1991年発表のマイケル・ジャクソンの歌を訳しました。
 
その当時、黒人と白人がデートしていると、都会でも噂話になったり、差別的な扱いも時には受けたそうです。
 
人種(見た目)の違いだけでなく、差別は色んな形でどこにでもあり、マイケル・ジャクソンはその問題について歌にしているようです義理チョコ
 
抽象的表現が多く、三分の一程は解釈の意見が分かれました。参考程度でお読みいただければです。
 

 

Black or White/Michael Jackson

 
I took my baby on a Saturday bang
土曜にあの子と遊びに出かけた
 
babyは男性にも女性にも言える、愛しい人、という意味。
 
・bangは当時の黒人スラングで、飲んだりダンスをする場所。
 
Boy, is that girl with you
おい、その子は連れかよ
 
boyは黒人スラングにも使われる、男性への呼びかけ。
もしくはoh, boyからくる“おやまあ”、的な驚き。もとは oh manで、男性がいたずらやしょうもないことばかりする歴史から生まれた言葉なのかですが、現代では男性に対してでなくても単に驚いた時に使われていますニコニコ
 
声をかけた方はマイケルが白人の女性とデートしているのが信じられず、マジか?という意味合いの問いかけです。
平等を掲げる黒人が差別ではないですが、黒人が白人といることに抵抗を示しているともいえます。
 
Yes, we’re one and the same…
そ、(見えないかもだけど)僕達は一心同体なんだ
 
we’re one and the same は、雇い主・従業員など立場の違う二人の人間が公平であること。
 
他にも、スーパーマンのように全く異なる見た目・性格が実は同じ人間だったと言う時にも使われます。
 
Now I believe in miracles
今では奇跡を信じていて
 
・nowは文脈でニュアンスが変わります。この場合は前は信じていなかったけれど、今は信じている。
 
And a miracle has happened
そして、その1つが起きたよ
 
Tonight…
今夜
 
今では当たり前の黒人白人カップルの姿は当時、噂や嫌がらせなどの対象のため、それをmiracleといてマイケルは言っています。
 
一つは実現した、他の奇跡もそのうち起きると信じていると前向きに伝えています。

But if you’re thinkin’ about my baby

でもあの子についてよく知れば
 
think about はよく考えれば。人間は深く考えずに差別をしている場合があると示しています。
 
It don’t matter if you’re black or white…
黒とか白とか関係ないよ
 
don't matterは重要じゃない。文法はdoesn't matterが正しいですが、日常会話ではよく起きることです。
 
black or whiteは前の内容から黒人と白人も意味していますが、物事の白黒をつけるように、あることに対して全く異なる見解の時もblack or whiteという表現もあります。
 
They print my message in the Saturday Sun
the Saturday Sun紙で僕のメッセージが載せられた
 
The Sunというイギリスのタブロイド紙があって、the Saturday Sunは土曜日版のthe Sunという意味。
 
アメリカ人のマイケルが海の向こうの国の新聞に載るスーパースターとも示唆してますし、黒人差別の強いアメリカではなく、イギリス経由で訴えているみたいです。
 
I had to tell them I ain’t second to none…
(そこで真実を)伝えたんだ、僕は誰にも劣ってなんかいないって…
 
have to には、実は“しなくては” 以外の意味があります。基本は本人の意志(個人的)に関係なくすること。そこから、
義務的に“しなくてはならない”、もあれば、
想像だけでなく事実を考慮しての結果、〜に違いない。
 
今回はこちらで訳してますが、しなくてはならないの方でも合ってる気がします。
 
・ain'tはこの場合はam not、noneなど否定文が一緒にいると、否定ではなく強調になります。
 
・second to noneはその下にはいない、から一番という意味にも使われますが、今回は白人の下にはいないから上記の訳になりました。
 
And I told about equality
平等についても語ったよ
And it’s true
本当のことさ
Either you’re wrong or you’re right…
君が間違ってようが正しかろうが…
 
この上三行は何を言おうが、平等というのは誰が何と言おうが、空気のように当たり前に存在していていると伝えています。
 
But if you’re thinkin’ about my baby
でもあの子のことをよく知れば
It don’t matter if you’re black or white…
結局、黒とか白とかどうでもいいんだよ
 
Don't look at that!
白黒に捕らわれないで!
 
look at は注意して見つめること、そこから何かに注視して他のことを考えないことという意味もあります。
表面に囚われるな、でしょうか。簡単なようで難しい気がします。
 
以下devil/stuff/businessは抽象的な表現で、解釈もまちまちでした。
 
I am tired of this devil
悪意にはうんざりだ
 
devilは悪魔という架空の生き物以外に、人をくるしめるもの。
 
I am tired of this stuff
それに関することにも
 
stuffは話者がちゃんとは理解してない何となくな有象無象のもの。不可算名詞。
対してthingは理解しているもの。加算名詞
 
ここでは文脈で悪意により、マイケルが見聞きしたものとしています。
 
I am tired of this business
何もかもが嫌になる
 
business はそこらにあることではなく、自らが動いて対処したり、関わること。
 
そこから転じて仕事、他にも何かをしていると何かしらの問題や課題にぶち当たるため、問題とも訳されたりします。今回はマイケルに関わる問題も含めた何もかも、の"何もかも"にしてみました。
 
