今回はアメリカ制作だけど中世イギリスベースのファンタジードラマ、ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)の英語学習用に解説付けて訳しますハート

 
注意以降ネタバレ含むのでご注意ください注意
 
タイトルがテレビゲーム名みたいですが、それは日本人の感覚だからで、日本語にすると『王座を争う戦い』や『王位争奪戦』などとなる、壮大なストーリードラマですラブ
 
GOTはこの十年で日本以外の世界中の多くの国で大ヒットした、今、世界一有名なドラマと言っても過言ではないです。
 
元はオタク玄人が好む、社会的に弱い者達を含め、様々な人間が王座という力と欲によって…な、よくあるような本でしたが、ドラマでは役にしっかり合った美男美女達の名演技(と脱ぎっぷり)で一気に若者も含め有名になりましました。
 
ツイッターにすると800万人以上からフォローされる人気の高さです。
 
日本でウケないのはまずは宣伝不足でしょうか。なぜ宣伝されないかは、似た内容の三部作のロード・オブ・ザ・リングに比べて、8シーズン全73エピソードと長いドラマであったり、ハリー・ポッターシリーズとは違い残虐で性的シーンが多いので、地上波にはまず出せない、もしくはカットし過ぎて内容がわからなくなるからかとも思われますショボーン
 
映画館で上映すればいいのにな、とは思います。
 
私は残虐・ホラー系は基本無理なんですが、ゲーム・オブ・スローンズは何とか大丈夫でした。残酷さ以上のものにハマりました。
 
1. 美しい映像と音楽。
 
イギリスだけでなく、アイスランドやスペイン、モロッコなどの野外撮影やCGを融合したGOTの世界観を作り出すこだわりがすごいです。
↓CG処理途中
 
↓処理後。なるべくリアル感を出す為に、風・圧力も計算してドラゴンに動きをつけているそうです。
 
2. 登場人物の魅力とその人達の命のやりとり。
 
何十人も出てくるので覚えるのが大変ですが、その分一人一人脇役にも特徴があり、覚えるにつれ、それぞれの魅力を感じ感情移入します。そしてその好きになった人達が色んなことで、え!?となるのがゲーム・オブ・スローンズの面白さです。
 
3. 残虐・性的シーン自体の一回の時間は短い。
 
たくさんの血みどろや裸は出てくるのですが、他のドラマだとしつこく音楽を流してもうすぐくるぞ、くるぞ〜、感があるのに対し、GOTはいきなりスパッと入って、すぐ次の展開に入る場合が多いのでメンタルが意外に続きます。
 
でも、人によってはトラウマにはなるかもなので、ご注意ください。
 
あとはもう観てもらうしかないです。8章73エピソードと多いですが、大人にオススメです照れ
 
ではまずはタイトからいきます。
このドラマのタイトルのGame of Thronesの意味ですが、様々な意味に捉えられることができ、特定は難しいです。
 
メインは↑の王座もしくは王位を争う戦いですが、直訳すると複数の王座を争う戦いで、throneがthrones複数形になっています。まずここで王座を巡って王が少なくとも2回、もしくはそれ以上入れ替わりが示唆されますし、ドラマを見るうちに別の意味もですが、ネタバレなのでここで止めます。
 
・game には
 
1. スポーツや将棋のようなルールに乗っ取った娯楽試合、
 
2. 政治のような知略を使う頭脳戦、恋愛の駆け引き
 
3. 違法な騙し合い、策略
 
などの意味があります。
 
戦いや争いならfightの方が合っているのですが、剣や力を使って争ったり怒鳴り合うfightとは違い、gameには戦略を使いプレーヤーが興奮・高揚する喜び・楽しさも含む競い争うと言う意味合いがあります。
 
なのでGOTではgameに勝った直後の勝者の表情にも注目です。
 
・throneは王座・王位、国やその権力の頂点の象徴など。
 
gameは可算名詞なのでthe Game of ThronesもしくはGames of Thronesでは?ですが、可算・不可算名詞はあくまで目安、可算名詞が不可算名詞になること、また不可算が可算名詞扱いになるのは多々あり、文脈・慣習でどちらになるか判断されます。
 
