ビバ!歌謡曲です。

今回は



「五番街のマリーへ」



です。





作曲:都倉俊一  作詞:阿久悠  歌唱:ペトロ&カプリシャス







さて、ペトロ&カプリシャスと言えば70年代高橋真梨子が在籍したグ

ループとしても有名です。当時は割りとお洒落なグループだったので、

位置付けとしては、フォーク・ニューミュージック系に属すると考える

方もいらっしゃるかも知れませんが、さにあらず。

作曲都倉俊一、作詞阿久悠と来れば、これはもうれっきとした歌謡曲

と言えるでしょう。何しろピンクレディーを創り上げたコンビですから。


さて、このペトロ&カプリシャスのヒット曲と言えば、やはり「ジョニィへ

の伝言」とこの「五番街のマリーへ」ということになるでしょう。他にも

ありますけど、正直それほど大した曲はありませんねぇ。


この2曲のヒット曲に共通して言えること、それは「リスナー巻き込み

型」の歌詞であるということです。

「ジョニィへの伝言」はタイトルからしてそうですが、街を去っていく女

がジョニィへの伝言を頼むという歌詞。誰に頼むかと言えば、それは

貴方、この曲を聴いている貴方に頼むのです。


「ジョニィが来たなら伝えてよ 二時間待ってたと 割と元気よく出て行

ったよと お酒のついでに話してよ 友達なら そこのところ うまく伝え

て」


何と貴方はジョニィの友達なのです。彼女とジョニィがどういう関係か

細かくはこの歌からは分かりませんが、何かの事情で彼女はこの街

を去るのです。二時間待っていたが、ジョニィは来ない。仕方ないか

ら、友達の貴方に上手く伝えてくれ、心配しないでと、そんなところで

すね。


何とも凄い歌詞の構成じゃないですか。さすがは阿久悠。

聴いている人を歌の世界の登場人物に仕立て上げるという他に類を

見ないリスナー参加型というジャンルです。


そして「五番街のマリーへ」

こちらはその第2弾です。「ジョニィへの伝言」が好評だったからか、

この曲も同様にリスナーが巻き込まれます。

「五番街へ行ったなら マリーの家へ行き どんな暮らししているの

か 見て来て欲しい」


はい、今回も貴方は頼まれごとをされてしまいます。

貴方は五番街まで出向いて、マリーの家を探さなければならないの

です。五番街は古い街なので昔からの人が住んでいるから、そういう

人たちに聞いて、マリーを探して欲しいということなんですね。


この歌ではちょこっとだけ事情が明かされます。

「マリーという娘と 遠い昔に暮らし 悲しい思いをさせた それだけが

気がかり」

はい、昔の女なんですね、マリーは。

その彼女が今幸せなら、家には寄らないで欲しい。五番街は近いけれ

ど、とても遠いところなんだ、そんな気持ちを察して、悪いけれど行っ

て来てくれ、と、まぁ、そんな頼みごとを浪々と歌われるわけです。


この歌詞、もう職人芸ですよね。上手すぎる。

「ジョニィへの伝言」「五番街のマリーへ」、どちらも名曲ですけれど、

私が「五番街のマリーへ」の方を取り上げたのは、単純にこちらのメロ

ディの方が好きだというだけの理由です。シンプルで童謡のようなメロ

ディが美しいバラッドです。

両方とも魅力的なメロディですから、人によって分かれるところでしょう。

これまたさすが都倉俊一といったところでしょうか。


ちなみにこの曲のタイトルは「五番街のマリーへ」です。「へ」が付きま

す、最後にね。

「五番街のマリー」ではありませんので、お気をつけ下さい。













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「ビバ!歌謡曲」の3回目です。




今回は「裸のビーナス」





作曲:筒美京平 作詞:岩谷時子 歌唱:郷ひろみ








デビューしてからしばらくの間の郷ひろみというのは、類稀なるシン

ガーだと思っています。誰でもご存知の通り、彼の声はちょっと変わ

っています。その上、その頃の彼は男っぽさのない、中性的な魅力

の少年であり、その風貌に似つかわしい様な歌い方をしていました。

要は「なよなよした歌い方」だったということです。

そのため、あの変わった声がより際立っており、ちょっと二人といない

魅力的なシンガーだったと考えています。


しかし、デビューしてどれくらい経ったころからでしょう、彼もやはり男

の子から男に変わります。彼自身も「なよなよした歌い方」なんて嫌

だと思ったでしょう。その頃から彼は正に男性シンガーとなるのです。

まぁ、アイドルから大人の歌手へという段階よりは一歩手前でしょうけ

ど、そういう変貌を遂げます。

そして、彼は普通の歌手になってしまった。今だにその声はちょっと

変わっているけれども、それほど魅力的なシンガーではなくなってし

まった、そう感じています。


デビュー曲「男の子女の子」から「誘われてフラメンコ」あたりが全盛、

その後「なよなよ」と「普通」の混ざり合った時期を経て、「あなたがい

から僕がいた」の頃にはすっかり普通の歌手になっていました。


