写真は石垣島民家の石垣。
今回の旅は「八重山諸島巡り」と銘打たれ、石垣島、西表島、由布島、竹富島を回りました。
「山紫水明」、「白砂青松」などの形容が、国内の観光地では次第に使われなくなっていますが、八重山諸島の自然を表すにはもっとも相応しい
言葉だと思ったものです。
拙老は、東京に吹き荒れた「木枯らし1号」と入れ違いに、真夏日の石垣空港に着いたものですから、冬から夏への「瞬間移動」にはやや辛いものがありました。
羽田から沖縄那覇空港の間に季節が逆流したのですね。
那覇空港の随所に洋蘭カトレアが咲いていて、つい見入ってしまいました。
乗り継ぎの那覇空港から石垣空港はさらに南400㎞余と言うことで、石垣空港は夏でありました。
石垣空港から市街地までのあちこちには砂糖黍畑が広がっていて、農地境界には営々と石垣が積みあげられていました。
石垣島に人が住み始めて以来、台風の襲来に備え、異民族の侵攻に耐えるように作られてきたのでしょう。
石垣島鍾乳洞の受付の女性に、
「石垣島にはずいぶん石垣が多いですねえ。だから石垣島と言うのですか?」
さして意味のない思いつきの愚問を発しました。受付の女性は、
「さあ、どうなんでしょうか。今度お出での時までに調べておきます」
大変親切に対応されました。
南の島には緩やかな時間が流れ、人の優しさがありました。
駄句5句と愚歌1首。
砂糖黍広がる果てに積む石垣
砂糖黍照らして沈む夕陽かな
石垣と椰子とデイゴの石垣島
月桃やバナナの葉陰に避暑すなり
*「月桃」=げっとう。サネンバナ。
石垣島屋根のシーサー陽を浴びて
砂糖黍伸び広がれる畑にも間(あい)の石垣営々と積まる