いまでも、「GHQの遺産」と言えるものがたくさんあります。例えば、日本人の赤ちゃんが必ず病院で生まれること、そして約80%の母親と自分の子供が生まれてしばらく離れ離れになる「母子別室制」などは、1947年にGHQが日本の厚生省(当時)に導入させたものなのです。 この制度の始まるきっかけは、GHQが占領当時に「日本人の母親は汚い」と思いこんでいたことにあります。果たして「母親(父親もそうですが)と子供の絆が切れかかっている」といわれるいま、日本人の母親と子供が生まれてすぐに離れることは、正しい行為なのでしょうか?
他にも、日本では手話が長い間、使われなかったことがその典型例です。当時、GHQは、口の不自由な障害者の方に対して、自らの米国でやっていた「口話法」を日本人に教え込みました。戦後の日本には手話がなくなったという事実は、当時の大蔵省で厚生労働省を担当していた相沢英之さん(95歳)が、「GHQが導入したものである」と私に対して証言しています。日本には明治時代から手話がさかんでしたが、その後GHQが無理矢理に「口話法」を強制したために、戦後の日本では手話が使われなくなりました。国連のユニセフなどで、世界的に手話が認められ始めたのは2000年が近くなってからのことでした。結局、GHQの押しつけた制度は明らかに間違っていたのです。
 結論から言えば、こういうGHQの間違いはいまの日本にも数多く残っています。今回の「GHQの日本洗脳」には、こういう具体的なケースをたくさん実証し、書き込みました。そこでわかった日本人と日本社会の最大の問題とは、「GHQが戦後持ち込んだあらゆる制度は良かった」という”思いこみ”がなされたことでした。しかし、それは戦後の日本人の仕掛けられた”思いこみ”にしか過ぎません。「仕掛けられた」というのは、「戦前の日本は悪かった」というマインドコントロールの手法が使われているからです。その証拠に、科学的、歴史的に言っても日本には、戦前の制度にも、世界に先駆けて進歩的で優れた学問や制度がたくさんありました。
 例えば、栄養学。自然から採れるコメと魚を中心に食べる栄養学は、日本で発祥し、米国の栄養学よりはるかに進んでいました。現在の学校給食は「GHQが始めたもの」と考えている人もいるようですが、そうではありません。これは大正時代に佐伯矩(ただす)という日本人栄養学者が始めました。日本人「家」と「家族」が共に国や地域を支え合う制度は、悪いものではありませんでした。その証拠に、東日本大震災以降には、「家」と「家」との「絆」が求められています。
 ただの一度の戦争に負けただけで、「戦前の日本と日本人は悪かったに違いない」ーそう考える日本人は、「GHQの奴隷」になっている証拠です。日本人よ、もう一度、自らの誇りと自立心を取り戻そう。
 そのためにも、GHQによる戦後制度をもう一度自らの目と心によって、一刻も早く見直さなければなりません。