【たろぷらす】2013.03.17 release

☆12cm CD/約45分/\300
「デートの後、メール編」「デートの後日談、そして事の始まり」
「クリスマス編」+おまけ 収録

「4タロスと夢のような一時」をコンセプトに、タロス達がメッセージを贈ります。
物語の主人公はあなた(かもしれない)。楽しみ方はあなた次第?




「デートの後日談、そして事の始まり」シナリオ/脚本:ちきほ
*台本より抜粋。役者のアドリブ等により、CDの内容と多少異なる場合があります。


― 真夜中のデンライナー食堂車にて


金「ぐがー…」
桃「…遅い、遅過ぎる!小僧は一体どこで何してやがんだ!」
浦「(コーヒーを飲みながら)そうだねぇ…。
  でも居場所の手掛かり無いし、待つしかないんじゃない?」
桃「あの野郎、帰ってきたらただじゃおかねぇぞ…!」
浦「あれぇ?先輩…もしかして、リュウタのこと心配してるの?」
桃「うるせぇ亀公!お前こそ、余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ!」
浦「僕は別に?それに、焦ったって獲物は寄って来ない訳だし」
桃「てめぇの女と一緒にすんなスケベ亀!」

龍「ただいまー!」
浦「ほら、噂をすれば…」
桃「リュウタ!てめえ今の今までどこ行ってやがったんだ!」
龍「えー?モモタロスには関係ないじゃん」
桃「てんめぇ…人がせっかく…っ!」
浦「まぁまぁ先輩落ち着いて、カッコ悪いよ?」
桃「んだと…?亀公、てめえも何とか言いやがれ!
  俺達に黙って丸一日いなくなりやがって…!」
浦「ハイハイ、心配だったんでしょう?
  僕が話を聞くから、先輩はあっちで頭冷やしてなよ」
桃「…けっ、勝手にしろ!」
龍「やーい、怒られたー!」
桃「何だと小僧っ!」
浦「ほら先輩。リュウタも、これ以上先輩を煽らないの」
龍「はーい…」
桃「ふんっ」
浦「やれやれ…どっちが子供なんだか…。
  それでリュウタ、こんな時間まで何をしていたのかな?」
龍「別に…何でもないもん」
桃「何でもない訳ねぇだろ!てめぇいい加減にしねぇと…っ!」
浦「いいから先輩は黙ってて。リュウタ、いきなり気配が消えたもんだから、
  先輩や金ちゃんも心配してたんだよ?」
金「ぐがー…」
桃「オイ亀、誰が心配してたって?!」
浦「あれぇ?さっきまで何かに巻き込まれたんじゃないかって
リュウタの気配を必死に探ろうとしてたのって…誰だったかなぁ…?」
桃「うぐ…」
浦「さて、先輩も大人しくなったし…リュウタ、ちゃんと説明してくれるかな?」
龍「(観念したように)うん…お姉ちゃんのとこ、行ってた…」
桃「何だと!?」
浦「ふーん…なるほどね」
桃「な、何がなるほどだ!気取ってんじゃねぇぞ!」
浦「(桃を無視し)遊びに行くのは行くのはいいけど、ちゃんと行き先は言わないとね?」
龍「(桃を無視し)うん…わかったよ亀ちゃん、今度からちゃんと皆に行き先を言うよ」
浦「わかればいいけどね」
桃「オイ!お前ら無視すんな!(龍が抱いてる猫のぬいぐるみが目に留まり)
  あ?つーか小僧、そのぬいぐるみは何だよ」
龍「これ?お姉ちゃんに買って貰ったんだー!モモタロスには絶対無理だと思うけどー」
桃「こんのぉ…洟垂れ小僧が生意気なぁ…!このっ」
龍「よっと。へへーん、ベーだ!」
桃「くっそーなめやがって!待ちやがれ小僧!」
龍「やーいやーい!あははっ!」
浦「さーて、釣りでもしますか…」

桃「このぉ…待ちやがれっ!」
龍「あ、亀ちゃん!ちょっと背中借りるね(浦の後ろに隠れ)」
浦「え…?」
桃「ゼェゼェ…この小僧…っ」
浦「先輩、大人気ないからやめなよ…」
龍「べーだっ」
桃「くあぁー!今日という今日は完封なきまでに叩きのめしてやる…っ!」
金「…なき?なく…泣けるでぇ!」
桃浦龍「うわぁ!?」
桃「なんだよ熊公、脅かすな!」
金「んぁー…何か騒がしいなぁ?ところで、リュウタはまだ帰っとらんのか?」
浦「リュウタなら、ここにいるけど?」
龍「熊ちゃん、ただいまー」
金「おぉ!帰っとるやないか。ハナやナオミも心配しとったで?」
龍「わかってるよぉ…」
桃「ほら小僧、悪い事したらごめんなさいだろ?」
龍「うるさいよモモタロス!」
桃「呼び捨てにすんな!」
浦「二人共いい加減にしなって。皆寝てるんだから…」
桃「お前らがそうやって甘やかすからコイツが調子に乗るんだよ!」
浦「いや、だから…」
金「まぁ、桃の字の言うこともわからんでもないなぁ。リュウタもわかっとるな?」
龍「うん…。亀ちゃん、熊ちゃん、モモタロス…ごめんなさい」
金「うむ、よく言うた!自分から否を認めて謝れるんは、ええここや。成長したな?」
龍「えへへ…」
浦「先輩、これで気が済んだ?リュウタも反省してるみたいだし」
桃「…わ、わかりゃいいんだよわかりゃ」
龍「うーん…そういえば、皆だって前に勝手にどっか行ってたじゃん!」
桃浦金「ギクッ!」
龍「何で僕はダメなの!?」
浦「僕たちはほら…ねぇ?」
金「ん?あぁ…一応大人やさかいなぁ…?」
桃「が、ガキは夜出歩くもんじゃねぇんだよ!」
龍「ガキじゃないよ!モモタロスのバカ!」
桃「何だと小僧っ!それが年上に対する口のきき方か?!」
浦「あーあ…せっかく治まったのに…」
金「どっちもどっちやなぁ…」
浦「これじゃあ、どっちが子供だかわからないねぇ…」

