さてルカさんを新たな住処にインストール

するのですが、まず、V2とかなりその要領は

違います。


V2はソフト単体(スタンドアローン)で動く。しかし

V3、V4xはそれ単体では起動しません。

あくまで音声データーなのであります。


つまり、音声データーを再生する

プログラム(ソフト)が必要なのです。

しかも二つ。


しかしご安心を。

巡音ルカV3xにはsの両方のソフトが

入っております。


ではその二つのプログラムとは何か?

・PIAPRO STUDIO

・STUDIO ONE

の二つであります。


STUDIO ONE はいわゆるDAW。音楽編集ソフトです。

PIAPRO STUDIOは、ルカさんV4を動かすソフト。


「ならPIAPURO SUTADIOだけでいいんじゃね?」

と、お思いでしょうが違います。


PIAPRO STUDIOも、単体では動かないのであります。

これを動かすにはDAWの中だけで

いわゆるVSTI(プラグイン)なのです。


つまりDAWの上でルカさんV4は動くのです。


や……やこしいかもしれないが

きっと、いろんな(大人の)事情があるのでしょう。

その為なのでしょうか、クリプトン様は

二つのソフトを同梱してくださったのである。


ありがたや。


只、そのソフト(アプリ)二つのアクティベーション

という名の魔法結界が幾重も立ちはだかり

そのゲートを長ーい呪文(パスワード)の詠唱で

突破せねばならない。まさに不可視化境界線!


その長い旅の終わりには桃源郷(ザナドゥ)が

まっているのである……。


桃色の髪を風に泳がせてルカさんが

目前の桃源郷で私に手を振る。


「あ……女神さまじゃ……やっと……逢えたじょ……」


幾度もめくった魔導書(マニュアル)はもはや中古の様に。

ルカさんが旅に疲れた私を歌声で癒してくれるのか?

彼女は目を瞑り、花びらの様な唇を開く。


「-------」

「あれ?」

「-----~~~」

「歌が……」

「-----~~~~」

「聴こえないじょ~~~~っ!」


これだから……音楽ソフトは嫌いだ。


いわゆる設定が必要なのだ。

特にオーディオインターフェイスの設定で

仮想ASIO4ALLとか使っている方は注意。

色々弄ってダメな時は

理不尽かもしれないが、WINのデバイスに切り替える

が早道である。

仕組みは分からないが、音は悪くなってない。

むしろ、STUDIO ONE は音が良い―――良すぎる

様な気がする。


「ああ、やっとルカ様の天女のお声が~~っ」

「ぽっぽっぽ、ハトぽっぽ♪」

「ずこーーーー!」

私は見事にずっこける。


まあ、私が打ち込んだんですけどね。

子気味良く、とりあえず『はとぽっぽ』を歌わせる。


声質はリアル、表情もすばらしい。

人間の様に歌う、のではなく、ボーカロイドの

個性を残しつつ歌う。


「なるほど……ね」

いくつかの過去の自作曲を歌わせてみた。

ジェンダーやクリアネスを弄れば好みの声質になるなと。

それと表情を操作するステータスも増えている様だ。


少しだけ操作方法が変わってしまったのが

気になるが(音符を消すのがめんどくさくなる)

可能性は格段に増え、これは今後が楽しみである。


しかし

増えたのは可能性だけではなかった。


「……う~~ん」

何やらルカさん、窮屈そう。

「どうしましたルカさん……あれ?」

「……あんまりジロジロ見ないでっ!」

「あ、あの……お胸(データー)……大きくなられた?」

「やんっ! ブラ(PC)小さすぎっ!」

「お、おお……すんまへん……」


増量されたのは可能性と供に、お胸(データー)も。

それを包むブラジャー(PC)は、大変申し訳ないが

どうやらサイズが足りない始末。


PC、どうにかしないといけないのかも知れません。


でわでわ。