下のグラフは、平安時代から22世紀までの日本の人口推移を表すグラフです。
 見にくいかもしれませんが、平安時代に800万人、江戸時代から明治維新(1868年)にかけて3000万人、そこから140年で一気に約4倍の1.2億人となり、今後100年でジェットコースターのように人口減少することが見込まれます。

 坂本竜馬が活躍したあの頃から高度成長期まで、人口が急増するなかで、日本の社会保障制度は組み立てられてきました。前提は「人口増(激増)」。2012年の今は、既にジェットコースターの下り始めに位置しています。人口増という前提は完全に終わりました。

 先日、週末の座談会にて「自分が積み立てた分を貰う年金だから、高齢者の増減は関係ないのではないか」というコメントを頂きました。そう、そうであったら、どんなに良かったかと思います。

 日本の年金制度は、賦課方式と言って、世代を超えて負担しあう仕組みになっています。現役世代が納める保険料が、その時々の年金の原資になるわけです。現役世代が急増したこの100年程はより少ない負担で済むのでこれでOKでした。でも…、このままで立ち行かなくなるのは、グラフが示すとおりです。

 人口増という前提が崩れることは今わかった話ではありません。20年も前から言われてきたことを直視してこなかった政治の責任です。だからこそ、今、私はこの問題から目を背けてはならないと言い続けています。

 解決策は、「早めに」「広く」「皆んなで」備え始めること。消費税の議論はそこから発生しています。

 『まずやるべきこと』、定数削減・人件費削減の先行を昨年12月から主張し続けていることはこれまでも書かせて頂いているとおりです。景気動向や生活必需品への配慮はもちろん必要です。

 その上で、これ以上問題を先送りすることなく、山登りの道への一歩を早く踏み出すことが、今を生きる一人の大人として、国家の意思決定を担う一員としての義務と考えているところです。

 この議論、どうしても「暗い」感じがしてしまいます。だからこそ、ワクワクするような夢や希望を同時に語りたいと思っており、新エネルギーや観光政策、子育てや地域づくりを私は意識的に議論しています。

 こうした議論に賛意を得にくい原因が現在の政治状況にあることを自覚しています。しかし、ジェットコースターのグラフを思い浮かべれば、躊躇している余裕はなく、スピード重視で走り続ける以外ありません。一歩でも二歩でも「前進」を感じて頂けるよう、スピードを上げられるよう、兎にも角にも走り続けていきます。

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