普段、烏滸がましいのでわざわざ読んだ本の感想を述べる方では無いのですが、備忘録としてこの感情を書き留めておきたいと思いました。多分ネタバレになるので今から読むぞって方は見ないでね。
ホテル・アイリス-小川洋子
私はSMについて精通していないので、これは愛なのか?疑問は残った。私がSかMだったら、あるいは分かりやすい性的嗜好があれば共感できる内容だったのかな。
ただ、好きか嫌いかで言うと好きです。舞台が異国っぽい。エロを書いているのにどこか上品で静謐。好きです。
「博士の愛した数式」も読後、ふわふわした感情があったのですが、この作品もまた、ふわふわしてます。掴み所のない登場人物が多いからか?
17歳の少女と初老の男との独特な愛は、私の中で現実的ではなかったけれど、リアルに描かれているからこそ腑に落ちた部分もあるし、小説を読んでる!って感じがした。現実とフィクションの空間。
あ、甥と関係を持ってしまったシーンには、極めて容易に許容できて安心しました。ちゃんと私の知る17歳だった、、よかった。
内容は全然穏やかでないし救いもない。性愛やら狂気やらで溺れているのに、本を閉じると心地よい静けさがある。これは小川洋子の語彙や言い回しが素晴らしいんだろうな。好きだな。
内容はどうであれ、読後の世界が心地よければ私はその本が好きです。もう一度読み返したいと思う。
んー。全ての感情に名前があればきっと正確に書き留めることが出来るんだろうけど、そんなラベリング、多すぎてどっちにしろ不可能だろう。
そんなとき私はいつも感情に色をつけているのですが、これはとてもお勧めです。これまでの人生経験で大体感情を引き出せる。便利です。
商品紹介みたいな書き方をしてしまいましたが、この小説は青と黄色です。
ああ、デメリットを書くのを忘れていました。自分以外には、からっきし伝わりません。
無性に活字を読みたくなるときってありますよね。なんだかもっと、上手に小説を読めるようになりたいなと思いました。そんな1日。
またね。