文章における視覚的効果について | 御意見募集中@コネタ専用

文章における視覚的効果について

 日記や小説なんか書いてるとよく思うこと。


 この頃は、ほとんど喋ってるような文章で日記を書くことが多いけど……書いてる時に、「ここで(笑)とつけたい!」とか「この言葉を強調表示したい!」とか「顔文字が使えたらいいのに……」とかいう気持ちを我慢するのが大変になっている。


 そんなの普通じゃん、何で我慢なんか?……と思われる向きもあるかもしれないが、私も一応モノカキの端くれである。何かを表すときに言葉の連なりを使わず、(笑)とか強調表示とか顔文字とかに頼るのは、何だか自分の言語表現能力の低下のようで気持ち悪いんである。

 というか、もっと露骨に言ってしまうと、私は学校の国語教育で教えられた「原稿用紙の使い方」のような作法から外れることに抵抗を覚える方なのだ。
 だから、「…」(リーダー)を使うときには、教科書に書いてあった通りに2文字分使う。1文字分とか3文字分とか、中途半端な数にはしない。「!」や「?」の後(特に文末)では、一文字分空白をあける。「!!」を使うときには、半角にして、全角一文字分の中に収める。

 もっとも、「…」もこの頃では、どうしてもより長い時間絶句したい時には4文字分使うようになった。また、一続きの文の中で「!」「?」を使う時には、続いているという事が分かるように、後ろに空白は設けない(例・この文章の3段落目の初めの文)。
 今言ったような事の前にも、原稿用紙の作法であっても、パソコンで書くときは無理だと気づいたものは一つ一つ捨ててきた。かぎかっこの中の文が次の行にいったら一字下げするとか、かぎかっこを閉じる時は一マスの中に句点とかっこを入れるなどという事である。


 このように、見方によっては何とも見当違いな努力をしているといえるかもしれない自分だが……自分だって、見当違いであるかもしれない事は分かっている。

 書き言葉であれば、「…」は二文字分という決まりがあってもいい。が、話す口調を再現して書くのであれば、それは話し言葉である。口調の緩急を表すためには、「…」が二つ続こうが三つ続こうが、行の頭から終わりまで続いてようが構わないのかもしれない。「!」や「?」についても同じである。

 それに、今や文章作法を習った頃とは、書いたものを見せる相手も違うし、表現媒体だって違う。書いたものを発表するのはウェブ上で、タグの一つ二つで自由にフォントサイズやカラーを変えられるのだから、それを生かしてより的確に自分の気持ちを伝えられると思ったら、そうすればいいのだ。小学校のときに、コンクールのために原稿用紙に書いた作文ではないのだから。
 考えてみれば、本の形で出版されたものだって、字体の変化や太字にすることで表現に変化をつけることもあるのだから、あまり違いはない。


 ……でも、やっぱり何の変哲もない文字だけで、伝えたい事をできる限り伝えることができる力もあったほうがいいんじゃないかと思ってしまうんである。

 だから、顔文字とか(笑)とかをできるだけ使わず、「……」だけで書こうとしてみるんだけど、ウェブ上だと、それが自分の意図と違うように読まれる恐れもあると思ってしまう。近ごろ特にそう思うのは、オンラインゲームで他プレイヤーに自分の意思を伝える時で、だんだん「……」のみで表現するやり方に自信がなくなってきた。

 ウェブにはウェブに適した表現法があるんじゃないかと思いつつ、やっぱり国語教育的に「正しい」書き方を守ろうとしてしまう……。ま、正直言っちゃうと、そっちの方が頭良さそうに見えるからというのもあるんだけどさ。



 今回は前のお約束どおりランキングの話ではなかったですよ。