえるような声で言っていました。

ほんと、あきらくんの、一見、表面からは何を考えているか見えないけれど、芯はまっすぐで心にストレートに刺さってくる、そして思いやりのある優しい温かみのある声、性格っていうのをわかってる人がキャスティングしたとしか思えない…キャスティングした人マジで天才だと思いました。
役があっていたというのももちろんあるけれど、最大限に自分の引き出しを、登場人物に合わせて引っ張り出していったのは本当にすごいなあと思いました。
私はあきらくん、声も好きだったので、朗読劇すごく楽しみにしていたんですけど、声だけの演技はいつもならかっこいいダンスに目が行きがちなところ、声が作り出す演技に100%集中して味わえたのも、いつもと違ってすごく素敵でした。

あとはギャグ要素もすこしあって、青木さやかさん演じるおっパブ従業員は胸につめものをしていてつめもののボールを出したり入れたりしたり(笑)していました。
青木さんも演技がとてもよかったです!

この少しの間で、朗読のスキルが格段に上がってる……とオガステで思ってもう本当にびっくりしました、本当に一回一回の経験でめちゃくちゃスキルアップしていく方ですよね……こんなに応援していてわくわく・圧倒される方を応援できていて本当に幸せ者だなあと思います。3月の朗読劇が本当に本当に楽しみになりました!!!!!!