今日は俺の誕生日。部活が終わった後、毎年の家族との誕生日会。それはそれで嬉しいんだけど…
一番祝って欲しい相手からは何も言ってもらえなかったのがちょっと寂しい。
「はぁ」
な~んて、ため息が出ちゃう。
はるは、いつもな感じで
「お疲れ様。じゃあまた明日」
って帰っちゃうし。もう誕生日終わっちゃうよ。
そんなブルーな気分でいた時、ふと携帯が鳴った。相手は
「はる?」
はるの事を考えてただけに心臓が音がトクンと跳ねたのを感じた。
俺は冷静に、いつものように声を出す。
「どうしたの、はる?」
はるは、少し沈黙してからボソッと
「ちょっと出れるか?」
俺はまた心臓がトクンと鳴るのを感じながら
「大丈夫だよ。今から行くね」
そう言って玄関を開けた。
「どうしたのはる?何かあった?」
そう問うと、はるはポケットからごそごそと何かを取り出した。
「これ、……た、誕生日…プレゼントだ。」
はるは少し照れくさそうにそっぽ向きながら俺に差し出した。
小さくて可愛いシャチのキーホルダー。
すごく嬉しくて嬉しくて思わず抱きしめてしまった。
「ちょっ、真琴」
離れようともがくはるにさらにギュッと抱きしめて耳元で囁いた。
「ありがと、はる。……好きだよ」