ネタバレにご注意ください
映画を観ながらお読みいただくと、内容がよくわかります。
チャプター20の続き(開始1時間39分7秒辺り)から、セリフが少ないアクションシーンにも入りますが解説多いです。
城のシーンから変わって馬車の中に閉じ込められているBelleとMaurice。
BelleはBeast達に危険を知らせようと抜け出すことを考えますが、Mauriceは城で起きた一部始終を知らないので、困惑します
Belleはパリに行った時の薔薇のモチーフを見せ、母親の死の理由、妻を見捨てる形になったMauriceの当時の状況を知ったことを暗に伝えます。
Beastやa talking tea cupを知っており、そしてパリにあるはずの薔薇のモチーフを見て、Mauriceは戸惑いながらもBelleが全てを知ったと悟ります
Maurice: I had to protect you. I’ve always tried to protect my little girl. …Probably too much.
お前を守らなければならなかった。いつも小さい娘を守ろうと努めてきた。…やり過ぎだったかもしれないが。
妻のことを言えば興味を持つだろう、パリに行かせる訳には行かないと、黙っていたこと、そして仕方がなかったとはいえ、妻をパリに置いて言った事を今も悔いていることを示します。
Belle: I understand.
わかってる。
Belleは上記セリフ後、Mauriceの手にキスすることで、それは昔に起きたこと、それを隠していたことも十分に理解した上で全てを許しも含めた深い意味を持つ言葉です。
もちろん互いの意志疎通、それを表情で示すエマ・ワトソンの演技だからこその技で、通常はもっと会話が必要です。
MauriceはBelleの行動に、もう守るべきMy little girlではない、成人し独り立ちできる女性になったと知ります。
Belle: Will you help me now?
手伝ってくれる?
状況と言い方で、
"Will you help me now to get me out of here to go to the castle?"という考えを全面にして上記訳にしました。
nowの今すぐは日本語だとこの緊急事態状況で言わなくても通じてると認識し、通常言わないので訳してないです。
まだ、(大人になった)今も助けてくれる?とも暗に意味しているようです。
Maurice: It’s dangerous.
危険だ
Belle: Yes. Yes, it is.
ええ、そうよ、危険よ
二人は見つめ合います。お互い助け生きてきた二人、ドラマチックに言葉無く理解しあいます。
Maurice: I could try to pick the lock.
鍵をこじ開けてみよう
直訳すると、『私が鍵をこじ開けようと試すことができるであろう』で、
couldは仮定法で、canだとできるですが、この時点ではどんな鍵なのかわからないので、やってみないとわからないどころかやれるかもわからないのでBelleを期待させないよう弱気とも言える表現です。
・pick the lockは鍵をこじ開ける。普通に鍵を開けるの動詞はunlock です。
Maurice: After all...it’s only gears and springs.
ようは…歯車とバネだけだ。
Maurice: But I would need...something long and sharp.
だが、必要なものがある…長くて尖ったものだな。
この時点ではまだ試してはいないのでwouldのだろうと推測しています。
逐一仮定法使うのは自信がなくもあり、昔の言い方でもあるようです。
自信がなくても"I need-"と言う方が今の英語です。
Maurice: Like that. Perfect
こんなようなのだ、完璧だ。
Belleに髪飾りのピンを差し出されるMauriceは以前Belleの差し出す道具を子供の判断と否定したりしていましだが、今回はしっかり一人前扱いしています。
城に場面が変わり、Cogsworthが塔にいるBeastに助けを要請します。
Cogsworth: Oh, excuse me, Master. I’m so sorry to disturb you.
あの、失礼します、ご主人様。お取り込み中のところ申し訳ありません
いかなる時でも主人に敬意を払う家令
ちなみにアニメーション版ではMrs.Pottsが話しかけています。
Beast: She’s not coming back.
彼女は戻ってはこないぞ。
Cogsworth: No.
はい。
直訳すると『いいえ(、戻ってきません)。』
これもよくある英語の答えで、日本語だと"はい(、おっしゃるとおりそのようですね)"、と表現が逆になります。
Cogsworth: They’re breaking down the doors!
ドアが破られようとしています!
何者かがわからない場合、複数の代名詞theyが主語に出ます。
・break downは自動詞だと主語が(何かしらの理由で)壊れる・取り乱す。
今回の他動詞だと目的語を壊す。
Beast: Doesn’t matter now. Just let them come.
今はどうでもいい。好きなようにさせろ。
Evermoreの歌で無償の愛を知っても、また自分の世界の中に戻っています。
前のBeastなら自己中さで全力でGaston達をぶちのめしてたかもなので、Belleと出会って心の中に奥底に眠っていた繊細さも出て、ただただ落ち込み、絶望し、無気力になっているようです
シーン切り替わって城の外の村人達。
Villagers: Kill the beast! Kill the beast!
野獣を殺せ!野獣を殺せ!
またすぐ画面切り替わり城のドア内側の召使い達。
Mrs.Potts: This isn’t working!
こんなのじゃ駄目よ!
Lumiere: I know what to do.
考えがある。
直訳すると、何をするべきか知っている。
またドア外側の村人達の画面切り替わります。
"Kill the beast!"
"Kill the beast! "
"Kill the beast! "
The mob songはここまでです。
ドアがいきなり開き、村人達はつんのめって城の中へなだれ込みます。LeFouは真っ暗で古い城に怖じ気づきます。
LeFou: Are you not the least bit concerned...that this castle might be haunted?
少しくらいは不安じゃない…城にはお化けがいるかもとか?
