【奈良的風景の実際】いかるがの里・法隆寺編 その9 | 人生は唄方

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くらやみのくも

(つづき)

稲葉車瀬地区
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条里制による桝形の区画がよく残されている田んぼが広がる。



杉板と焼杉板
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耐候性では焼杉板が勝るが、杉板にはエイジングによる味わい深い表情の変化がある。



塩田橋から
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秋色を纏う神奈備みむろ山
橋を越えると神岳神社、そして国道25線と合流する。



旧奈良街道 龍田地区
(斑鳩町役場から西のエリア)

古い町屋が軒を連ねる
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軒下の千本格子、虫籠窓(むしこまど)のある厨子二階(つしにかい)という、伝統的なファサード。
屋根がいぶし瓦の本瓦葺きであることに、古都ならではのアイデンティティーを感じさせる。



向かいに建つ新しい住宅
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総二階建てだが、町内の歴史的景観に配慮し、町屋の慣用色と意匠を取り入れたファサード。
二階の大振りな虫籠窓は、外壁デザインとしての透かしとなっており、奥にはガラス窓が設置されて、屋内の気密性は保たれている。
本来の役割である通行者の視線を遮る効果は十分ある。



総二階建ての住宅
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光沢のあるタイルを用い、周囲の和風住宅のモノクロ配色をアシンメトリーなストライプにリファインした意欲的な外壁。
和風建築にないプロポーションとテクスチャーで周囲の住宅との明白な対比を生み、二極間の類似性と対照性が混在する調和を図っている。



「太田酒造」
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新陳代謝を繰り返す町並みの中でも、この建物の歴史が則ち、町そのもののエイジングを伝えるのである。



この先、旧街道は猫坂を下り、国道25号線と合流する。

(つづく)