7月26日にかつて日本を占領下に置いたGHQの対敵情報部(CIS)に所属し、最後は自殺したカナダ人外交官、ハーバート・ノーマンは、英国機密情報部(MIー5)が内部文書で、「共産主義者であると
断定していた」という内容を産経新聞が掲載しました。しかし、実はGHQ内部の「共産主義者」はノーマンだけではなく、戦前までの米国「日本人洗脳工作機関」であったOSSという組織を通じて人脈がつながった「ニューディーラー」たちと協力して、日本の戦後憲法、政治、労働、農業、警察、映画文化、外交など日本独自のシステムと日本人の思想を無理矢理に変えてしまいました。
 例えば、当時「共産主義者」と見られていた人物には、徳田球一や志賀義雄ら戦後の日本共産党幹部を府中刑務所から釈放したジョン・エマーソンや、初代外交局長を務めたジョージ・アチソン、労...働法を作った民政局労働課のカルピンスキー、農業政策を担ったグラジェダンチェフなど、ゴロゴロ存在していました。彼らは自らの思想をアンダーカバー(偽装)して日本へ入国していたため、なかなか尻尾を出しませんでしたが、米国の「レッドパージ」以降、「犯罪者扱い」されて本国にすら帰国できない「共産主義者」がたくさんいたのです。このあたりは、ロシアが秘蔵している日本占領関係文書を公開すれば確実に判明します。特にハーバート・ノーマンは、民政局のチャールズ・ケーディスと仲が良く、日本の戦後憲法草案作成にも大きな影響を与えていた事実は有名でしたが、これは国際共産主義者(コミンテルン)とニューディーラーの両者が、タッグを組んで日本の政策に影響を与えたという明確な証拠です。
 現在でも、日本共産党が「反米主義」でありながら、GHQの作った「戦後憲法を守れ」、つまり「護憲政党である」などと矛盾することを言っているのは、明らかにこのノーマンやエマーソンらの影響を受けています。実は、今回の私の本を出させないように躍起になっていた編集者も、元共産主義者で、。彼らはいまだにGHQの共産主義者や社会主義者に重大な恩義を感じているのですね。

 彼らの思想は、戦後日本に「戦後民主主義」として注入されましたが、これはいま振り返って見れば、単なる「左翼思想」でした。それを戦後の日本人たちは「進歩的な思想」として覚えてしまったのです。
 これから現代史の教科書には、「日本共産党はノーマンやエマーソンらが作り、憲法と社民党など戦後の役に立たない政治システムは、ケーディスが作った」とハッキリと書いてもらいたいものです。