映画 美女と野獣 Beauty and the Beast実写版の一部英語の翻訳とその解説になります。
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チャプター14途中(開始1時間9分12秒辺り)からです
ビーストは図書室にベルは案内します。映画ではビーストの声がこもって聞き取りづらいですが難しくない英語なので是非意味を覚えて字幕無しで観てみてください![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
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Beast: Well, there are a couple of...things in here you could start with.
そうだな、ここには2、3冊は君にでも始められるものがあるだろう。
・start withは〜を皮きりに、手始めに、まず第一に。
立ち止まっているベルにビーストは声をかけます。
Beast: Are you all right?
どうした?
Belle: …It’s wonderful!
…すごい!
本が好きでなくてもこの図書館には圧倒されます。ロケーションは実際にあるポルトガルの大学のジョアニナ図書館です。
Beast: Yes. I suppose it is.
ああ、そうだな
・I supposeは I think よりは自信がないけどそうだ思う、と予測する時に使う言葉です。
この時のビーストの表情がいいです。え、そんなすごいこと?でも何か嬉しい、的な。元王子様な彼に取って生まれた時から図書館はあり、特別好きなものでもありません。
すごいことだとベルに教えられ、戸惑いつつも喜び、もしくは誇りのようなものを感じたかもしれません。そのせいなのか、いきなりすごいこと言います。
Beast: Well, if you like it so much, then it’s yours.
ふうん、そんなに好きなら、君のものにしていい
・it’s yoursはプレゼントする時などに言う言葉ですが、この場合は好きに来て読んでいいよ、本を持っていってもいいよくらいの許可で、この時点では本当の所有まではいかない気がします。
それでも本好きのベルにはどんな花や宝石より嬉しいサプライズです。
すっかり舞い上がったベル![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/026.png)
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Belle: Have you really read every one of these books?
これを本当に残らず全部を読んだの?
・every one of 〜の一つ一つ、残らず
Beast: What? Well, not all of them. Some of them are in Greek.
え?うーん、全部ではないな。そのうちの何冊かはギリシャ語だ。
この直後、Belleは笑います。
このセリフがシェークスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」の中にあるセリフ
"It was Greek to me"
(俺には全てギリシャ語だった)
に似ていたからです。
この劇の中でローマ人のカシウスが同じくローマ人のカスカにキケロが何を話していたか教えろ、と言った時、全てギリシャ語だった→ちんぷんかんぷんだった、とカスカが答えたことから派生して、
授業や専門用語などが難しかったりさっぱりだという意味に使われています。(ちなみにこの表現自体はシェークスピアが生まれる前からあります)
Belle: Was that a joke? Are you making jokes now?
それって冗談よね?あなたって冗談を言う人だったのね?
上手く訳せずですが、前半は事実確認、後半は認識中です。図書館のプレゼントにシェークスピアのジョーク、ベルからしたらとんでもない殺し文句のダブルパンチです![酔っ払い](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/043.png)
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ビーストはベルの様子に戸惑いつつ、
Beast: Maybe.
かもな
と言ってその場から歩きだします。そのそっけない様子だと、ジョークを意図しておらず、普通にギリシャ語が苦手で読んでないと言う文字通りの意味で言ったようです。
それが予期せずBelleを喜ばせたことに、Maybeと言って濁します。このささいな、予期しない出来事、これも覚えてください![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/027.png)
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シーン変わって二人は食事一緒にとります。ベルは本を片手に、ビーストも本を台に置いて読んでいます。ビーストはスプーンを使わず犬のように顔を皿に突っ込み飲みます。
アニメーション版では手が獣の手でうまくスプーンを握れないと説明ありましたが、実写版では設定が見直され、ただただ粗野さが出ています。
シーン変わって二人は庭を歩きます。ベルが詩を朗読します。以下は私に詩のセンスがないので、固い訳になっている気がします。
Belle: The air is blue and keen and cold… and in a frozen sheath, enrolled.
空気は憂鬱で、身を切るような、冷たく…凍った鞘の中に、すっぽりと納まっていた。
・enrolledは"The air is blue and keen and cold… and in a frozen sheath"の追加情報です。
・blueは空ではなく空気の話しで、空気は透明の為、この場合気分がblueの憂鬱にしています。映像を観て青と思う人もいると思います。
・keenは熱心なや鋭いなど、何かぎゅっと凝縮した感じを表現する時に使います、
・enrollは登録の他、"to roll or wrap up"で包む、という意味もあります。
この文、逆から考えるとわかりやすいかもです。空気は何かにenrolled(包まれ)、何に包まれていたかというとa frozen sheath(凍った鞘)にで、その鞘の中はblue and keen and cold(憂鬱で身を切るような寒さ)です。
(Belle) “Each branch, each twig...each blade of grass seems clad miraculously with...glass.”
