レナちゃんが帰ったあとに、月夜を見ながら思った。

僕よりも年下のように思えるけど、もう就職してるのかな?
何の仕事してるんだろう?もともと、どこの人なんだろう?

よく考えてみれば、名前以外、何もそういうことを聞いてないや。
それにケータイの番号とかも知らないし。

明後日あったら、いろいろ聞いてみようかな……。
でも、レナちゃんも聞いてこないってことは、純粋に音楽を楽しんでるだけなのかな……?

なんだか、わからないけど、久々に人を気になってしまった。




これは“好き”ってことなのかな?




レナちゃんがいると楽しいし、
彼女を公園で待っている時も“待って”しまったし……。

僕は中学生の頃から、頭の中を整理できなくなると、それをノートに書くようにしている。それを題材に、詩を書くこともある。そのノートにレナちゃんのことを知らぬ間に、いろいろ書いていた。メガネが似合うとか、いい香りがするとか、笑顔がかわいいとか……。



いろんなことを考えながら、2日後の夜になった。



いつものように、ベンチに座ってギターを弾いていたら、いつもの格好のレナちゃんが現れた。



「こんばんは~。」



2日しか経ってないのに、なんだかレナちゃんの声が懐かしい気がした。
とりあえず、HEYが聞きたいってことで、この前と同じように歌った。
拍手をしながら、レナちゃんが、



「やっぱり、いいね~。歌を歌おうか~♪酒をのもうか~♪って聞いてるとお酒飲みたくなっちゃった。そこのコンビニでお酒買って飲まない?」



レナちゃんからの意外なお誘いに、少し驚いたけどすぐにOKした。



「何でも飲める~?レンくんはギターがあるから私、買ってくるね。」


「何でも大丈夫だよ~。お金はどうすればいい?」


「私から誘ったし、演奏料金ってことで!行ってくるね~。」



そういうと、コンビニにレナちゃんは走って行った。
すぐに、レナちゃんは戻ってきて、



「お待たせ~。ビールとチューハイどっちがいい?」



そういうと隣に座った。



「じゃービールで。ありがとう。いただきまーす。」



そして、小さく2人で乾杯した。



お酒を飲みながら、得意な曲やレナちゃんが知っている曲を弾いて時間を過ごした。
そして、歌い終わったころに、疑問に思ってたことをいくつか聞いてみようと思った。



「レナちゃんは、ウィークリーマンション借りてるってことは、いつも仕事でいろんなとこに行ってるの?」


「うん。そうだね~。でも、実家にいるかな~。」


「へ~。実家はどこなの?」


「静岡だよ~。だから、仕事が長引く時は、東京にウィークリーマンション借りて住んでるんだ~。」


「えっ?てか、何の仕事してるの?」


「なんでしょ~?」



少し顔を赤くさせたレナちゃんが答えた。



「ん~。旅行関係?なんだろう……。思いつかないな~。」


「じゃぁ~ヒミツ!」


「教えてよ~気になるよ~。」


「それよりも……、聞いてほしい事があるの。」



深刻そうな顔をしたレナちゃんが僕にそう言った。



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