梅に鶯 松に文 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


三河黒松


写真は黒松。


可愛いでしょう。
樹高8㎝で、一人前の面構え(枝構え)。
モミジやコナラなどの雑木諸君が紅葉の後、そそくさと店仕舞い、冬備えとなるのですが、松はエライ!

片手に乗る寸法で、冬も形を変えないところが、生意気でもあるのです。


詩に詠まれ、鉢に植えられ、世の中を睨み立つ松は、威風辺りを払って見事ではありますが、古い時代から「結び文」や「付け文」には用いなかったようですね。
そりゃあそうでしょう、愛しい辺りからの文は「梅の枝」が似合ったのですね。

常緑だの常磐木だの言っても、松の枝に結んだ文を読む気にはなれないですからね。
掌にささくれ立つ松の木を気にしつつ、恋文をひらくのは興ざめも甚だしい。


でもね、愚老はこの写真の松を、コイの仲立ちに使おう、と思っているのです。
鉢に差すラベルに「我がコイ心」を書いて、孫のミイちゃんに差し上げたい、と目論んでいるのです。
「請い、枝を折るなかれ」
なあんてね。


駄句5句と愚歌1首。

松風の時雨降りたる年の暮れ
指折りて初松籟を心待ち
黒松の時雨降るとも動じざる
三寸の黒松時雨に対峙すなり
落葉松は冬来る前に散りにけり


松籟を聞きたくもあり茶の作法音は心で聞くものなるか