龍「皆もお姉ちゃんとお出かけしたんでしょ?」
浦「だからリュウタ…話を聞いて…」
龍「僕知ってるんだからね!亀ちゃんは釣り竿二つも持ってくし!」
浦「(図星)えぇっ?まぁねぇ…」
桃「はんっ、さすがに一人で二本も竿はいらねぇよなー?」
金「確かになぁ…」
龍「熊ちゃんは女の子が好きそうなお店が出てる本ばっか見てるし!」
浦「そういえば…僕も金ちゃんに、女の子について色々聞かれたような…?」
金「あぁ…それはやなぁ…」
桃「何だよ熊公、てめぇまで色気付きやがって…」
浦「そういう先輩も、そんな可愛いラッピングのプレゼント…どうするつもり?」
桃「(図星)な…っ!こ、これは…こないだ道で拾ったんだよ!」
金「んなアホなことがあるかいっ。桃の字お前、こないだ俺の本こっそり読んどったやないか!」
桃「あぁ!このバカ熊…っ、いちいち言うんじゃねーよ!」
浦「俺の本って…今さり気なくデートのこと認めたよね?」
龍「ほら!皆もお姉ちゃんと遊びに行ってるじゃん!(じたばた)」
桃「小僧っ、これはだな…っ!」
浦「リュウタ!暴れちゃダメだって!」
金「落ちつけリュウタ!まずは話をやな…」
龍「ヤダヤダヤダー!お姉ちゃんは僕の!放してよ!」
桃「うるせーぞ小僧!話を聞けって言ってんのがわかんねーのか!」
龍「うぅ…」
浦金「はぁ…」
浦「僕としたことが…不覚だねぇ…」
金「ちぃとも秘密やないやんけ…」

龍「とにかく、お姉ちゃんが好きなのは僕なんだからね!皆邪魔しないでよ!」
桃「ふんっ、お前ぇみたいなお子ちゃまを、アイツが相手にする訳ねぇだろ?」
龍「そんなことないよ!」
金「いんや。ここはやっぱり俺に決まっとるやろ?俺に任せとき!」
桃&龍「何でそーなるんだよ!」
浦「まぁまぁ、要するに僕達四人は、
  一人の同じ女性を好きになってしまった…ということだよね?」
桃「だから何だってんだよ?それがどうした!」
浦「つまり、全ての原因は彼女の魅力であり、彼女自身の責任でもある」
桃金龍「???」
浦「彼女にも、僕達の苦しみを味わって貰わないとね…」
龍「…それってどういうこと?」
桃「勿体振ってねぇで早く言いやがれ!」
浦「だから、彼女に決めて貰えばいいのさ。それなら文句ないでしょう?」
金「なるほどなぁ…」
桃「何だそりゃ?てめぇふざけてんじゃねーぞ?」
浦「あれぇ先輩、もしかして…怖いの?」
桃「ぬぉ…っ、んな訳ねーだろ!」
金「何や桃の字、怖いんやったら棄権してもええんやで?誰もお前を恨みはせぇへん」
桃「だから、誰も怖いだなんて言ってねーだろうが!」
龍「やったー!ライバルが減ったー!」
浦「そうそう、ライバルは一人でも少ない方がいいよねぇ…?」
桃「言わせておけば…っ!わかったよ、受けて立とうじゃねえか!
  その代わり、誰が選ばれても恨みっこ無しだからな!」
金「あぁ、望むところや!」
浦「ルールはこう。明日彼女をここに呼び出して、一人一回ずつ、彼女を同時にデートに誘う。
  そこで選ばれた一人が、彼女と一日過ごす権利を得る…」
龍「わかったよ、亀ちゃん!」
浦「もちろん、このことは彼女には秘密。
  あと、フライングや別の日に誘い直すのは無しだからねー…先輩?」
桃「なっ、俺がそんな汚ぇ真似するかよ!てめぇこそ、後で勝手にルール変えたりすんなよ!」
浦「僕はそんなことしないよ?それに、ズルして彼女の気持ちを手に入れたって、意味ないしさ」
桃「…お前にしちゃあ珍しいじゃねぇか。コーヒーに変なもん入ってたんじゃねえのか?」
浦「ふふ、それだけ彼女に本気ってことさ」
金「よっしゃ、男同士の約束や!正々堂々勝負といこか!」
四人「おー!」

龍「よーし…絶対に僕を選んで貰えるように頑張らないと!
  そしたら、お姉ちゃんにぬいぐるみのお返しをするんだ!」
桃「小僧や熊やスケベ亀なんかに負けるような俺じゃねえ。こうなりゃ徹底的にやってやらぁ!」
金「あー…とりあえず、力蓄えとかな…ぐがー」
浦「さーて、色々準備しないとね…」

fin.