その他にも、タイトルは冠詞をとってシンプルにすることができること、このドラマの戦いがどれだけあるのかはっきりさせないようぼやかす、GamesとThronesのどちらも複数を使うのはネイティブ的には何か締まりがないからGameで、などが考えられます。
 
逆にロード・オブ・ザ・リングは英語だと
the Lord of the Rings (指輪の支配者)で、どちらにも定冠詞theがついています。
 
それにより、その(物語に出てくる特別な)指輪の支配者はたった一人だと伝えています。これはこれで大勢いる中の誰が最後にその圧倒的な力を持つ指輪の唯一の支配者になるのかを考えさせ、本の読者や映画の観客をタイトルで楽しませています。
 
Game of Thronesにはパッケージサブタイトルに『you win or die』とあり、そこからの私の想像では、この王座争いは死人が出るほど苛烈で終わりが見えないけれど、きっとハラハラドキドキする面白いものだ、と伝えているように思えます。
 
まとめると、英語タイトルだけではまず内容はわからないけれど、作者達は色んな表現を使って読者に本を読ませようと考えてつけているようです。
 
ここからはドラマの内容に入ります。シーズン1のエピソード1です。
画像を英語解説用で入れますが、残酷なシーンなどは省きます。今回はセリフだけでなく、状況も訳してます。
 

  EPISODE 1 - WINTER IS COMING

エピソード1-冬来る

 
日本人からすると、冬は毎年のことですが、エピソードタイトルなので季節の冬以外の何かがやってくるという意味もあると暗示しています雪だるま
 
 
[First scene opens with three Rangers riding through a tunnel, leaving the Wall, and going into the woods. 
[最初のシーンは3人の探索部隊のレンジャーが馬に乗ってトンネルを抜け、巨大な壁のウォールから出て、そして森の中へと進むところから始まる。
・open withの、から始まる、はopen fromと訳しそうですが、withです。
なぜfromではないのかは、英語ではfromという言い方をしないため、たとえ日本人がopem fromと言って意味が通じたとしても不自然ではあります。
 
日本人がopen fromなどのような直訳英語を使っても、聞き手に通じるのは、聞き手側の解釈能力によるもので、日本人が自力で流暢な英語を話すのに時間がかかる要因の一つには、こういった前置詞などの表現の違いのすり合わせに時間をかけて自然な英語を覚えていく必要があるからです。
 
Rangersのrangerの意味は
 
1. 森や自然公園を守る人
ですが、他にも、
 
2. 特別な訓練を受けた兵士
 
3. 部隊
 
などもあります。
 
それをここではレンジャーと固有名詞化していて、この言葉はちょくちょく出てきます。
 
・rideはride a horseと言わなくてもrideで馬に乗って移動するという意味になります。それだけ馬に乗ることが昔は英語圏では日常的だったからでしょうか馬
 
日本語だと漢字を使って短く乗馬、もしくは馬に騎乗するなど馬という具体的な表現が必要です。
 
・the Wallは冠詞theの後に頭を大文字にしてWallなのでこれも固有名詞ですが、Rangersとの違ってtheがつくのは今回は一つの地理地名となっているためです。
 
Rangersなど時が経てば人が入れ替わると思われるものにはtheを入れていないのが一般的のようです。映画のAvengersもtheがないです。
 
でもthe presidentにはtheがあったり、Long islandにはtheがないなど、結局大まかなルールと、それ以外の例外を一つ一つ地道に覚えなければいけないようですもやもや
 
