1匹のじんべえザメのじんべえさんがおりました。
じんべえさんはとても優しくて泳ぎも上手。
でも思った事を口に出すのが苦手です。
一緒に泳ぎたくて側に行くとみんなその大きな体に怖がって逃げて行きます。
だからいつもじんべえさんは1人ぼっち。
そんなある日、いつものように1人で泳いでいると近くに前から仲良くなりたかったシャチのまこちゃんとイルカのはるちゃん、鮫の凜凜が仲良く泳いでいました。
「俺も一緒に泳ぎたいな…」
でもまた怖がって逃げちゃう。
じんべえさんはそこから離れようと泳ぎ出したその時、シャチのまこちゃんがこちらに寄って来ました。
「ねぇ君、一緒に泳ご?」
じんべえさんはびっくりして振り返りました。
そして恐る恐る聞きました。
「君、俺の事怖くないの?」
まこちゃんは不思議そうな顔をして言いました。
「何故?1人で泳ぐよりみんなで泳いだ方が楽しいでしょ
みんなも待ってるよ」
じんべえさんは涙が出そうになりました。
この日初めての友達、仲間が出来て
じんべえさんは今日の事は忘れないでおこうと
そう思いました。
仲間の元に泳ぎながらまこちゃんが聞きました。
「君名前は?」
じんべえさんは笑顔で言いました。
「宗介だよ」
そこは青い青い綺麗な海。
仲間に巡り会えた宗介は今日も元気に泳いでいます。