映画 美女と野獣 Beauty and the Beast 実写版のネタバレが嫌な方はこれより以下を読まないようご注意ください注意
 
映画を観ながらお読みいただくとよくわかります。
 
チャプター15(開始1時間17分50秒辺り)の続きです
 
ここで短い歌が入ります。
 

 

  How Does A Moment Forever (montmarte)

 時は永遠に(モンマルトル・バージョン)

 
モンマルトルは広い丘の土地で、芸術家が19世紀の終わりから20世紀前半に集まり、そこから芸術の街というイメージがついたようです。
 
とても広いエリアなので芸術以外にも長い歴史の中で殉教、サレ・クール寺院、修道院、ブドウ畑、ワイン、ダンスショーのキャバレーの歓楽街、墓地などなど、色んな名所が生まれたようです。
 
This is the Paris of my childhood
ここは子供時代のパリ
 
These were the borders of my life
その中が私の生活のすべてだった
 
borders は国境、境界線で、今回は文脈をみてパリ、もしくは部屋がBelleの境界→生活圏内になります。
 
複数形なのは英語を話す人にとって、パリの場合なら何市かに囲まれている場合、部屋なら壁が三つ以上はあるはずなので、複数型のbordersになります。
 
In this crumbling, dusty attic
崩れて、埃だらけの屋根裏
 
crumbling ボロボロの、ひび割れた。
 
Where an artist loved his wife
そこはある芸術家が妻を愛した場所
 
Easy to remember, harder to move on
思い出すのは簡単、乗り越えることは難しい
 
Knowing the Paris of my childhood is gone
私の知る子供時代のパリはもうない
 
歌はここまでです。

 

 

(Beast) What happened to your mother?
母親に何があった?
 
(Bell) It was the one story Papa could never bring himself to tell. 
そのことは父さんが決して口にしようとしないの。
 
直訳すると、父さんが自ら決して持ち出そうとしないであろう一つの話でした。
 
(Bell) I knew better than to ask.
私もあえて聞かなかった。
 
know better than to Aの意味は~をしないくらいの知恵・思慮があるから、あえてAをしない。
 
Beastは変わった形状のマスクを見つけます。
 
(Beast) Oh. A doctor’s mask. Plague.
医者のマスクが。ペストだ。
 
マスクはペスト用に作られたマスクのようです。くちばしの形はそこに感染を防ぐと思われたハーブや薬草をつめていたようです。
 
・plague はペストという病気から派生し、蔓延する疫病、バッタもしくはイナゴの大量発生(a locust plague)という意味にもなります。
 
ちなみにバッタとイナゴは正確には違う虫ですがかなり似ているので英語ではどちらもlocustにされてます。
 
ここで過去にあったことを知り、Belleは悲しみ、Beastは同情します。
 
(Beast) I’m sorry I ever called your father a thief.
君の父親を泥棒と呼んだりなんかしてすまなかった。
 
このシーンでは二人の意外な共通点が二つ明らかになります。こんなに短時間でBeastの性格が変わり二人が親密になるには、共通点があったからのようです。
 

チャプター16に入ります。

 

シーン変わって村になり、土砂降りの中、LeFouがGastonに言います。
 
(LeFou) This is some storm, huh?
これはひどい嵐だ、だよねえ?
 
someはいくらか以外に、たいしたやひどいと表現する強調にも使われます。
どの程度かは映像と文脈で判断されます。
 
(LeFou) At least we’re not tied to a tree in the middle of nowhere...surrounded by bloodthirsty wolves.
少なくとも僕達はどこだかわからないとこの木に縛りつけられていないし、血に飢えた狼に囲まれてもいない。
 
(LeFou) We could always turn back...It’s just...every time I close my eyes...I picture Maurice stranded alone.
いつだって引き返せれたんだ…だって、目を閉じる度に…Mauriceが独りぼっちで困っている姿が浮かび上がって…。
 
strand 他動詞で困らせる、自動詞で困る。この場合は過去分詞で困った、立ち往生させられた状態。
 
酒場に入ると死んだと思っていた村人達といたMauriceがいて、殺そうとしたとGastonは責められますが、ただの肉体派なだけではありません。
 
(Gaston) It’s one thing to rave about your delusions. It’s another to accuse me of attempted murder.
妄想をわめくのは勝手だが、俺を殺人未遂だと告発するとなれば話は別だぞ。
 