(Eerie music in background)
不気味な音楽が流れる
 
 One Ranger splits off and finds a campsite full of mutilated bodies, including a child hanging from a tree branch. 
 一人のレンジャーは他と分かれ、そして野営地にズタズタに刻まれたたくさんの死体、その中には子供が木の枝にぶら下がっているのを見つける。 
 
campsiteは森の中などにある、野営など寝泊まりできる空き地。
 
・ mutilate[mjúːtəlèit]は人や動物を切断する。
 
A bird's-eye view shows the bodies arranged in a shield-like pattern. 
盾のように配置されている死体が上の方から見える
 
bird's-eyes viewはフレーズで、鳥のように高い位置からの視点。これは登場人物目線ではなく、カメラからの視点という説明です。
 
The Ranger rides back to the other two.]
そのレンジャーは馬に乗って二人の元へ戻った。]
 
ここまでが描写。
 
三人のレンジャーの会話に入ります。
WAYMAR ROYCE: What d’you expect? They’re savages. One lot steals a goat from another lot and before you know it, they’re ripping each other to pieces.
何を期待してたんだ?あいつらは野蛮なやつらだ。群れ同士でヤギを盗んだと思ったら引き裂き合うような連中だ。
 
lotはこの場合はgroup。
 
・before  you  know itはこの場合フレーズで、あっという間に。
 
WILL: I’ve never seen Wildlings do a thing like this. I’ve never seen a thing like this, not ever in my life.
ワイルドリング達があんなことするのは今まで見たことがないです、初めての見ました。
 
wildlingは野生の動物や植物、スラングで自由人という意味ですが、ここではワイルドリングという野蛮とされる部族。
 
WAYMAR ROYCE: How close did you get?
どれくらい近づいた?
 
WILL: Close as any man would.
人ができる限りには近づきました。
 
暗に自分は怖じけることなく間違いなく確認したと示しているようです。
 
GARED: We should head back to the Wall.
ウォールに戻りましょう。
 
 
このshouldは学校でべきと習いますが、強制的さや強調的さはあまりなく、そうしたら?などのアドバイスで、どうするかはあなた次第くらいです。
 
ちなみにこの三人はドラマでは名前はないですが原作本だとあって、Waymarは貴族の若造、今回が初めての探索で貴族出身というだけでワイルドリングのこともよく知らないのにリーダーに抜擢されています。
 
原作本を読んでなくてもドラマだけで十分内容はわかりますが、日本語訳で敬語になっているかは原作本なしではわかりにくかと思います。
 
ROYCE: Do the dead frighten you?
死体に怖じ気づいたか?
 
GARED: Our orders were to track the wildlings. We tracked them. They won’t trouble us no more.
今回の指令はワイルドリングの追跡で、(Willが)見つけた。これ以上する必要はないです。
 
They won't trouble us no moreは本来、
They won't trouble us any moreが正しい文法に思えますが、実際はよくこう表現は使われ、今回のno more は強調として使われています。
 
日本語でも、全然駄目です、のように否定を入れて使うものが、全然いいよと強調にも使われています。文法上は正しくはないけれど、広く使われている表現です。
 
ROYCE: You don’t think he’ll ask us how they died? Get back on your horse.
どうあいつらが死んだのか報告を求められるのがわからないか?馬に戻れ
 
heは誰とは特定されていないですが、探索を任命した三人の上司と考えられます。
 
[GARED grumbles.]
[ガレードはブツブツ何かを言う]
 
grumbleはかなり不満でブツブツ言うで、mutterよりさらにブツブツ言う。
 
映像では一瞬ですが、確かにgrumbleでしたムキー
 
WILL: Whatever did it to them could do it to us. They even killed the children.
あいつらに起きたことが俺たちにも起きるかもしれない。子供すら殺されていました。
 
直訳すると、あいつらに起きたことが何であれ、それが俺たちにも起こるかもしれないです。
 
ROYCE: It’s a good thing we’re not children. You want to run away south, run away. 
俺らが子供じゃなくてよかったな。南へ逃げたいなら、逃げろ。
 
