雨風混じり居酒屋の灯に秋時雨 | 牛久の小盆栽 ながちゃんのブログ

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伝統的な盆栽愛好者の姿は、培養歴6年で樹齢150年、200万円の五葉松を出入りの業者に任せる旦那でした。「なんとか盆栽展示会」にその蔵者が得意げ写真におさまる、とか。私は貧乏なので全て実生、挿し木の小盆栽です。


銀杏紅葉

写真は銀杏寄せ植え。添え大文字。

写真の銀杏はこれで7年生です。
酒のつまみに、乙な味の銀杏を買い求めたものです。
何事があったものか、八百屋の親爺は上機嫌で1袋100円也の銀杏をおまけにもう2袋つけてくれました。
1袋に20個ほどの銀杏が入れてあるので、都合60個の「珍味」でありました。

「珍味」も過ぎては毒。
毎晩少しずつ炒って食べんものと、取り敢えず1袋を封筒に入れて「レンジでチン」

ところで、「レンジでチン」なる表現は嫌な言葉ですね。
「廉事で塵」の語感がつきまといます。

いやあ、如何に食に卑しい愚老とて、銀杏20個は多いですな。
炒った銀杏が冷めたら堅くなり、ニオイも復活するようで、急いで食べたのです。
20個も食べたら、もはや「珍味」どころじゃあ~りませんぜ。

残りの銀杏を他日に食べよう、なあんて浅はかな思案は取りやめて、40個は庭に撒いたのです。
以来すっかり銀杏のことは忘れていました。
生あるものは尊し、翌春に一斉に芽生えてきたのであります、
庭植えのままポチの掘り返す様を座視するのは不憫、急いで鉢に植えかえたのです。

と、ここまでは常識の範囲なのですが、三味線のバチ似の銀杏だけが佇立する光景は宜しからず。
樹間に大文字草を賑やかに3種類添え、ツルの点景を5羽並べたのです。

それより幾星霜、大文字草は年々小文字、ツルは飛び立ち残りは2羽。
孫のミイちゃんなどは「鳩ポッポ」と指差し称呼しておられます。
ハトならまだ我慢も致しますが、「サギ」だと言う孫もいて、愚弄を詐欺師扱い。
「♪芽が出てふくらんで、花は咲かねどジャンケンポイ」

駄句7句と愚歌1首。

起き抜けに一枚重ぬ秋時雨
衣替へ忘れしままに秋時雨
雨風混じり居酒屋の灯に秋時雨
秋霖の止み間もなくて火鉢に火
秋霖や御嶽山を避けて降れ
竹竿で叩いて落とす銀杏の実
銀杏黄葉(いちょうもみじ)小雨続きに散り初むる

外苑の銀杏並木に降る雨の秋霖と名付きて止む気配なし