歯医者さんの豆知識:インフルエンザと歯科! | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

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2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

☆インフルエンザの予防策☆

 十分な睡眠、無理をしない(免疫力の向上)

 人の多いところにいかない(感染の機会を減らす)

 嗽、手洗いの励行(ウイルスを体内に持ち込まない)

 感染の機会が高い場所での、マスクの着用

 ワクチン接種

 歯磨きもインフルエンザ予防の有効な手段になります。

 

☆口の中の細菌はインフルエンザウイルスと仲良し!!

インフルエンザウイルスは大腸菌やブドウ球菌の1/10、僅か1/10000mmの大きさです。標的となる細胞にくっつき、侵入します。細胞に入り込んだインフルエンザウイルスは、細胞のエネルギーやタンパク質を作る働きを利用して仲間を増やしていきます。また、その過程で細胞を破壊します。一般的にはウイルスは鼻から喉にかけての粘膜の細胞にくっつき、体内に侵入する事が多いですが、粘膜はタンパク質で覆われているため、インフルエンザウイルスはなかなかくっつくことはできませんが口の中の細菌はプロテアーゼ、ノイラミニダーゼという酵素をつくります。プロテアーゼ、ノイラミニダーゼは粘膜を覆っているタンパク質を破壊してインフルエンザウイルスが細胞にくっつき、侵入するのを手助けします。また、細菌が出す毒素は炎症をおこし、感染を拡大させます。なので、口の中が汚れて細菌が繁殖すると、インフルエンザウイルスにとって格好の環境となります。


口内の細菌がインフルエンザウイルスを手助け


 

☆歯磨きでインフルエンザ予防☆

2009年に発生した新型インフルエンザが猛威を振るった事は記憶に新しいと思います。そのような中、歯磨きでインフルエンザ予防ができることが、テレビ番組など多くのマスメディアで度々報道され、話題となりましたが覚えていらっしゃいますか?あの時と同様に毎日の歯磨きをしっかりおこない、歯科医院での歯周病や虫歯の治療、歯のクリーニング(PMTC)などを行うことで口の中の細菌を減らすと、プロテアーゼの量が減り、インフルエンザの発症も抑えられるとされています。


インフルエンザウイルス

 

近年、口の中をきれいにすることでインフルエンザを予防する取り組みは、病院、介護施設、学校などで広まってきており、その一例として区立小学校で洗面台を増設、歯磨きを促進する運動をおこなったところ、インフルエンザによる学級閉鎖は半分近くまで減少したとの発表されています。

歯の清掃でインフルエンザを予防(産経新聞)

 

インフルエンザ予防効果の一例※1

東京歯科大学の研究者らが東京都府中市の介護施設において、入居者に対して通常の歯磨きだけでなく、歯科衛生士が週1回、歯の清掃(口腔ケア、歯のクリーニング)を実施したところ、歯磨きだけの入居者に比べるとインフルエンザの発症率が87%も減少、風邪の発症率も24%も減少しました。

 

☆予防に効果的な歯磨きのポイント☆

歯磨きがインフルエンザの予防に効果があることは、様々な報告でも明らかですよね。さらにその効果を高めるための、歯磨きのポイントをご紹介します。

 

① 舌も磨き : 歯磨きをする際は、舌の上にも多くの細菌がいるため、忘れずに一緒に磨きましょう。ただし、舌の粘膜はブラシでこすると傷ついてしまうため、必ずヘラのような専用の器具を使って磨きましょう。

 

② 朝起きてすぐ磨く : 朝の口内は、夜に繁殖した細菌でいっぱい。そのまま食事をすると、細菌やタンパク分解酵素の大部分を飲み込むことになり、ウィルスを体内に取り込みやすくしてしまいます。そのためインフルエンザの予防には、朝食前に歯磨きをするか、うがいだけでもして菌を外に出すように意識しましょう。

 

普段何気なくやっている歯磨きも、ちょっと意識するだけでインフルエンザの予防につながります。インフルエンザは発症すると命に関わることもあるので、うがい手洗いはもちろん、歯磨きもプラスしてインフルエンザを予防しましょう!