It’s one thing to A it's another thing to Bで、AすることとBするこということは全く違う、Bすることは難しいことだと説明する時に使うフレーズです。今回のセリフとは違いAとBは関連しています。
 
例文) It's one thing to watch a cooking show, it's another thing to be a chef
 
以前Beastや野獣や6月雪の話をしたMauriceがまた妄想をしていると誘導し告発するなら証拠を見せろと暗に言っています。
 
・rave はうわごとをいう、何かを熱心にはなす。
 
・murder は殺人だと不加算名詞、殺人事件。
 
村人も村の英雄を犯罪者にとはにわかに信じがたく、証拠をと問います。MauriceはAgatheの名を上げます。するとGastonは更に勢いよく笑います。
 
(Gaston) You’d hang your accusations on the testimony...of a filthy hag? No offense, Agathe.
告発の証言にみすぼらしいおばさんを出すって?悪気はないよ、Agathe
 
hang onはいくつか意味がありますがここでは掲げる、頼るです。直訳すると、あなたは告発をするのにみすぼらしいおばさんに頼るのか。
 
殺人未遂に対してaccusationsと複数なのは、殺人未遂をする前に暴行・傷害・縛って自由を奪う逮捕監禁罪など、他にも罪がある場合が多いため、複数になったと考え、日本では一番大きい罪一つのみを通常取り上げます。
 
・filthyは映像通りの汚れた、汚い、
 
・hagは醜い年老いた女性、または魔女。かなりのNGワードなので気軽に言わないようにしましょう。Agatheは女性で他の村人のように結婚をしなかった物乞い。そういった人は対等な人扱いすらされていないようです。
 
・no offenseはうっかり相手を悪くいったり、意図せず傷つけた時に悪気はなかったと言う言葉ですが、Gastonのような本気で悪いと思って無い人もちょいちょい使うので、使い方には注意しましょう。
 
MauriceはLeFouを証言に立てます。するとGastonはLeFouに言います。
 
(Gaston) Don’t take my word for it.
俺の言葉を重く受けるなよ。
 
take one's word for it はフレーズで、one'sの言うことを信じろ、しっかり聞け、です。余り使う機会がないですが、映画やドラマで出てちょくちょく出てきます。
 
(Gaston) LeFou...my dearest companion...did I...your oldest friend and most loyal compatriot...try to kill the father of the only woman I’ve ever loved?
LeFou…俺の最愛の連れよ…お前にとって一番古い付き合いで何よりも大切な仲間が…今までにただ一人愛した女性の父親を殺そうとしたか?
 
loyalは忠実で訳してもですが、元は心から大切に思うからの忠実です。
 
・compatriotは同胞、仲間。
 
(LeFou) Well, it’s a complicated question on a number of accounts...But no. No, he did not.
ええと、それは色んな事を考えると難しい質問だね…でも、いや、Gastonはしてないよ。
 
・accountは重要な借金の記録や金銭の取引口座と言う意味以外の意味もあり、ここでは詳細な話。
 
LeFouの否定により、Gastonが優位に立ちます。
 
(Gaston) Maurice...it pains me to say this, but you’ve become a danger to yourself and others. No wonder Belle ran away. You need help, sir. A place to heal your troubled mind. Everything’s going to be fine. Just fine.
Maurice...これを言うのは辛いがあんたは自身も周りにも危ない存在になった。Belleが逃げたのもわかる。あんたには助けが必要だ、ね。そのおかしくなった頭を癒やす場所だ。きっとよくなるよ、絶対によくなる。
 
it pains me to say this, A はフレーズでitをto以下にすることで辛いと言う気持ちを強調しています。
 
今日はここまでです。お読みいただいた方、前回いいねをつけてくださった方、フォローをしてくださった方、本当にありがとうごぞいますニコニコ