前回は、4月の北海道で起きた融雪洪水についてお話しましたが、今回は、雪解け時期の北海道に潜む別の危険についてお話しします。



1961年(昭和36年)4月5日に、北海道で起きた雪崩事故はご存知ですか?



実はこの日、北海道平取町の沙流川発電所建設現場と、新冠町の新冠川支水路の建設現場でそれぞれ雪崩が発生し、巻き込まれた多くの作業員が死死亡しました。



まず平取町では、作業員宿舎が雪に埋もれて倒壊し11人が、そして新冠町でも同様に作業員宿舎3棟が倒壊して22人が犠牲になりました。合計33人もの命が奪われたこの事故、64年前ということもあり、映像や詳しい資料は残っていませんが、いずれも1961年の主な自然災害として記録に残っています。



北海道の雪崩危険箇所は、2013年11月時点で2,536箇所もあります。

※雪崩危険箇所とは、豪雪地帯指定地域で過去に雪崩が発生したか、または発生する恐れのある箇所のこと。人や建物に被害が及ぶ可能性のある箇所も該当する。


雪崩には、気温が低く降雪が続く時期に多い表層雪崩と、春先の融雪期など気温が上昇した時に発生する全層雪崩があります。



この時期に多い全層雪崩の前兆には、雪しわが出来る、雪のかたまりが落ちてくる、雪面に亀裂が入るなどがあります。雪しわというのは、積雪の表面にできる、ふやけた指先のしわのような模様のことです。









もしもあなたが雪崩の兆候を見かけたら、その場からすぐに離れて、最寄りの警察署や消防署、市町村役場に連絡してください。もしかしたら、すでに誰かが巻き込まれている可能性もあります。迷わずに連絡しましょう。



亡くなられた多くの作業員の方々のご冥福をお祈りします。