わたしの施設は

在宅復帰を支援する老健ですが

年間10-20人くらい、

看取りも行っています。

 

病院に行っても

回復が見込めない人は

なれた環境で

見送るのも

悪くないな、と思っているので。

施設だと

最期のほうまで

食事もできて

お風呂も入れることが多いですし

聞きなれた職員の声を

聞きながら、もいいかな、と。

イメージは

「おうちで親戚と見送る」。

わたしたちは親戚、のつもり。

 

 

先日も

ひとりお見送りしました。

入所したときから

危うい感じで

何度か入退院した後

ご家族と相談して

施設で最期まで、と決めました。

 

お迎えにきてくださったとき

息子さんが

お母さんの若かりし日の

思い出を教えてくれました。

「母は、

いつも人に気を使う人でした。

介護が必要になって

ヘルパーさんに

家の掃除をしてもらってたんですけど

ヘルパーさんが来る日は疲れるって。

なぜ、と聞くと

ヘルパーさんが来る前に

がんばって掃除するから、というような

母だったんです。

ヘルパーさんも

掃除するところがないって」

 

「ぼくたちにも

いつも気を使ってくれていて

葬式は子供だけでやってね、

残ったものはどこそこに…と

全部早くから整理してくれていて」

 

「妻とも話してたんです。

お母さんは死ぬ日まで

気を使って決めたんだねって。

来週から

ぼくは出張ですし

妻も旅行に行く予定で。

ぼくたちに

迷惑がかからないよう

今日を旅立つ日に

決めたんだと思います」

 

ご家族と

在りし日の思い出を

語りながらお見送りできるとき

悲しいけど

ちょっと嬉しいです。

 

どうぞ

安らかにお眠りくださいね。