ネタバレにご注意ください注意
 
映画を観ながら読むとよくわかります。
 
チャプター19から(開始1時間34分辺り)です。
 
ガストンに無理やり外に連れ出され、馬車に押し込められるモリス。ベルに本を貸した聖職者のペレ ロベルトが出てきます。
 
Père Robert : This man is weak. Please! He needs a hospital, not an asylum!
彼は弱っている。お願いだ!必要なのは病院で保護施設じゃない!
 
asylumは施設と訳されますが、ただの建物ではなく、精神薄弱者を収容する施設、他にも政府が難民や孤児を保護する施設です。
 
今より生活が大変だったため、働かない人、言うことを聞かない人、輪を乱す人は社会不適合者として人扱いされず、施設に送られ、その先で恐ろしい目に遭わされるのが予想されます。
 
ベルの数少ない理解者、ペレ・ロベルトが止めようと訴えますが、無視されます。
 
馬車に押し込められると他の村人達に聞こえない声でガストンはモリスに言います。
 
Gaston : Have you ever seen the inside of a mad house, Maurice? You wouldn’t last a week.
精神病施設の中を見たことはあるか?一週間持たないだろう
 
mad houseはmad(狂った)が直接的でネガティブな言い方です。ここでもこの後にも仮定法が使われており、いかによく使われている文法表現かを知ることがこの映画でもわかります。
 
the insideとtheを使うことで具体的に実際に施設を見たことがあるか、というニュアンスになります。any insideでも意味は通じますが、the よりはぼやけます。
 
Gaston : Just give me your daughter’s hand, and I’ll set you free.
ただ娘をよこせばいい、そしたら助けてやる
 
直訳すると『ただお前の娘の手を俺に取らせればいい、そうすればお前を自由にしてやる。』
 
・give me your daughter's handは結婚式で花嫁の父が花婿に娘の手を取らせて渡す儀式を意味し、結婚させろと言っています。
 
・justは強調ともonlyの言い換えとも言えます。
 
Maurice : Never.
絶対嫌だ。
 
再び拒否すと馬車のドアを閉めるガストン。酷い人間丸出しです。
 
Gaston : Take him away!
連れていけ!
 
動き出す馬車の前にベルが現れ道を防ぎます。
 
Maurice : Oh, Belle. I thought I’d lost you.
ああ、ベル。もう会えないと思っていた。
 
・not see の代わりにloseが使われています。
 loseは人が亡くなって永遠の別れを意味する場合もありますが、亡くなっていない永遠の別れもloseになり、not seeより強い表現です。
 
ベルは馬車から出すよう言います。
 
Gaston : You know how loyal I am to your family...but your father’s been making some unbelievable claims.
どれだけ俺が君たち家族を大切にしているか知っているだろう…だが有り得ないことを言い続けているんだ
 
make a claim 主張する。ただsayするだけでなく、意見を訴えています。
 
Monsieur Jean: It’s true, Belle. He’s been raving about a beast...in a castle!
そうだ、ベル。お父さんは野獣がいるとわめいているんだ、城にいるとね!
 
父親がおかしいことを言っていないと証明する為に魔法の鏡を使ってビーストをガストンや村人達に見せます。
 
Gaston : This is sorcery! Look at this beast!
これは魔術だ!見ろ野獣だ!
 
・sorcerymagicと同様に不加算名詞で似ていますが、magicに比べてsorceryは悪い魔法をより意味します。
 
Gaston : Look at his fangs! His claws!
見ろ牙を!かぎ爪だ!
 
村人達を扇動します。
 
Belle : No. Don’t be afraid. He’s gentle and kind.
いいえ、怖がらないで。彼は紳士で優しいわ
 
ベルの言い方にガストンは眉をひそめます。
 
Gaston : The monster has her under his spell. If I didn’t know better, I’d say she even cared for him!
野獣がベルに魔法をかけたんだ。勘違いして彼女が野獣に恋したと言うところだった!
 
