歯医者さんの豆知識:ブラキシズム(はぎしり)について考える! | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

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2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

私達を取り囲む社会環境は非常に複雑になっており現代社会はストレス社会と呼ばれるほどです。。。このような環境の中、人は気がつかないうちにストレスを蓄積させます。そういったストレスが蓄積すると人間は、無意識的にそれを発散しようとし、その発散行動のひとつがブラキシズム(はぎしり)です。ブラキシズム(はぎしり)を行う人は年々増加傾向を示しており、その治療の一つとしてナイトガードの需要も増加しています。

 

 

<<ブラキシズムとは>>

一般的に人の上下歯の接触は、咀嚼時,嚥下時,無意識時などが考えられていますが、このうち昼間、夜間の無意識時の上下の歯の接触をブラキシズムと呼び、原因が明確でない部分も多いが、睡眠やストレスが起因していると言われています。

 

 

<<ブラキシズムのメカ二ズム>>

睡眠が起因している場合 : 睡眠時の脳波にはレム期とノンレム期がありノンレム期はさらにステージIIVに分類されブラキシズムは浅い睡眠であるステージIIIおよびレム期に多いとされています。ブラキシズムの発現時には、それに先立って数分前に交感神経の活性化が見られ副交感神経の抑制、脳波の上昇、心拍数の上昇といった一連の反応の後に開口筋の活動が起こり次いで閉口筋の活動が発現するという報告もあり、その発現機序に関しては不明な点も多いです。

 

ストレスが起因している場合 : もうひとつのブラキシズムの原因として精神的なストレスが関係しているという報告が多くブラキシズムがストレス発散する役割を果たし、慢性的にブラキシズムを行っている患者は精神的ストレスを意識下で消化することが出来ないという問題を抱え咀嚼器官をストレスの調節弁として使用していると考えられています。

 

<<ブラキシズムの治療>>

ブラキシズムは、人間が生存するためのきわめて重要な機能であり多くの人に高頻度に認められ顎関節症や歯の咬耗,破折など顎口腔系へ大きな影響があるとされる。しかし診断や治療法においては確立されておらず現在のところブラキシズムの治療は過大な咬合力負担から顎口腔系を保護するためのナイトガードによる対症療法が一般的でナイトガードを作製するにあたり重要なのが咬合挙上量であるが覚醒時の安静空隙量でレジンの強度が最低限確保出来る臼歯部で1.0mm 前後が良いという報告や咬合挙上量が安静空隙よりも大きい方が良いといわれているが明確な指標がないのが現状です。さらに人は睡眠中持続的に開口している時間が長く安静空隙の2.0~3.0mm 以上垂直的に開口している時間が睡眠時間の殆どをしめるという報告もありこの時、ブラキシズムの回数が多いほど開口量が小さい傾向にあると言われ睡眠中の垂直的顎位つまりナイトガードの厚みは、ブラキシズムの頻度により使い分ける必要があります。

 

ナイトガードについて : ナイトガードの目的として歯質の保護、修復物の保護、歯周病による動揺の保護などが挙げられ種類にはハードタイプとソフトタイプがあり、その使い分けは様々でソフトタイプは違和感が少なく筋活動が増強される、ハードタイプは耐久性がよく歯や修復物への負担が軽減できる。

 

※ ナイトガードによる治療はあくまで対症療法であるのでナイトガードを使用しているからと安心せず、本来の原因をしっかりと検査し根本的な部分へのアプローチも重要となりますので不安な方はしっかりと歯科医院で御相談してみてください。