他にもmusic business の略で、そこでの差別に嫌になって、音楽すらも投げ出したいと伝えていると解釈する人も多かったです。
 
So when the going gets rough…
特にやなことが起きても
 
soは文の間に使われるだから、や強調の特になど、色んなニュアンスがあり。
when the going gets roughは状況が悪くなること
 
I ain’t scared of your brother
きみらの仲間なんか怖くない
 
brotherは血を分けた兄弟のように、仲のいい・絆の深い友人、仲間
 
I ain’t scared of no sheets
シーツ(人種差別するKKK)の集団なんか全然怖くない
 
sheetはKKKのシンボルとも言える服。
KKKとは、1865年に奴隷制を擁護する南部の過激派が作った白人至上主義の組織。
 
黒人差別だけでなく奴隷制を反対する白人の他、アジア人からカトリック教まで攻撃対象としています。
sheetと書くことで白いイメージを出しています。
 
3世代あり、比較的穏健な第2世代の一部は黒人チームと野球をしたり、顔出ししてワシントンて行進してました。
 
女性の投票権を訴える女性版WKKKもあり
過激派の第3世代時代にマイケルはいて、報復の危険をおかして歌詞にsheetと堂々と書くくらいアメリカでは大きな社会問題のようです。
 
I ain’t scare of nobody
誰がきても怖くないよ
 
Girl, when the goin’ gets mean…
ね、嫌がらせが起きてもね
 
girlは前のboyの歌詞に対して入れたようで、特に女性がという意味はないようです。平等をこんなとこにも配慮していますひらめきハッ
 
Protection for gangs, clubs and nations
ギャング、クラブから国家を擁護することで
 
gang はここでは若者の悪いグループ
 
・club は何か同じ目的を持って活動するグループ
 
・nationは同じ祖先、文化、言語などや、同じ土地にいる大きなグループ(国家)
 
Causing grief in human relations
人間関係に苦しみを作り出す
 
人種差別は大小のグループで行われていて、そのグループは犯罪者や権利者だけではない、ごく普通の人間も行っていると伝えています。
 
It’s a turf war on a global scale
これは世界規模の縄張り争いなんだ
 
turf は草の生えた土地。
    turf war はアメフトの2チームで争うスポーツから、陣取り合戦。
 
I’d rather hear both sides of the tale
僕なら両方の話を聞くよ
 
I'd ratherwould rather で仮定法を使ったするだろう。turf warをするあらゆるグループに、話し合いの場を提案しています。
 
See, it’s not about races
ね、問題は(見た目の)人種じゃない
 
raceは目や髪の色や身体的特徴に分けたグループ。
 
Just places
土地(に関して争うこと)だ
 
Faces
メンツ(に関して争うこと)だ
 
faceは顔なので、raceの一部ようにも聞こえますが、raceが人の種類からグループという意味に対して、faceは一人の顔。facesでそれぞれの個人の思惑となります。
 
Where your blood comes from
どこの(祖先の)血統で
 
・bloodだけだとraceの一部ですが、blood  comes fromで、身体的特徴のことではなく、家族の由来となり、アイリッシュ(国)やユダヤ人(宗教) 別のカテゴリーになります。
 
Is where your space is
居場所が決めて(争って)いる
 
ここまでくると、黒人への差別だけではなく、白人同士、国同士、宗教同士で縄張り争いがあちこちであって、黒人差別はそこから生まれているとマイケルは説明しています。
 
I’ve seen the bright get duller
輝きが鈍るのを見てきた
 
brightは光だけでなく、その輝きから知性・才能・未来などを示します。
 
I’m not going to spend my life being a color…
これからはもう(肌の)色について囚われないよ
 
Don’t tell me you agree with me
賛成だなんていうなよ
 
When I saw you kicking dirt in my eye…
僕に裏で嫌がらせをしていたのを知ってるんだぞ
 
kick dirt in one's eyeはケンカをした時に不意打ちで砂を蹴って相手の目に入れる行為で、騙し討ちです。
 
But if you’re thinkin’ about my baby
でもあの子のことをよく知れば
It don’t matter if you’re black or white…
黒か白かは重要じゃないんだ
 
I said if you’re thinkin’ of being my baby
僕の愛しい人になるか考えてみてって言ったよ
It don’t matter if you’re black or white…
黒とか白は重要じゃないんだ
 
I said if you’re thinkin’ of being my brother
僕の仲間になるか考えてみてって言ったさ
It don’t matter if you’re black or white…
(だって)黒か白かは重要じゃないんだ
 
It’s black, it’s white
黒か、白か
It’s tough for you to get by
それを乗り越えるのは難しいよね
 
get byは何かを達成することや、難しいことに対象すること
 
ここまです流れ星
 
少しでも素晴らしい音楽の理解の助けになれたらです立ち上がる
 
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