ROYCE: Of course, they will behead you as a deserter … If I don’t catch you first. Get back on your horse. I won’t say it again.
もちろん、逃亡者として首をはねられるだろうが…俺が先にお前を捕まえなければだが。馬を出せ。二度は言わんぞ。
 
[WILL glares, but obeys. Sometime later, the three Rangers return to the campsite, which is now completely cleared.]
[ウィルは睨むが従う。ほどなくして、三人は野営地に戻ってきたが、そこには何もなかった]
 
ROYCE: Your dead men seem to have moved camp.
死体らは移動したようだな。
 
WILL: They were here.
ここにいたんだ。
 
GARED: See where they went.
やつらがどっちへ行ったか確認しろ。
 
[The three look around, swords drawn. They hear the wind and eerie calls. GARED finds a red cloth in the snow.]
[三人は辺りに目を配り、剣を抜いた。風と不気味な音が聞こえる。ギャレドは雪の中に赤い布を見つける]
 
ROYCE: What is it?
それは何だ?
 
GARED: It’s …
これは...
 
[As he speaks, a CREATURE with glowing blue eyes rises behind ROYCE.
[話している途中で青く輝く目を持ったなにかがロイスの背後に現れる
 
・creatureは生き物以外に自立して動く何かという意味もあり、お化けや謎の物体も含まれます。
 ROYCE turns, the CREATURE strikes. 
 ロイスが振り返るとそれがロイスに剣を振り下ろす。
 
strikeは拳か道具で殴る・叩く。今回は映像で剣と判断。
 
[The scene shifts to WILL, who hears a man crying out. 
[場面がウィルに切り替わり、男の叫び声を聞く。
 
The three horses stampede past him. 
三頭の馬が先を争いウィルを横切りながら逃げていく。
 
stampedeは馬やバッファローなどの群れが恐怖やパニックに陥った状態で突進して逃げたり殺到すること。
 
He turns and sees someone standing very still in the distance. 
ウィルは振り返り何者かが遠くでじっと立っているのを見つける。
 
The figure turns – it’s the child who had been suspended in the tree, now with glowing blue eyes. WILL turns and runs.
そのなにかが振り返るー子供で、先程木に吊るされていた子だ、今は目が青く光っている。ウィルはひるがえり逃げる。
 
glowは光るですが、shineとの違いは、
 
・shineは太陽や月など眩しいものから大きな光、そこからアクセサリーとも意味します。
 
・glowは眩しさはないかshineほどはなく、蛍光灯や少しのぼんやりとした光、顔の高潮など。
 
GARED is also fleeing, and we hear strange growls and catch glimpses of the CREATURE. 
ギャレドも逃げている、そして妙な唸り声が聞こえ不気味なものがちらちらと垣間見える。
 
fleeは逃げるで、run awayやescapeとも今回言い換え可能です。
細かくニュアンスを言うと、
 
・run awayはよく使われる逃げる、で恐怖や笑いながらなど、様々な場所や状況から急いで去ること。
 
・escapeは刑務所など望まぬ閉鎖した場所や状況から逃げるで、これも笑いながらや恐れながらと逃亡者の感情は様々。
 
・fleeは危険や恐怖から逃げるので、大抵怯えています。
 
Both terrified RANGERS stop, some distance apart, to catch their breath. 
怯えきった二人は少し離れあったところで呼吸を整えるようと止まる
 
catch one's breathは息を飲む・ハッとするとは別に、息を整える、という意味もあります。
 
WILL sees a CREATURE behead GARED. WILL sinks to his knees and the CREATURE tosses GARED’S head to him.]
ウィルは不気味なものがギャレドの背後に立ち首をはねるのを見る。ウィルは膝をつく。不気味なものはギャレドの頭をウィルへと投げた]
 
[Blackout]
暗転
 
今日はここまでです。お読みいただきありがとうございます。
7分くらいの序章の序章で、この後もしばらくは世界観と登場人物を覚えるのにそんなに面白くはないです。
 
次の更新はいつになるかは全くわかりませんが気長にお待ちいただけたらですショボーン