「入学するとき、学校側が作った書類に署名して印鑑押さされた」
「普通だよね? いろいろ書いて提出するよ」
「なんか、『いい子にすることを誓います』みたいな文章。学校の規則を守って、なんとかなんとか」
「ああ、誓約書? そういえばあったような」
「いいんだけど、何のために、どういうときに使う書類なのかな、と思って。ここまで縛られるのか、とか」
「常識的なことしか書いてないと思うけど、確かに重く感じるかもね。わたしも、就職するときとか家を借りるときに保証人がいりますとか、いろいろ契約書、書いてきたけど、いっつも『そっちこそサインしろ』って思ってた。例えば学校だったら『教師はみだりに生徒を怒鳴りつけたりしません。いじめを発見した場合は学校全体で直ちに対処に当たります』とか。会社だったら、『給料の支払いが予定日より遅れた場合は遅れた日数分の利子を付けて払い込みます。社員を人間として扱うことを誓います』とか。向こうの方がよっぽど誓約書を書く必要があると思うけどね」
「ほんと、それ」