直訳すると、『怪物が魔法を彼女にかけたんだ。もしそれに気づけなかったら、俺は彼女が野獣に惚れたと言っていただろう!』
 
Belle : He’s not a monster, Gaston. You are! The Beast wouldn’t hurt anyone.
彼は怪物じゃないわ、ガストン。あなたよ!ビーストは人を傷つけるようなことはしないわ。
 
前にビーストはモリスに酷いことをしていましたが、今のベルは確信を持って
would notと言っています。だろうではないです。

 

 

今回出てきているwouldを整頓しますと、話し手の状況・意志からの言い方によってニュアンスが変わります。
 
1. You wouldn’t last a week.
(もし精神病施設にいったら)一週間持たないだろう→未来に起きることの仮定でwillにも変換化。wouldを使うことで言い方だけをやや和らげていますが、言い方を丁寧もしくは優しくしているだけで、あなたは持たない、とはっきり意図しています。例えば、
A. 病院の先生が言うと、
You would not last...
(言いにくいのですがショボーン)おそらく持たないでしょう…
 
B. ガストンが言うと、
You would not last!
(いひひニヤニヤ)持たんだろうな!
 
言い方を変えちゃいましたが、以下は全く同じ丁寧な日本語を使って態度で全然印象変わります。
 
どうもすみませんでしたショボーン
 
どうもすみませんでした真顔
 
また、例えそう態度が変わらなくても慇懃無礼という言葉があるように、微かな違いを感じ取る場合があります。
 
2. I thought I’d lost you.
もう会えないと思っていた→過去のことなので、will notへ変換不可。
 
3. I’d say she even cared for him!
ベルがビーストを好きだとさえ言っていただろう!
 
実際は言わない、起きることはない仮定を使った推量(rhetorical question)。will notに変換できないことはないけれど、ニュアンスが全く変わるので変換不可。
 
I will say she even cares for him!
俺はベルがヤツを好きだとさえ言うだろう!→宣言になっちゃってます滝汗
 
4. The Beast wouldn’t hurt anyone.
(野獣が人に会っても)彼は人を傷つけるようなことはしないわ→ビーストの意志のwillの過去型で意志の過去形(否定)、仮に起きてのwouldで、もwon'tへ変換化。1と一緒な気もしますが、こっちの方が未来だけでなく今も含まれるのでもっと強く言っている気がします。
 
wouldは他にも仮定を使ったアドバイスなど、多岐に使い方がありますが、私達がよく使うのは would you mind I would like伺い丁寧です。
 
また、難しいのは 4.の意志の意味合いが出てきても、推量にも訳せるので間違えて訳せることです(今回がまさにそうなるとこでした口笛)。
(意志)彼は人を傷つけるようなことはしないわ。
 
(推量)彼は人を傷つけるようなことをしないでしょう。
 
結局どっちも傷つけないと言う意味。
 
これも文脈でwouldの意味を判断するやつです。判断はたくさん英語を聞くしかないです。
 
Gaston : I’ve heard of the effects of dark magic...
黒魔術の効果について聞いたことがあった…
 
hear of は噂に聞く。
 
・dark magic=上記のsorceryという意味なります。
 
Gaston : but I’ve never before seen it with my own eyes!
だがこの目で見るのは初めてだ!
 
直訳すると、『この目で見ることは決してなかった!』
 
Gaston : This is a threat to our very existence!
これは我々の生存そのものに関わる危機だ!
 
veryはなくても通じる、強調です。
 
Gaston : We can’t have her running off to warn the beast. Lock her up too.
ベルを逃がして野獣に警告させるわけにはいかない。彼女も閉じ込めろ。
 
Belle : You won’t get away with this, Gaston!
そんなことしてただじゃすまなくなるわよ!
get away withは~をして無事でいる、逃げる、逃れる、で否定を使うとただじゃすまないになります。
 
ガストンの暴君ぶりにルフーが弱く止めようとします。
 
LeFou : Gaston, with all due respect...
ガストン、言いたくないけど…
 
with all due respectは目上の人に相手の意向に反対、そぐわない意見を言う時のへりくだったセリフ。
 
お言葉を返すようですが、ともよく訳されます。
 
Gaston : Do you want to be next? Fetch my horse.
次はお前が?馬を持って来い
 
fetchは行って持って来いという三つの行動を一つの言葉にした言葉です。
 
今日はここまでです。お読みいただいた方、いいねをつけてくださった方、フォローをつけてくださった方、本当にありがとうございます爆笑