金魚のふるさと、大和郡山から、遠路はるばる弥富まで行き、金魚屋巡りをした時のこと。
弥富市周辺にある金魚屋さんを、とにかく片っ端から見ていこうと思って車で走り回っていました。
丸照養魚場を皮切りに、丸富錦鯉センター、鈴木金魚店と回り、カーナビに沿って次の目的地に向かっていたところ、ふと金魚屋の看板が目に入りました。
「あっ、ここにもあるやん」
と思って車を停め、とりあえず看板をパシャリ。
すると、看板のまん前に停まっていたミニバンからかなりこわもてのおじさんが顔を出し
「なんで撮ったのなに」と・・・・。
やばいっと思いましたが、おじさんはさらに続けて
「不動産屋」
と聞いてきました。
「いえ、ただの金魚好きです、すみません」
かなり動揺しながら、なんとか答えました。
「欲しい金魚がいるの」
口調や表情は変わらないままでの立て続けの質問。
もしかしたら本当に不動産屋じゃないか試されてるのかもしれない、そう思って慌てて
「桜錦を探していますっ」
と言うと
「桜錦かぁ、いたっけなぁ、どっから来たの
郡山だめだよぉ、近すぎるもん。
そりゃ、北海道から来たってんなら、なにかお土産持たせてやんないとって思うけどさ、郡山はしょっちゅう来るんだもん。
怒られちゃうよ。
みんな言っちゃうからさぁ」
最初は意味がよくわからなかったんですが、ここのお店は卸しのみの取り扱いで、小売はやっておらず、郡山の金魚屋さんもたくさん買いに来るんだそうです。
だから、こっそり安く売っちゃうと、あとでばれたときにお店の人に怒られるじゃんってことだったみたいです。
「まぁ、いいやっ、おいで」
そういうと、おじさんは車から降りて、店内に入れてくれました。
「写真撮っていいよ、自由に見て
ごっつええ人やんと少々感動しながら、でも、まだドキドキがおさまらないまま、お店を見せていただきました。
実はここ、すごいところなんじゃ・・・・。
そう思いながら、メインの大きな生簀のあるスペースに戻ると、おじさんが近づいてきて
「郡山って言ったら、幸田さん(金魚ランド幸田)に、あとナニワさんかぁ(ナニワ金魚池)」
「はいっ、よくお邪魔してます取引きあるんですか」
「あるよ。だから怒られるんだって。
・・・・えっと、これから社会見学をします。
あっちの生簀は浅いから、冬はこっちを使う。
うちは卸しだから、いろんな種類の金魚が一度にいるわけじゃなくて、同じ種類の金魚がたくさんいる。
うちの商売としては、店にたくさん金魚がいたら困るわけ。
売れてないってことだからね
どんどん入れて、どんどんはけていかなきゃだめなんだよ」
って、最後はお店の案内までしてくれたおじさん。
「株式会社ミワ 」←ここのお店のおじさんでした。
ちなみに、おじさんの名前は三輪守さんで、お店は日本一の出荷量を誇るんだそうです。
こちらのホームページでも紹介されていました→「桜錦道~桜錦愛好会~」
中ほどに顔写真つきで紹介されている方です。
笑っているから優しそうですが、真顔はごっつ怖かったです(笑)
でもね、本当に親切な方でした。
金魚がお好きなんだと思います。
そうじゃなかったら、わざわざ客にもならない男を店の中に入れて、いろいろ説明までしてくれませんよね。
「学校の先生いや、なんか雰囲気がそんな感じだからさぁ。
お金あるんだったらさ、あそこの桜錦、買って帰ったほうがいいよ。
大きいやつね。
小さいのなら幸田さんでも、いつでも手に入るだろうけどさ、あれは一年通してもなかなか手に入らないよ。
まぁ、いい桜錦買って帰ってちょうだい」
そういって見送ってくれたおじさん。
本当にありがとうございました。
金魚がますます好きになりました。
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