橋としての常識が覆される潜水橋について、お話しします。
保津小橋(京都府亀岡市)
日本国内のいい橋を巡りつつ、
第3回となります今回は、なんと「あの」
長閑な田舎を逍遥しているとふらりと遭遇する、あの橋。
単純で味気のない見た目ながら、
そんな潜水橋の魅力をお伝えします。
お前らを芸術品に仕立てや・・・仕立てあげてやんだよ
お前らをげいじゅつし・・・品にしたんだよ!
お前らを芸術品にしてやるよ(妥協)
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久野瀬橋(茨城県久慈郡大子町)
さてまずは、潜水橋とは何か。
辞書的な定義によると、堤外地に設けられる橋で、
ふだん水が流れている高さの場所(低水敷)に架橋され、
すなわち、低水位の状態では橋としての機能を全うするものの、
呼称については地域差があるようで、リバーフロント研究所の資料
潜水橋(せんすいきょう):全国、行政上ではこちら
潜り橋(もぐりばし):全国
冠水橋(かんすいきょう):関東 ex). 荒川
地獄橋(じごくばし):関東 ex). 久慈川
沈下橋(ちんかばし、ちんかきょう):高知県 ex). 四万十川
潜没橋(せんぼつきょう):京都府
流れ橋(ながればし):岡山県 ex).旭川
沈み橋(しずみばし):九州
親水橋(しんすいきょう):近年各地でみられる
日本の風景には橋が溢れている(東京都千代田区)
ふつうこれらは長期間での付け替えを想定する永久橋。
感覚的には、やはり「潜水橋」が最もメジャーに思えます。
また、潜水橋と対になる概念として、一般的な橋である永久橋は、
毎年のように氾濫し恐ろしい被害を与えてくる暴れ川を前に、
そういった生活の知恵ですね!
山国川の潜水橋?(大分県中津市)
欄干を欠く装飾的な桁橋?(香川県高松市)
しかしその定義で考えると、
欄干の無い桁橋との違いもわからないですし…
どうなんですかね?(無知)
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吉野川(徳島県吉野川市)
というわけで、潜水橋がどのように沈むのかを確認しに来ました。
ここ四国は潜水橋の聖地であり、
そして、今回訪れた川は、四国どころか日本を代表する暴れ川・
この四国三郎、急な河川勾配、降った雨が短時間で流出、
吉野川の渇水時と増水時の水量の差は、
治水に相当苦労した歴史が、
脇町のまち並み(徳島県美馬市)
その一方で、
広大な扇状地は土地を肥沃にし、
あるいは、徳島の特産品といえば、染料の原料となる藍。
吉野川流域で生産された藍は、
そんな河川舟運で栄えたまちのひとつが、
実際にまちを歩いていると、
川島潜水橋(徳島県吉野川市)
脇町潜水橋(徳島県美馬市)
さて、コチラのウェブサイトによると、現在、吉野川には8つの潜
これ私のブログ要る?(存在証明)
今回訪れる潜水橋は、
日本最大の川中島である善入寺島は、
東西約6km、南北約1.2km、総面積約500haという巨大
島内に阿波市市場町と吉野川市川島町の境界をもち、6本の潜水橋
善入寺島の現在(徳島県阿波市・吉野川市)
そのような生活事情や河川改修の面での重要性から、かつては30
100年以上もの間、
人生の悲哀を感じますね
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さて。
いままで紹介してきた写真は、
これはこれで、確かにエモエモな風景だったのでけれども…
せっかく潜水橋に来たんだから、「潜水」を見に行こうぜ!
というわけで、台風一過に再送だ!
列島各地に甚大な被害をもたらした、2023年の台風6号と7号
ここ徳島県でもそれなりの被害を及ぼし、
台風接近で出張が増えるよねと苦笑いしながら、
それでも、せっかく同地に来たということなので、出張後にもう1
出張にマイ折り畳み自転車を持っていくのは…やめようね!
そんなこんなで現地です。
徳島線阿波川島駅で下車。
澄み渡った青空ですが、
心なしか流速も以前来た時より早いし…
いざいざ、件の川島潜水橋とご対面ですが…
なんだこれは… たまげたなぁ…
流木、濁流、水没。
堤防からさらに視線を下げてみると、
どう考えても通行は不可能ですね…。
これが潜水橋の真の姿、ということなのでしょう。
やや西側へ移動して、
こちらの学島潜水橋は、
川島橋については、
轟音を荒げる吉野川、
間近には、それなりの交通量のある阿波麻植大橋が美しいトラス・
阿波市側の香美潜水橋もこんな具合。
学島橋ほどではないが、やはり水位はとても高くなっており、流れも速い。
木々は根元が見えないほど水に浸かっており、尋常ならざる光景だと理解できます。
うお…すげぇ水没… マングローブかな?
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学駅(徳島県吉野川市)
潜水橋へはここから徒歩でどうぞ。
以上、潜水橋の真髄を体験しようと頑張ってみた回でした。
割りと特殊な橋の形態であるので「わかっている」つもりでしたが、よくよく考察してみると、その深淵さが垣間見えて面白かったです。
真の姿を拝むこともできましたしね!
ただし、あぶないことはしてはいけない(至言)
しかし、潜水橋のエモさは夏に限る…
やっと… 夏が終わったんやなって…
また、観に行きましょう…。