今回は英語の冠詞についてです。

 

 

ずっと冠詞a/antheの使い方が掴めず長年イライラしています悲しい
 
最近またどうしてこうなるの、と悩んだ冠詞があったので記載します。
 
イギリスのGardian紙の記事に、
Italy's oldest university graduate
(イタリアの最高齢の卒業生)
 
がありました。冠詞がついていないですね。
 
最上級oldestがあるのに、graduate(この場合、名詞の卒業生)があるのに。
 
以下原文の記載されている段落をつけます。
 
Giuseppe Paternò set his sights on obtaining a university education as a child growing up in Sicily in the 1930s. Poverty, war and supporting a family got in the way. Now, at 96, he has achieved his goal, becoming Italy’s oldest graduate in the process.
(意訳:ジュゼッペ・パテルノさんは1930年代のイタリアのシチリア島で子供の頃、大学で学ぶことを目指しました。貧困・戦争・家族を養うことでそれは叶いませんでした。96歳の今年(2020年)、その目標を達成し、さらにはイタリアで最高齢の大学卒業生となりました。)
 
そもそもなぜ最上級や名詞の前に冠詞がつくのかを理解しているか、です。
 
英語の名詞には大きく分けて固有名詞とそれ以外の名詞があります。
 
・固有名詞は名前の通り固定した名詞でJapan、Maryなど、それを聞けば何かをイメージできる名詞です。
 
・固有名詞以外の名詞 (普通名詞、集合名詞、物質名詞など)は、それだけでは何かは具体的には示されていないです。日本人には、ん?という内容ですよね。
 
そもそも日本語に冠詞という文法がないのでひらめき
 
なぜ英語には冠詞が必要かは、英語の名詞と日本語の名詞の考え方が違うことを認識しないといけません。
 
例の一つに、冠詞のない英語名詞appleは、
林檎一個でもあり、
たくさんの林檎でもあり、
砕いた林檎でもあり、
すりおろした林檎、
でもあります。
 
それを " an apple "と言うことで、あらゆるイメージの林檎から、
ある一つの林檎→まるまる一個の赤い林檎のイメージが浮かびます。
 
ですがそのイメージは、あくまで"まるまる一個の赤い林檎"がすぐに浮かぶイメージの人に対してなので、本来an appleは"まるまる一個の赤い林檎"だとは限りません。
 
青林檎しか食べたことのない人は、an appleと言えば青林檎になります。
 
そこから
 
1. 英語の名詞は英語ネイティブら(話し手)のイメージからできるものです。
 
冠詞のないappleが形のない林檎、cakeが食べかけケーキなどの説明があったりしますが、それは英語ネイティブの教育や経験に基づいたイメージによるapplecakeです。
 
どうやってイメージが出来上がるかは、絵本を読んだり、外に出かけて見聞きしたものから定着させていきます。
 
西の端の島国、イギリスから生まれた英語イメージは、東の端の島国、日本とは異なる歴史・習慣により日本語イメージとは全く違う考えのズレが多々あります。
 
ですが、林檎とググってもappleとググっても赤くて丸い林檎の画像が出てきます。
 
会話をしている人が同じイメージを持っているなら、冠詞の抜けた名詞を使って英会話をしても十分通じ合えます。
 
ですので日本人が英語で" I like apple " と言えば、聞き手の大多数が丸くて赤い林檎か林檎にまつわるものを思い浮かべてリンゴが好きなのね~、で会話はそのまま進められます。
 
appleが " 何の林檎か?" ともし訊ねるがいれば、その人は会話ではなく文法にこだわる日本人、もしくは語学教師でしょう。
 
ただし、英語はたくさん冠詞を使って話されるので冠詞がないと不自然には思われますので、林檎が好きです、は冠詞を使わず、I like applesと言った方が自然です。
 
なぜ林檎が好きですの表現がappleやan appleでなく、apples複数なのが一般的なのかは別で説明できればです。
 
ではどうやってItaly's oldest university graduateに冠詞が必要ないかの判断や、ネイティブのように冠詞を使えるようになるのか。
 
2. 冠詞の使い方を覚えるには慣れしかない。
 
冠詞にはあらゆるパターン、例外があり、英語ネイティブは生まれた時からたくさんの英語を聞いて話して書いて感覚を掴んで話していますが、それでもネイティブ同士の主観が違うと会話は噛み合わないので、聞き返すこともあります。
 
英語を習う日本人は冠詞をネイティブのイメージに都度すり合わせて(もしくは I like appleと日本人が言った時などには相手にすり合わせでもらって)使い覚えていく以外、近道はないです。
 
冠詞は重要ですが、自分の英語力や周りに応じて気にしないことも必要かと思います。
 
では今回のItaly's oldest university graduateにtheがないのか。
以下を参考にしています。
まず、なぜそもそも英語の名詞にtheをつけるのかを説明する必要があります。
それは固有名詞以外の名詞を固有名詞のようににするためです。
 
例えば前の文に出てきた名詞を再び使う時。
A girl was walking past Joan's bakery when she decided to go into the bakery to get some bread.
(意訳:少女がジョアンでパンを買おうと決めた時にはそのパン屋を通り過ぎていた)
 
会話などで前に言っていなくても、既に話し手と聞き手で場所が特定されていると思われる時
Where is the bathroom?
(聞き手の家にお邪魔している話し手が、この家のなかのどこかにある)トイレはどこ?
ちなみにこの場合、家にトイレが二つあっても単数。
 
他にもThe United States of Americaは、theを抜いたUnited States of Americaはアメリカ大陸にある集まった国家(達)です。
 
そこからtheをつけることでアメリカ合衆国という固有名詞になります。一つにまとまった際に、stateは国家から集まった州という訳に変わります。
 
そして所有格、名詞'sがある場合、
Italy's oldest university graduateという表現になるようです。所有格が定冠詞の役割にもなっているということでしょうか。
 
ん?と、思った方、たまーに他の文で
the boys’ room(その少年たちの部屋)など冠詞ついてるの、ありますよね。
これはthe boys' がまるごと所有格で、このtheはboys'を特定するtheであって、roomに使われてないんです。
 
boys' room(少年たちの部屋)もオッケーなんです。
 
Italy's oldest university graduateの順番を変えると、
the oldest university graduate in Italy
となり、この場合は所有格がItaly'sがなくなることでthe 冠詞が必要になります。
 
あと、日本人だとわかりにくいのは、
the world's busiest waterway is the Suez canal.
 
地球はworldは一つしかないのだから、theいる?なんですが、これは文法とかではなく、世間一般でthe worldは地球(文脈によっては、世間とか全人類とか他の意味もありますが)となっており、theが必要です。
 
何かここまでくると日本人からみてこじつけにも思えますが、日本語にも何気なくたくさんの矛盾はありますが、生まれた時から使っていて違和感がないだけです。
 
結局、冠詞の要不要の判断は、一つ一つ感覚で覚えていくしかないようです不安
 
今日はここまでです、少しでも英語の勉強の参考になれば幸いですショボーン
 
冠詞に関してはこちらもあります下矢印