譲位の理由と龍脈 | 風紋

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鋼の錬金術師ファンの雑文ブログ



  リンとランファンに愛が偏っています

鋼の錬金術師クロニクルの作者インタビューで、リンのその後を荒川先生は
「皇帝は彼の帰国後間もなく亡くなったようですね。賢者の石を持ち帰った
リンの勇気、逞しさを気に入って生きているうちに位を譲りました。」
と言っていますが(p239)、なんか納得しきれないところがありました。
不老不死を求めたはずなのに、賢者の石を使うよう命令もせず皇帝の座を
降りた理由が『勇気と逞しさ
』って何だよ、と。


でも私の自説のデビネスグリードさんが不老不死を求めた理由のように、
(自分の不老不死のためと言いながら実は仲間の寿命を延ばしたかった。)
皇帝も不老不死という名目で実は違うものを求めていたのでは?と考える
とリンに譲位した理由が説明つくような気がしてきました。



21巻でフー爺様は『シンの王は龍脈を支配し天下を動かす者。王族および
それを守るものは気の流れを読むこと己の掌を見るが如し。』
と言っています。
皇帝は龍脈を読んで天下を動かさねばならないわけです。
龍脈は大地の気の流れるところと理解すればいいと思います。するとこれは
シンの国の国土の風や水の流れや地脈を読んで利用し、人や物資や金の流れ
がうまくまわるよう操る力があることが皇帝の力というわけです。


そこで仮説。
皇帝は病の影響か、龍脈を読めなくなりつつあったので、それを回復させ
るべく『不老不死の法』を求めたと考えればどうでしょう?
龍脈を読めず力を使えなくなるということは、誇り高き皇帝には認め難い
ことだと思います。しかし国を治める力が衰えたなら次の代へと譲らねば
ならない。そう思って皇子皇女たちを見ても誰も自分より龍脈を読めてい
るような者はいないようだ。
これは王家の衰退かこの国そのものの衰えだろうか。シンの国土の龍脈の
流れは死につつあるのでは?どうやって国土の流れを蘇らせればいい?
そう考えて『不老不死の法』を献上せよと言ったのではないでしょうか?
本当に『不老不死の法』で自身が力を取り戻せるならよし、各族の皇子や
皇女が各地で奮闘して国土の流れを蘇らせるかもしれないし、自身を上回る
龍脈を読む力をつけて戻ってくるかもしれない。
そんな考えがあったのでは?


リンが小瓶の賢者の石を持って拝謁したとき、皇帝ははるか西から輝く光
のうねりと共に甦る龍脈を見たのだと私は思います。
国交が絶えていたアメストリスから戻った皇子の賢者の石を得るに至った
逸話とかの国の政変に、皇帝は国の龍脈には他国の影響も関わっていること
を認識したのでしょう。
他族をどうやって出し抜くかに躍起になってる者たちと違い、
「みんなまとめて面倒みてやるよ。」のリンのスタンスこそが次の皇帝に
ふさわしいと思ったから彼に譲位したのだと思います。
リンもそんな孤独な皇帝の真の意図に気づいたならいい。
ていうか、龍脈を読む者同士ならわかりあえるようになっていたはず!



根拠ナッシングですが、こんな理由づけをしてみました。
しかしこの考察、去年暮れに一挙放送で見たNHKBSドラマ『テンペスト』の
ラストシーンや『TIGER&BUNNY』の能力減退虎鉄の影響モロに受けてるw
ハズカシイですなあ。