現役書店員芸人カモシダせぶん(デンドロビーム)の
木曜に、一冊、本の話を
今回はー、芥川賞作家、高瀬隼子の恋愛短編集
新しい恋愛
浮気、歳の差婚、プロポーズへの不信、世間一般では一般的ではない恋愛が出てくる短編集。
非常に良かった。やっぱり高瀬さんの「外れた人」へのアプローチはものすごく上手い。
表題作、設定が乗っかっているんですが、この設定の出し方が非常にさらっとしていて、とてもかっこいい。ドヤ顔してない。そして設定で勝負してるんじゃなくて物語で勝負している。このおかず(設定)おいしいでしょ。じゃなくて設定はふりかけにしてご飯(物語)で勝負してる感じ。たまらなかったです。
『め生える』もそうですけど、特殊設定への向き合い方ピカイチな作家さんだなと思います。
自分が一番好きだったのは「お返し」男性が若い頃のバレンタインを思い出す話。自分もよくバレンタインの日に、バレンタインの夢を見ました。ハタチすぎていつからか見なくなったな……
きっと、どの話も普通は共感されない部分が多いでしょうけど、外れた人間ばかりの芸人界にいる自分としては、よくある話ばかりでした。最初にも書きましたが、外れてる人のことを考えてくれている小説だなと強く感じました。
どの話もオチの一文が秀逸。オススメです。是非。
カモシダせぶん初小説『探偵はパシられる』
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