文化放送メールマガジン。

【水谷加奈の劇場型恋愛体質】より。


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昔から大好きでよく利用しているしゃぶしゃぶ店があります。

おいしくてリーズナブル。それに店員の方々が丁寧で細やかに対応してくださるので居心地がよいのです。

先日予約の電話を入れたときのこと。

「お忙しいところ申し訳ありません」

  とまずこちらが言ったところ、

「いえ、とんでもないことでございます」

  と女性の声で返ってきました。私は小さく感動しました。正しい日本語を使っている!と。

 

この【とんでもない】という言葉。実は間違って使っている人がとても多いのです。

【とんでもない】を丁寧に言うときに【とんでもないです】【とんでもございません】と口にしてしまいがちなのですがこれは間違い。

【とんでもない】の部分が一語で成り立っているので【とんでも】と【ない】を分解することはできません。

正しくは【とんでもないことです】【とんでもないことでございます】となります。

 

社員教育に日本語研修を取り入れている店はどのくらいあるのでしょう。

正しい言葉を使うとそこに言霊の力が宿ります。

「お待ち申し上げておりました」

「お気をつけてお帰りくださいませ」

「またのお越しをお待ちしております」

など。言われた方も気持ちが穏やかになります。

そういえば以前この店に眼鏡を忘れたかもしれないことがあってやはり電話したところ、

すぐに探してくれたのですが見つかりませんでした。

すると電話口で

「見つかることをお祈りしております」

と一言添えてくれたのです。

この言霊のおかげか、眼鏡は他の場所ですぐ見つかりました。