今、シオリから電話があった。
泣いている。
つうか、泣き叫んでる。嗚咽。
電話の向こうでジンも何か叫んでる。
少し落ち着かせてからよくよく聞くと、
「シオリの、ヒック、お昼を、ヒックヒク、ジンくんが食べちゃったの。ひいいいっく」
とのこと。

ああ、なるほど。そういうことね。

お昼用に、ビビンバチャーハンを炒めて鍋の中に置いてきた。
朝、出掛けに、
「昼はコレをもう一回あっためて、温泉たまごを割りいれて食べてね」
と言ったのだが、コレを聞いていたのはジンだけだったのだ。
でも、まさかコレだけの量をジン1人が食べてしまうとは思っていなかったので、
ま、いっかと。
案の定、シオリの分は残らなかった。

電話口に出たジンに、
「ジン、食いすぎだよ」
と言うと、
「そうか、食いすぎか?」
だって。
シオリに、
「パンの袋の中にロールパンひとつとパンの耳がいくつか入ってるから、それ食べて」
と指示したら、
「パンの耳い~?。ひっく。ひえええん」
と、また泣き出したのでワタシは怒鳴った。
「パンの耳の何が悪い!
パンの耳を馬鹿にするものはパンの耳に笑われるよ!」

しばらくしたら、シオリから留守電が入っていた。
「今、ロールパンひとつとパンの耳を食べました。でもまだお腹がすいています。
どうしたらいいでしょうか。電話ください。じゃあね。ばいばーい」

「カップヌードルがひとつ残ってるから、食べていいよ」
と再び指示を出す。
すると、今度はジンから電話。
「ジンのカップヌードルは?」

おいおい。だから食べ過ぎだって言ってるだろ。
つうか、仕事にならないから、もう電話してくるな。