その全盛期の彼のシングルはどれも素晴らしい。

私は敢えてその中から「裸のビーナス」を選びましたが、名曲は多い。

「花とみつばち」「花のように鳥のように」「君は特別」「小さな経験」な

どなど。その頃の作品群の中でベストを選べと言われればかなり票

が割れるところでしょう。世間的には「よろしく哀愁」の人気が高いか

も知れません。

しかし、私はコレ!「裸のビーナス」を推します。

「よろしく哀愁」は名曲ですけど、郷ひろみの歌唱としては割合と「な

よなよ感」が薄く、ちょっと普通に近いのです。それでは不満。


初期の郷ひろみのシングル曲は外国曲のカバーを除けば全て筒美

京平作品です。これは私の好みなんですが、この「裸のビーナス」は

最後歌が終わってエンディングのところでイントロに戻るんですね、こ

いう構成が好きなんだな、私は。自分の曲でもそういうのが多いから。

また、正直詞の方は何でもいいんです。岩谷さんごめんなさい。


これは、郷ひろみというシンガーのほんの一時期にしか存在しなかっ

たこの世で唯一と言ってもいいほどの魅力を堪能する曲です。

もう彼自身ですらこの魅力を出すことは出来ないし、仮に今これをコ

ンサートで歌っても普通にしか歌えません。まぁ、あの年でなよなよ

歌ってたら気持ち悪いし(笑)。


だからこそ、CDでこれを聴く意味はもの凄く大きい。

是非、皆さんに楽しんでもらいたい。

今は廃盤になっていますけど、昔4枚組みのシングルコレクションが

ありました。それを古レコード屋とかで入手するのがお勧めです。

それなら、大人になってからの彼も楽しめるし、全盛期の彼、すなわ

ちデビュー直後の彼も満喫出来ます。












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ビバ!歌謡曲の2回目です。

今日は




「古い日記」




です。




作曲:馬飼野康二 作詞:安井かずみ 歌唱:和田アキ子







この歌はとても有名でしょう。

しかし、意外とこの「古い日記」というタイトルと歌の中身が一致しない

人も多いのではないだろうか?


以前、私がレコーディングのためスタジオにいると、そのエンジニアと

いうか、私のプロデュースをしている人のところへ電話がかかってき

ました。そのスタジオの側には音楽学校があって、そこの生徒もよく

そのスタジオを利用しているのだ。その音楽学校からの電話だった。


そこの生徒さんが和田アキ子の「あの頃は~ ハッ! 二人とも~」

っていう歌を歌いたがっているんだが、タイトルを知らないか?という

内容だったのだ。

そう、その生徒さんは、その歌を歌いたかったのだが、タイトルを知ら

ない。音楽学校の先生もタイトルを知らない。そして電話を受けたその

プロデューサーの方もタイトルを知らなかった。私が、それは「古い日

記」だよと言って問題は解決しました(笑)。


この歌の歌詞一番はこうです


あの頃は 二人とも 何故かしら 世間には

すねたよな暮らし方 恋の小さなアパートで


このように歌詞を書くと、多くの人がメロディを追えると思うのですが、

何故かタイトル「古い日記」というのが出てこない。

これは恐らく曲の歌詞の中に「古い日記」という言葉が出て来ないから

なんだと思います。

一番の歌詞からも分かると思いますが、この歌の主人公は「あの頃」

を思い出しているのです。全体的には、「あの頃はちょっとはぐれた

生活をしていたし、愛とかよく分からなかったけど、今よりも自由で

純粋だった」と主人公が昔を懐古する内容になっています。

ひょっとすると、引越しでもしていて、偶然「古い日記」を見つけて、当

時を振り返っているのかも知れません。


あの頃は 二人とも 他人など 信じない

自分たちだけだった あとはどうでも構わない


あの頃は 二人とも 先のこと 考える

暇なんてなかったし 愛も大事にしなかった


あの頃は 二人とも 雨の日は雨に濡れ

今よりも さりげなく 恋と自由に生きていた


まぁ、こういう歌詞が続々と出てくるわけですね。

しかし、何ともかっこいい歌詞ではないですか。そして、その歌のタイト

ルを「あの頃は」とかにせず、「古い日記」とするところが、天才「ずず」

ですねぇ。だから、この歌のタイトルはちゃんと覚えましょう(笑)。


で、この歌、メロディにもパンチがあるし、和田アキ子の歌唱も素晴らし

く、私個人としては、名作と言われる「あの鐘を鳴らすのはあなた」より

高く評価しています。残念ながら、紅白とかでは「あの鐘~」ばかり歌わ

れてしまって、あまり見向きもされません。この曲はアレンジをもう少し

今風に、というか、今の楽器でやれば相当ハードな曲になると思うのだ

が。


ちなみに、どこぞのお笑い芸人の物真似の印象から、

「あの頃は ハッ!」って思っている人がいるかも知れませんけど、

「あの頃は」のあとに「ハッ!」は入りません。ヨロシク。












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