カモシダせぶんの、日々の文

カモシダせぶんの、日々の文

松竹芸能のピン芸人、カモシダせぶんです。本屋と図書館が好き。そんな僕の、ブログです。僕を、知ってる人がいたら嬉しい。好きな小説家は詠坂雄二。好きな歌手は後藤まりこ。好きなダンは、モロボシダン。

現役書店員芸人カモシダせぶん(デンドロビーム)の


木曜に、一冊、本の話を


今回は、宮部みゆきの長編ミステリ


R.P.G



ドラクエやFFのゲームミステリじゃございません。


本来の意味でのRPG、ロールプレイ(役を演じる)が鍵になってる話です。


殺人事件の被害者の男性は、家族がいながらネット上でお互い知らない人間同士で夫婦息子娘の「家族」を作っていた。取り調べで呼ばれたのは、本当の娘と疑似家族たち。果たして男性を殺したのは……


実は自分がこの小説を最初に読んだのは高校生


演劇部だったんですがその仲間から借りて読みました。


宮部みゆきさんは大のゲーム好きというのは知ってたので


まんまと僕は上記の通りドラクエやFFのゲームミステリだと思って読んじゃって面食らいました。


そして更に当時はそこまでミステリを読めてなく、ネット上の家族設定こそ覚えてましたが、あまり成熟して読めてなかったと思います。


で、実は2/8の高校ビブリオバトルのトークショーで宮部さんとお会いすることになったので、他の作品も読んでますがやはり自分の初宮部作品を再読しようとついさっき読み終えました。


とんっでもなく面白かったです。自分の今までの再読史上一番面白く感じました。もはや初読の自分に対しては殴りたいぐらいの気持ちがあります。


まず構造がミステリとして素晴らしい、何かを演じる。というメインテーマに対して徹底して作られてるのでミステリとしても物語としても凄く上質。


そしてネット上のつながりについてもこんなにも早く本質を突いてるのも驚きですが、ネットやSNSが現れてかなり経ちますが


ネットの出会いにおける、急上昇する温度感と、スパッと切れてしまう安易さを完全に表現してます。今読んでもそこは色褪せてなく、これからはどうか分かりませんが、こんなに長期間人類の中にある芯を食ったことが書けてるのが震えました。


300ページでとても満足がいくミステリ体験。『模倣犯』と『クロス・ファイア』のキャラ出てるのも知らなかったな(読んでなくても全然大丈夫)


あの部員がなぜ僕にこれを貸してくれたのか、今分かります。


「演じる」ということを考えろ。これです。何もわからず読み終わって返してました。バカです。


その部員、最近素晴らしき人生のりょうちゃんの働いてるバーに出没したそうです。謎の繋がり。


とにかく再読できて良かった。宮部さんにお会いできるのスーパー楽しみです。


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木曜に、一冊、本の話を


今回はー、羽鳥良之の長編時代小説


尚、赫赫たれ 立花宗茂残照




メインテーマは「関ヶ原の戦い」時代小説の花形ですよね。


ただ面白いのが舞台が関ヶ原が終わって「数十年後」というところ。


関ヶ原で豊臣側として活躍した老将、立花宗茂の元に、若き三代目将軍家光が来訪し、関ヶ原での家康がどうだったかの話を聞きにくる。


色んなところに気遣いをしながら話す家茂、更に家光の姉とも会うことになり……というお話。


過去の戦を話す語り手を立たす物語なのが時代小説として斬新だったし、今の上司の前で昔の上司の活躍の話をする。これは難しいですよ。


芸人が場所によって、持ってるフリートークの内容を変えていくみたいなむずさだと思いました。


既に平和になりつつある江戸で如何に武将や戦を見せていくか、その浮かび上がらせ方がお見事な長編でした。


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木曜に、一冊、本の話を


今回はー


櫻田智也の長編ミステリ



山中で見つかった遺体。損傷が激しく、身元が不明。


主人公の刑事が調べていく途中で、ある少年と出会う。その少年曰く


あの死体、行方不明になったお父さんかもしれない


果たして死体は一体何者なのか


そして少年の父は……


というお話。2025年のミステリ賞三冠。


渋さの中に無駄のない構成、納得です。僕の中で三冠といえば辻真先さんの『たかが殺人じゃないか』あれを彷彿とする凄みもありました。


根っこにある「家族」というテーマの見せ方も綺麗事じゃなくてとても良かったです。


櫻田さんの虫シリーズも評判めちゃくちゃ良いから読まなくては……


2026年に大分なりましたが、まだ読めてない方、是非とも。


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