薄光琤[王爭]Usuki Koujo『秋萩帖~ふりしけば~』
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ふりしけばまさに我が身とそへつべく おもへばゆきのそらにちりつゝ
[使用文字]
布利之氣者萬散尓和閑
見東所部都部久於母部者
遊幾能所羅尓知利川ゝ
半切に3行の行散らし
寒々しい渇筆
降りしきる雪に経りゆく我が身の行く末を案じ、見上げる空は雲が重く垂れこめている・・・
いやがおうにも肉体的にも精神的にも枯れていく自分を実感し、受け入れること。
それは同時に人生への諦念でもある。時の過ぎゆくままに・・・
テーマは「老い」
なよやかに踊る事を棄て、雪の中に立ち尽くす
ハラハラと舞い交う雪は、作者の頬を撫でて音もなく地に積もってゆく
そんな渇筆で
目線は「雪の空」に向かう
その墨継ぎ
その刹那に生きている己の存在を認識する
表現できたでしょうか?