私は、ベッリーニのオペラ「ノルマ」がこの上なく好きだ。
ノルマは、古代ローマ帝国の支配下となったガリア、その一部族の巫女である。
私は、古代人の営みが埋蔵秘沈されたこの奈良の土地で、巫女たちが生きた時代に想いを馳せるのが好きだ。
【第1場】奈良県橿原市 素盞嗚命神社
独立した小山の頂にその社はある。この鳥居には名が無い
古くは春日大社の式年造替の折、吾背負:ワッショイされて持ち込まれていたのだろうか。
祭神はスサノヲノミコト
これは明治43年に制定されたもの
当時、全国で進められた神社合祀によるものか。
土着の祖神たちがネームバリューのあるスサノヲに摂収された例は数え切れないほどあっただろう。
行政からそのような指導があったのかもしれない。
そして、この社には表札がないままである
スサノヲを名にし負えない事情
しかし、これは山である。
山を築く行為。
つまり、墳墓。
王の墓
目と鼻の先には陵墓がある。