大小の枝々、地面の草の葉の隅々まで奇跡のように覆われているようだった…硝子の中に。
・blade of grass 草の葉。
・cladはclothe(着る、まとう、覆う)の古い言い方の過去・過去分詞で今回はseem+過去分詞。
日本語にすると"硝子に覆われているよう"の方が自然ですが、セリフを聞いて硝子を最後に今回はしました。
Beast: I feel as if I’m seeing it for the first time.
なんだか初めてこの景色を見た気がする。
ここ、前回⑳シェークスピアのセリフ
"Love can transpose to form"したことを示唆しているようです。
ちなみにこの詞はシェークスピアではないです。William Sharpの詞 a crystal forestを少しいじっているようです。
Beast: Is there any more?
続きはあるのか?
ここでベルは笑いますが、理由は二パターン考えられます。子供みたいにせかすビーストを可愛く思うのと、詩に興味を持ったこと、またその両方です。
ベルが言う以下の詩はディズニーオリジナルで上記の二つを一つにして一つの詩にしています。
Belle: “But in that solemn silence is heard the whisper...of every sleeping thing.
しかしその厳かな沈黙の中からささやきが聞こえた…全てが眠っているその中から
前置詞を含めた "in that solemn silence" が主語になっています。inが主語の先頭にあることに、文法を勉強していると戸惑うかもですが、日本語でもこういった表現はあるので何度も読めば慣れてくると思います。
"that solemn silence"だけでも文章は成立しますが、inを使うことで"that solemn silence"が閉じこめられている感が出ます。
・in that solemn silenceを前に出すことで倒置、
・is heardを使うことで英語に必要なhearの主語、誰が実際聞いているのかを消して(隠して)います。
Belle: “Look. Look at me. Come wake me up. For still here I be.”
見て、私に気づいて。来て私を起こして。私はここにいるのだから。
ここまで聞くと⑰のMrs.Pottsのセリフ、
Belle: "Somewhere deep in his soul , there’s a prince...of a fellow who just waiting
to be set free."
を思い出します。この詞全体がビーストの状況を示唆しているともとれます。
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それを加味して訳してみると以下になります。
The air is blue and keen and cold and in a frozen sheath, enrolled.
ビーストの心は憂鬱で身を切るような冷たく、凍った鞘の中にすっぽりと包まれてる。
Each branch, each twig...each blade of grass seems clad miraculously with...glass
→彼の心の隅々まで信じられない程纏われていた…氷の硝子に
But in that solemn silence is heard the whisper...of every sleeping thing.
しかし凍てついた殻の中にある死んだような静寂(ビーストの心)からささやきがふいに聞こえた(ビーストは聞いた)…彼自身の中の眠っているあらゆる感情の中にあったそのささやきは言った。
→この文の隠れた主語はこの場合、このシーンのセリフ含めた文脈において、ベルではなくビーストです。
ビーストの心は凍てついて眠っていた→Belleに詩を読んでもらう→興味→続きは?と聞いているのはビーストです。ベルの何気なく選んで読んだ詩によってBeastの心を揺り動かし、いままで聞こえなかったものに気づくのです。
Look. Look at me. Come wake me up. For still here I be
ねえ、こっちに気づいて、僕を起こして、だって僕はまだここにいるよ
→氷の鞘がビーストもしくは今の心、その中にいる空気が今のビーストの眠っている心の中の状態、空気の中のどこにいるかわからないささやきが子供の頃に父親のしつけによって眠らされた幼いビースト。
全体に合わせてblueは憂鬱にしましたが、Beastの瞳のblueで青もありな気がします![お願い](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/025.png)
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憂鬱で青く身を切るような冷たさ。
また、彼が長年無視していた図書館の本にあった詩に興味を持てたのはベルの読み聞かせ&Belleへのまだ気づかぬtranspose
もあってでしょうか。
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ちゃんと読むと、色々伏線だらけのようです。
今日はここまでです。お読みいただいた方、前回いいねをつけてくださった方、フォローをしてくださった方、本当にありがとうございます![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/079.png)
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