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貴女(キミ)は綺麗だ!

小説を読み始めて半ページもいかないうちにふと今日の貴女(キミ)の仕草を思い出してる。

何気にバッグから取り出したリップカラーをスポンジの先で唇に2、3度置いた。

少し濃いめの落ち着いたピンクが小さな唇に似合っていて鏡も見ないなれた仕草に見とれてた。


貴女(キミ)は今日も綺麗だ!


今朝の浅い夢から目が覚めて明けやらぬうす暗がりに貴女(キミ)の顔をぼんやりと思い浮かべた。

それはいやにくっきりとした輪郭を持っていて、「これなら貴女(キミ)の顔を描けると

思ったほどだった。

もう一度目をつむり貴女(キミ)の夢を見ようとしたけどダメだった。


「みんな可愛い声なのよ、音の高さとか有るからね。私はこれ以上高くは出せないから」

「この間みたいに出せばいいじゃない」

「あそこまで出したら、アニメ声じゃないの」


でも、僕は今の貴女(キミ)の声が好きだよ


貴女(キミ)と別れた後、

衝動的に好きだって言いたくなった。

でも今日僕は

貴女(キミ)に「綺麗だ!」とも「好きなんだ!」とも言えずに時をやり過ごす。

明日死んでいるかもしれないのに・・・。

貴女(キミ)の本当の気持ち

貴女(キミ)の本当の笑顔は

愛する彼の為に取ってあって

決して誰にも見せたことのない

とっておきなヤツだ

相変わらずの僕はそんな事も知らずに

貴女(キミ)が微笑む度に

嬉しくなる

他愛のない昨日の出来事を話す貴女(キミ)

バケットを1本丸ごと食べちゃった貴女(キミ)

僕はてっきりダイエットで拒食症だと思ってた


貴女(キミ)の本当の涙は

愛する彼の為に流すもので

決して誰にも見せたことのない

とっておきなヤツだ

相変わらずの僕はそんな事も知らずに

貴女(キミ)が悲しむ度に

苦しくなる

他愛の無い差し障りのない事しか話さない

他人の悪口なんて全く言わない貴女(キミ)

僕はてっきり噂話が大好きだと思ってた


貴女(キミ)の本当の気持ちは

愛する彼の為に開かれていて

決して誰にも見せたことのない

とっておきなヤツだ

相変わらずの僕はそんな事も知らずに

貴女(キミ)の優しさに

癒される

他愛の無い優しさに触れる度心が震え

何気無い言葉に含まれるいたわりの気持ち

僕はてっきり思いつくまま喋ってると思ってた

日曜日の朝

エリック・クラプトン「Sensitive kind」のバラードを聴きながら
気温4°Cの朝
青空に一筋の飛行機雲が消えかけながら 流れてる
窓越しに見ながら
僕は貴女(キミ)のことを考えている
風が吹いて切れ切れになってゆく飛行機雲が
僕の貴女(キミ)への想いのように

僕は貴女(キミ)に何を求めているのだろう?

さつき寝袋に潜り込んで「多分ひとりで死ぬのだろう」と漠然と、でも確信的に想像した
その時、側に貴女(キミ)が居てくれたらなんて、
虫が良すぎる話だ。

僕の想いは既に消えてしまった飛行機雲のように霧散する。

貴女(キミ)の手さえ握れない
貴女(キミ)の唇さえ触れれない

貴女(キミ)の声が聞きたい
貴女(キミ)の微笑んだ顔が見たい

そんなささやかな思いさえ叶わない日曜日の朝

貴女(キミ)はまだベッドの中で彼の腕を枕に寝息をたてている

曲は「Crying Eyes」に変わって
それでも僕は貴女(キミ)を想ってる。

空を見上げると また一筋 飛行機雲が軌跡を残してた
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