☆★☆ 唾液が少ないことで起こるリスク☆★☆
<虫歯が増える>
唾液が少なくなると急に虫歯が増えることがあります。唾液には虫歯菌が出した、歯を溶かす酸を中和させたり、酸で溶かされた歯を再生させる力があります。唾液が減ると歯はより溶かされ、再生もできないため虫歯が増えてしまいます。
<着色が付く>
唾液が減ると歯に着色が付きやすくなります。汚れは乾いてしまうと、こびり付いて落としにくくなります。唾液が減ることによってお口の中が乾燥しやすくなり、汚れが歯についたまま、歯ブラシでは落とすことができなくなり着色が増えます。
<口臭が出る>
口の中には多くの細菌が住み着いて、細菌が発酵すると口臭が強くなります。唾液には細菌を洗い流す作用があります。唾液が少なくなると細菌を洗い流す力がなくなり、細菌が増殖し、発酵して口臭が強くなります。
<歯周病になる>
唾液の中には殺菌作用のあるリゾチームという成分が含まれています。唾液が少なくなると歯周病菌に抵抗する力が低下するため歯周病になりやすくなります。
<口内炎ができやすくなる>
口の中には固い歯と柔らかい舌や歯茎、頬などがあります。唾液は潤滑剤として働き、固い歯が舌などを傷つけないようにしています。唾液が少なくなると滑りが悪くなり舌などに口内炎ができやすくなります。
<入れ歯が取れやすくなる>
総入れ歯は入れ歯と歯茎の間に唾液があることによって付いています。唾液は少なくなると入れ歯が取れやすくなってしまいます。
<胃腸に負担がかかる>
唾液は食べ物を潰して、かたまりにし飲み込みやすい形にします。また、唾液の中にアミラーゼという糖を分解して体に吸収しやすい状態にする酵素が含まれています。唾液が少なくなると、胃腸で全ての食べ物を分解しなくてはならないため、胃腸が悪くなります。
<風邪を引きやすくなる>
唾液には口から入ってきた風邪などのウイルスを防御するリゾチームが含まれています。唾液が少なくなると口や喉をウイルスから防御することができなくなり、風邪をひきやすくなります。
<食事がおいしくなくなる>
舌には味を感じる器官の味蕾(みらい)があります。唾液が少なくなると舌が擦れ、赤くなり炎症を起こしてしまいます。味蕾が機能しなくなり味を感じ取ることができなくなります。
☆★☆ 唾液が少なくなる原因 ☆★☆
<薬の副作用>
自律神経、花粉症、高血圧の薬などの 中に唾液の量を少なくしてしまう副作用があります。特に精神科で出される薬に多く、急に虫歯が増えてしまうことが多いのです。
<更年期障害>
唾液の量は年齢とは関係がないと言われていますが、更年期障害になると唾液が少なくなる方がいます。口の中が乾く感じや歯茎の違和感を訴える方が多いです。
<シェーグレン症候群>
自己免疫疾患のひとつで、自分の免疫細胞が唾液腺を攻撃して壊してしまう病気です。そのほかにも涙腺を攻撃するためドライアイやドライマウスなどになってしまう病気です。
<X線治療>
がんの治療で放射線を唾液腺に浴びてしまうと、唾液が少なくなってしまいます。がん治療の放射線は強力なため唾液腺が破壊されてしまい唾液の量が少なくなってしまいます。
☆★☆ 唾液が少ない方の対処法 ☆★☆
<人工唾液の使用>
人工の唾液を使い、口の中の潤いを保ちます。現在、人工唾液は多くの種類があり、スプレータイプ、ジェルタイプなどドラッグストアや通販等で購入可能です。
<唾液腺のマッサージ>
唾液腺をマッサージして、刺激を与え唾液が多く出るようにします。唾液が出る唾液腺は大きなものが3つあります。耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)です。この部分をマッサージすると唾液が多く出やすくなります。
<薬の変更>
唾液が少なくなりやすい薬が変更可能であれば、主治医に違う薬を処方してもらいます。薬の変更ができない場合もありますので、歯科医と相談の上、紹介状を書いてもらいます。
<虫歯予防の徹底>
唾液が少ない人は、徹底した虫歯予防を行っていかないと虫歯を繰り返してしまいます。自分が考えている以上に虫歯の進行が早くなってしまうので、フッ素を使用し、歯の強化が必要です。
<ストレス解消>
ストレスが加わると唾液の量は減ってしまいます。緊張した場面では喉が乾く現象です。できるだけストレスのかからない生活を送るようにしてください。
※虫歯は歯磨きだけで予防できるものではありません!自分がなぜ虫歯ができてしまうのか唾液検査をすることをお勧めします。