鮭節
山伏!!
鮭節(サケブシ)とは:鰹節の技術を応用して、鮭から造られた節。
その味わいはカツオ節よりうま味があり、酸味が少なく後味がさっぱりしているという。
実はこの鮭節、素材を有効利用するための知恵から生まれたらしい。
鮭はご存知の通り、河川で生まれ太平洋で成長し、河川に帰ってきて繁殖を行う。
この河川を登り始める頃、鮭の身体に変化が現れるのだ。
川に入り始めると鮭のオスは両顎の前端が突き出して鈎状に曲がり自分の子孫を残すための戦闘準備に入る。
また、婚姻色と呼ばれる、赤や茶、焦げ茶の斑模様が浮かび上がってくる。
オスは縦方向にまだら、メスは横に太い線が入り全体に黒っぽくなる。
この姿がブナの木肌に似ていることから、ブナサケと呼ばれるようになると言う。
ブナサケになった個体は赤い身から赤身が取れて、しだいに白っぽい身になるらしい。
そもそも、鮭の身が赤いのは海で餌としているオキアミが赤い色素を含んでいるからなんだとか。
この身に蓄えられている色素が体表や卵に引き継がれていきドンドン色が抜かれてしまうらしい。
そうするともちろん味の方も悪くなり、市場価値が下がってしまう。
通常、採卵後のブナザケは、薫製や味噌漬け等で調理されていたがそれは一部で、大半は農業用肥料などに回されていたという。
そこで、何か方法が無いかと研究し、ブナサケを美味しく利用するのが鮭節なのだという。
鰹節は原料魚の脂質含量が低いほうが良質な節ができるらしく、身から脂も抜けたブナサケはぴったりだったのだ。
現代ではこの鮭節から醤油なども作られ始め、様々な有効利用への開発が進んでいるらしい。
今のところ原料自体が安価なので安くていい商品ができているらしいのですが、そのうち高級鮭節などが出てきそうです。
まぁ、まだまだ先でしょうけどね。
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