蘇合香
香りとは不思議なもので不快感を与えたり、人に興味を与えたりします。
ちなみに柑橘類の香りはいい匂いですが、異性に対してのアピールにはならないそうです。
さて、今日はそんな香料の一つ蘇合香についてです。
蘇合香とは:英名Oriental Sweet Gum。別名スチラックス。
ある種の植物から得られる樹脂・香料。
かつて、16世紀まではトルコ原産のエゴノキ科の木から採れる樹脂のことを蘇合香といっていた。
しかし、同じトルコ原産で安価で収穫できるマンサク科の木からほとんど同じような物が得られるとわかり、次第に取って代わられていったという。
さらに現在では、この植物の近縁種でありアメリカ南部原産のマンサク科のアメリカフウから得られるモノも市場に出回っている。
うーん・・・冒頭である種のって言ってた意味がわかりました3つも元になっている植物があったんですなぁ。
しかも、科も違うし・・・
収穫の仕方は到って簡単、樹皮に傷を付けてそこから流れ出てくる樹脂を集める。
樹脂は緑色の液体で、これを有機溶媒で抽出してレジノイドとし、あるいはさらにアルコールで抽出してアブソリュートとして用いる。
また、水蒸気蒸留により精油も得られる。→check
なるほど作り方によって名前が違うんですなぁ。
蘇合香の特徴的な成分としてはスチレンを含有している。
またその他には、ケイ皮酸やそのエステル、シンナミルアルコール、3-フェニル-1-プロパノール、バニリンなどを含有する。
調べてみるとスチレンとはシックハウス症候群の原因物質の一つであるとか、発癌性があるという説が言われているとか・・・
うーん危険です。こんなのを嗅いでも大丈夫なのでしょうか?
さらに、バニリンはバニラの香料成分の一つ。
このかぐわしいバニラの香りの裏には危険が潜んでいるのかも・・・・
しかし、実は蘇合香の別名:スチラックスはどうやらアロマセラピーの中ではバニラに似た甘い香りを持つ精油として一般的で、主な作用として不安や緊張を解消して、気分を楽にしてくれるという。
さらに、香料のほか、気管支炎や疥癬などに対する生薬として使用されたり、去痰、鎮静、鎮痛、利尿、殺菌、消臭などの効果で使われるらしい。
だけど、塗るときは使用上の注意として皮膚に刺激があるので大量に塗ってはいけないという。
・・・うーん・・・なんかやっぱり危ないなコレ・・・
インドの雅楽、唐楽の中に「蘇合香」という曲があるが、
インドのアショーカ王が病に倒れたとき、蘇合草という草から得た薬で回復したのでそれを記念して作ったのだとか。→check
アショーカ王といえば紀元前の伝説の人物!
その人を回復させたとあってはそりゃあ楽も作られますわ・・・
が、気になるのがその内容。
この曲の舞は蘇合草に模した菖蒲のような冠をつけて舞うらしいのだが、今迄で出てきた蘇合香の元になる植物はどれも菖蒲とは全く近縁ではないという。
つまり、エゴノキ科で無く、マンサク科でも無い全く未知の蘇合香だということ!
おおっ!ミステリアス!
やっぱり、こうじゃないといけません。
スチレンが含まれた蘇合香でアショーカ王が癌とかシックハウス症候群になったりしたら洒落になりません。
怪しい名前のものだけに今後も原料が変わっていくことが考えられます。
もしも、流行り始めたら毒性の無いものを使いましょう。
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