月食の日の朝「今日、月食だよ。六時過ぎから」 「本当? 楽しみ。前に買った、黒い下敷き、出してこないと。どこにあるかな」 「違う、違う。それは日食の時に使ったやつ。今回は月食だから。太陽じゃなくて月。下敷きなんか使ったら、真っ黒で何も見えない」 「あ、そうなの? 何時からだった?」 「六時過ぎ」 「え? たいへん。もう始まってるよ! まさかもう終わった? どこどこ?」 「落ち着いて。夕方の六時だから。今はまだ朝。やっぱり日食だと思ってるでしょう」