・hauntは幽霊が出没する。Beastがいなかったとしても、お化けはいるのではと怖がっています。
Gaston: Don’t lose your nerve, LeFou.
気絶するなよ、LeFou。
・nerveは体ある神経、そこから神経携わる神経質なもしくはその神経からか己を管理する力、そこから勇気など色んな意味に派生しており、
lose one's nerveは精神力、勇気、度胸を無くすな→恐れるな、となります。
Monsieur Jean: This place seems familiar. Like I’ve been here before…
ここは懐かしい感じがする。まるで以前ここにいたような…
ちょいちょいセリフのあるMonsieur Jean。
LeFouはティーカップとポットに気づきます。
LeFou: Oh, hello, there. You must be the talking tea cup. And you must be...his grandmother.
ああ、やあこんにちは、君がお話しするティーカップだね。そしてあなたは…おばあちゃんだな。
・hello there のthereはこんにちはのバリエーションで、呼びかけの一種くらいです。
Mrs.Potts: Grandmother? Attack!
おばあちゃんですって?やっておしまい!
普段優しいMrs.Pottsのnerveに触れたようでぶち切れます。
この後Gastonにサンドバッグの身代わりにされ、チェンバロの下敷きとなるLeFou。
LeFou: Gaston, Help.
Gaston、助けてよ。
Gaston: Sorry, old friend. It’s hero time.
悪いな、親友。ヒーロータイムだ。
本当に冷酷な人間です。
Maestro: Ooh, ouch!
あっちゃー!
敵のMaestroがLeFouに同情してます。
シーン変わって村に。
BelleとMauriceは馬車から脱出し、Belleは馬に乗って城へ、MauriceはBelleから気を引かせるため、警備していた男に陽気に語りかけます。
Maurice: She’s very headstrong. Do you have children?
あの子は本当にはねっかえりでね。お子さんいるの?
・headstrongは頭が固いと訳せますが、頑固だけではなく、人に逆らうくらい強い意識を持つ、エネルギーのある元気で人に逆らう頑固者に向けられる言葉のようです。
城に切り替わります。
戦闘が続いています。チップが小皿を手裏剣のように敵に投げます。
Chip: One, two, three, four... five, six, seven, eight...
一、二、三、四…五、六、七、八…
Cogsworth: Good show, Chip, my boy.
見事だ、Chip、いい子だ。
・good showはサーカスショーのように見ものだと褒めるCogsworth。
Cogsworth: Excellent! The infantry’s arrived.
いいぞ!歩兵が到着したぞ
先程のBeastにへつらっていたCogsworthは指揮者となってこの戦略を立てているようです。
・infantryは行進し歩いて攻撃をする歩兵ですが、このthe infantryは本で、飛んで村人達を攻撃します。
Cogsworth: Now, go and teach them a lesson. Go.
今だ、行け、そして思い知らせるんだ、行けっ。
・teach someone a lessonは悪いことをした人を正しくする為に罰を与えるという意味で、教える、思い知らせるです。
Cogsworth: Yes, those are called books, you third rate musketeers.
ああ、こいつらが本と言うんだぞ、三流銃士どもめ!
・musketeerは銃を持った歩兵。Cogsworthの作戦(最初の奇襲含む)により村人達がどんどん撃退され、作戦を立てれるくらい賢いCogsworthは村人達を本を読まない無学な暴徒連中と言う意味合い。
これが本だぞと罵り、有名なフランス人作家デュマの作品三銃士three musketeers(銃を持った三人の歩兵)を文字って村人達をthird rate musketeers三流の銃士達(村人全体を指し)と呼びます。しかし本の攻撃にGastonの部下の三人(三銃士)が現れ指揮官Cogsworthを狙います。
ちなみに本のthree musketeersはmusket(当時の最新式の銃マスケット)を持ったフランス王を護衛する銃士隊からの三銃士のはずなのに、実際の戦闘はほぼ剣、ここの三人も村人も銃を持ってないです
Cogsworth: Oh! I’m off.
まずい、逃げよっと
・be off は今いるところから離れるという意味から、帰る、離れる、逃げるになります。
三人は追います。逃げながらCogsworthは弱々しくいいます。
Cogsworth: Just a clock.
ただの時計だから。
これも作戦のうちだったかどうかはわかりませんが、逃げるCogsworthとそれを追いかける三人の間に大きな衣装棚、Garderobeが勇ましく現れます。
Garderobe: Come here, little boys. I spin you this way. I put it on.
こっちへおいで坊やら。あんた達をこうして回して、着せるのさ。
以前Belleにしたように引き出しから布がたくさん現れて三人に巻きつき、立派なウィッグ付きの貴婦人姿になります。
初期のBelleの時より衣装のクオリティが各段にあがっています
でも顔だけ髭面。
二人は異変にショックで叫び逃げ去りますが、一人だけ嬉しそうに微笑みます
Garderobe: Yes, pretty little boys. Yes! Beautiful! Go, be free! Be free. Be free!
ええ、可愛くて小さい男の子達。そうよ!美しいわ!行きなさい、自由によ、自由に!
ディズニーはこの映画で女性の地位だけでなく、宗教、人種、性志向などにも教育を広めているようです。
あくまで子供向け映画なのでメインにはされませんが、今回はアニメーション版にはない、同性愛的ともいえる表現が所々されており、この後も物議をかもしたgay momentというのがあります。
今日はここまでです。お読みいただいた方、前回いいねをつけてくださった方、フォローを入れてくださった方、本当にありがとうございます