「ダークナイト」

放送直後から反響がスゴいですね。

相棒 公式HPの視聴者からのコメントが日に日に増えていってます。
私も通勤途中にコメントを読みました。

相棒という作品を皆さんスゴく大事に思っていること、
そして、甲斐享くんがスゴく愛されていたこと、

コメントを読んで、私もスゴく心が痛みました。

確かに、カイト君を好きな人たちにとって、この結末は残酷だと思います。

私は…と言いますと

この最終回スペシャルは、前回の第18話までの話と完全に切り離して、一つの作品として視聴しました。

先週の予告で、‘ダークナイト’はカイト君と分かっちゃったし…なぜならチラッと映った‘親指’
カイト君というか成宮くんと分かっちゃいました(((^_^;)

一つの作品として視聴してましたので、視聴した大半の方が感じた矛盾は気にしませんでしたが、
ミステリーとしての物足りなさをスゴく感じました。

ドラマの冒頭から、ダークナイトはカイト君であると分からせてしまったので 最後に「実は違いました」のどんでん返しを期待してたらそれは無く、そのまんまだった。
カイト君の最初の暴行(いわゆるダークナイトを生むキッカケとなった事件)の動機が、親友の代わりに敵を打つ…それが愚かな行為だと言うことを知らしめるため。
カイト君のそばにいて、杉下右京はなぜ気づかなかったのか…それはまだカイト君への信頼が勝ってたから…。

う~ん、ガッカリ感は否めなかった…。

この最終回スペシャルは、映像、音楽、そして何よりも役者の演技が素晴らしかったので、
それだけに脚本の粗さ…というか…他が素晴らしいだけに…でも脚本がドラマの根幹である。

今の相棒というドラマの限界を少し感じた一回目の視聴でした。


そして、二回目の視聴

私のあらゆる能力(理解力、想像力…)を総動員して、これまでにない集中力で視聴しました。

すると、私の中で腑に落ちて、一回目に感じていたモヤモヤも消えて、 これからも何度でも見たくなるような、見応えのある作品になりました。

相棒は、やはり杉下右京が主人公。
カイト君の犯罪に目が行きがちだけど、
杉下右京の視点から見ると、違う風景が見えてきます。

ダークナイトの犯した事件。
警察の手の行き届かない悪を、暴力をもって成敗する。
それはカイトにとって、一つの正義として信念を持っていたのかもしれない…。

でも、ある事件をキッカケに、彼の信じた正義が思わぬ方向へ行ってしまう…。
「ダークナイト」と名乗る男が殺人事件を犯してしまったのだ。
「彼は模倣犯だ」と主張するカイト。
「それを証明するだけの証拠は」と右京。

そして、犯人の逃走を手助けし、さらに逃走した犯人を本物の(と思わせてる)ダークナイトに襲わせる。

「どこでしくじったんだろう…。」
杉下右京が事件の真相に迫っていくうちに、
とうとう心根までも、本物の犯罪者に堕ちてしまったカイト。

最初は、親友のため…親友に暴力の報復がいかに愚かな行為かを知らしめるためだった。

それが、ネット上で、世間の思わぬ喝采を浴びるようになり 、「闇の悪を暴力で成敗」することを重ねていく。

そして模倣犯による殺人事件が起きたとき、ダークナイトをやめられない自分に気づく。

なぜ?カイト自身も言っているように
「自分でもよく分からない」

ただ、杉下右京という揺るぎない正義と信念の持ち主のとなりで 、カイトという若者の、彼なりに信じた正義と信念はあまりに脆いものだった。

傷ついたカイト。
さらに傷をおった右京。

「二人はまだ途中じゃないですか」

一番心に残ったセリフ。
そして、この言葉を一番伝えたかったのでは?

「待っています」


最後の空港での場面。

右京さんとカイト君を見て、
あらためてこのコンビを好きだと思ったし、
また再会するところを見たいと思った。


この最終回スペシャルを良かった…と素直に思えるようになったのは、
水谷さんと成宮くんの演技が素晴らしかったから。
成宮くんは、甲斐享を生きてました。

捜一の二人のカイト君に対する愛情も伝わってきました。
空港の場面、伊丹さんがカイト君の背中をポンポンとたたくシーン、涙が出そうになりました。


相棒シーズン14はあるのでしょうか?
私としては続けていただきたい。
そして、何年か後に、素晴らしい脚本で、右京さんとカイト君の再会する話を見たいです!



右京さんとカイト君の特命係でのショット!
PCを見るカイト君がカッコいい!!


彼が正真正銘のダークナイトです


カイト君のラストの表情




成宮寛貴という俳優の魅力を改めて思い、
そしてこれからも  俳優  成宮寛貴  を見続けていきたい、と強く思った最終回でした。