先日、知財部長が弊所を訪問される、というエッセイを書きました。その続きです。
その知財部長は今年から知財部長に就任された方です。
直接お会いするのは初めてです。
さて、新任の知財部長の弊所の訪問は、予想通り弊所にとって嫌な話をしに来たのです。
幸いコストダウン(値下げ)の要請ではありませんでしたが、ちょっと違和感のある方針転換の話でした。もちろん、詳細を書くわけにはいきませんので、そこは省略させていただきます。
新たな方針がその企業のためになるのか、疑問があるものでした。
なぜそんな疑わしいスキームを強引に進めようとするのか、違和感があります。
知財部長から新たなスキームについて説明を受けた後、ご意見を伺いたい、とのことでした。
なので、私の感じた違和感とその新スキームが御社の利益になるのか疑問がある、という意見を言いました。そして、御社の現場の方々のご意見はどうなのですか、と質問しました。
知財部長は、あまりはっきりしたことを言わずに、口ごもりながらごにょごにょしていました。やはり、なにか妙だな、と私は感じました。
知財部長は私が釈然としない顔をしていることを感じとったようです。そして、意を決したようにキッパリと、
「この新たなスキームは上からの指示なので」、と。
あっ、それ言っちゃうんだ。この言葉は会議室の空気を支配し一変させます。
ああ、この新たなスキームは知財部の現場から支持されていないし、もしかしたら知財部長個人としても納得していないのかもしれません。でも、上層部からの指示なので現場の支持がなくてもやるしかない、ということなのでしょう。
さすがにこれでは意見を言っても仕方がないので私も方針を改め、そういう方針であるなら新たなスキームの中で我々としてはベストを尽くすようにします、とお答えするだけです。そのスキームを前提とするなら、弊所の方で出来そうな方策の提案もしました。
しかし、上からの命令だから、という理由を口にしてしまうのは、いかがなものですかね。
一見、自分も納得していないので現場の君たちと気持ちは同じだ、のような雰囲気を出しつつも、上(上層部)からの指示だからといって無理やり実行させるのでは現場の支持が得られないのは当たり前でしょう。
下手したら部下からは無能上司の烙印を押されます。知財部長ならば、現場の意見も聴きながら、上層部を説得するなりして、より良いスキームとなるように議論して決定するべきではないか。それをせずに、上からの指示だから、とかで済ませるとは何事か!
「上からの指示なので」という言葉は、便利な免罪符であると同時に、現場を白けさせる最強の呪文でもあるのです。
新任の知財部長の今後が心配です。
知財部長から示された新たなスキームは、コストダウンではないものの弊所の負担が大きくなるものです。そして、その企業の知財部員の現場の方々の負担も大きくなるものです。しかも、その効果は疑わしい。
さて、知財部長から示された負担が増える新スキームを、弊所のメンバーにどう伝えたものでしょうか。
色々と迷いましたが、やはり、こう伝えるしかありません。
クライアントからの指示なので、、、
どうするのが良かったんでしょうね。
誰か教えてください。
私の今後が心配です。
ちなみに、この企業からは毎年9桁円レベルの売り上げをいただいております。
神山ユキ
2025.9.28
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